特定不能の解離性障害
▶特定不能の解離性障害

 

解離性障害と解離性同一性障害のどちらとも言えないけど、その中間の特定不能の解離性障害の方がいます。解離性障害は、身体症状の不安からパニックになりやすく、身体症状を引き起こす外の世界の気配や対人場面に過敏になり、人から傷つけられるのではないかという不安があります。そして、心の中は恐怖に怯えていて、とても恐ろしい世界に住んでいるように捉えているので、何も感じないよう、何も考えないようになっていき、出来事の記憶が欠落します。解離性同一性障害では、恐怖や生活全般の困難から、日常生活をまともに送れなくなり、幻覚や人格交代が起きます。

 

特定不能の解離性障害は、解離性同一性障害と似ていますが、はっきりと他と区別される複数の人格が存在しないとか、重要な個人的情報の関する健忘がありません。特定不能の解離性障害の人は、恐怖と生活全般の困難により無力化されていて、本当の自分は身体の内側で小さくなり、じっとしているか、奥の方にいて隠れているか、背後にいてこの世界を観察しています。そして、自働的に身体が勝手に動き始めます。そのため、偽りの自分に操られているとか、させられているような体験をしているとか、本当の自分と偽りの自分が同時にありながら、入り混じり変動していくような体験をしています。また、いつも自分が自分でない感覚があり、現実感が薄く、今を感じることができず、自分は誰とも関われないし、誰も本当の自分とは関わっていないという奇妙な感覚があります。ですから、本当の自分のしたい事や本来の性格は無視されていき、偽りの自分が何もないふりをして正常な生活を送ります。そして、本当の自分は、偽りの自分の考えに従って生きているか、本当の自分が偽りの自分に乗っ取られて、入り混じってしまうことで、気づいたら自分の人生の大部分が自分ではない部分が生活していたことを知ります。

 

本当の自分に戻れたとしても、人間関係によっては、偽りの自分が引き出されてしまう不安を抱えていくようになります。さらに、集団に交わると圧倒されてしまって、何もできなくなり、内側に閉じこもったようにとか、自分のことを背後から見ている自分になるので、人生を思う存分楽しむことできず、生きていくのがしんどくなります。やがて環境との接触を避けるようになり、一人で生活をすることを望んでいきます。そのため、シゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害、回避性パーソナリティ障害に発展して、家族を含めた親密な関係もつこを避け、一貫した孤立を求めるようになるとか、相手にのみこまれて自分の独立性を失う恐怖のなかで過ごしている人もいます。

 

時間感覚は、過去から現在、未来がはっきり分からなくなっています。見た目は健常者のように見えますが、心の中は、傷つきやすい子どもや純粋な子どものままの自分に対して、社会に対して臆病な自分や批判的な自分、無関心な自分など二つの自己部分に分裂しています。子どもの頃から、人や集団場面が怖くて、学校生活がとにかく大変です。発達早期に外傷体験があると、身体は生命の危機に瀕した体験が刻み込まれます。そのため、特に集団で交わる場面に圧倒されるようになり、身体が緊張していて、声が出にくかったり、耳が聞こえなくなったり、歩きづらかったり、固まり動けなくなったりと無意識のうちに制限がかかります。そのような体験を繰り返すことで、自分は他人と比べてズレていることが分かり、自分を出さないようにするとか、周りに過度に合わせるとか、周囲の期待に応えようと努力していきます。しかし、学校生活で周囲に合わせるのが難しくなり、気持ちが落ち込んでいくと、自分の世界に深く入り込んでしまって、自分が偉大な人間になる幻想に耽ったり、妄想を膨らませていくことがあります。そして、大人になった今では、社会や人と接することが怖くて、否定されるのが嫌で、相手の顔色を伺いながらビクビクして過ごすようになります。

 

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