解離性障害の彼女と恋人の彼

▶解離性障害の彼女と恋人の彼

 

解離性症状は、もともと神経系の発達に問題があったり、虐待や発達早期にトラウマがあったり、母子関係にこじれていたり、性被害にあったり、いじめにあって無理に学校を連れていかれたりすることで生じます。この症状がある人は、波長を合わせてくれる大人や心響き合う親子関係のもとで育っておらず、腹側迷走神経の働きが鈍くて、社会交流システムが働かず、落ち着いてリラックスすることができません。どちらかというと人から傷つけられるという不安が強くて、交感神経と同時に、背側迷走神経が働くため、身体が硬直しやすく、お腹が痛くなったり、頭痛がしたり、胸が苦しくなったり、息がしづくなったり、めまいが起きたり、吐き気がしたり、けいれいしたりします。そして、恐怖を感じると、足の方から全身にかけて凍りついて、固まります。そのため、人間関係を深めていくより、一人でいることが好きで、恋人との関係は面倒くさいと思うかもしれません。人間不信で、自分のことで精一杯なので、感情が高まりそうな人間関係を回避したり、切り離したりしたくなります。

 

▶解離性障害の彼女の特徴と接し方10項目

 

解離性障害の持つ人は、一般に女性のほうが多いです。というのも、男性の場合は、体格差があって怖い相手でも、離人させながら闘争本能剥き出しで戦うことができますが、女性は怖くなると身体が固まってしまいます。ここでは、解離性障害の彼女と恋人の彼という視点で書いていきます。

 

①体調不良で疲れやすく、すれ違いが起きやすい

解離性障害の彼女は、一般的に、体調不良が起きやすいため、恋人や配偶者と長時間過ごしたり、長期的に人間関係を築いていくことが難しい状態にあります。また、解離性症状により、体調不良が頻繁に起こるので、恋人や友人と関係していくことに疲れていきます。そのため、彼は、彼女が体調不良で疲れていることが分からずに、自分が嫌われてしまったと誤解しやすく、すれ違いはよく起きます。また、解離性障害の彼女は、精神面や体調面の調子が悪くて、恋人の彼の期待に応えられないだけなのに、彼の方が、自分は嫌われてしまったと悪い方に解釈していくので、その度にイライラしてしまうことが増えるかもしれません。そして、余計に体調が悪くなり、人に会うことが億劫になっていきます。

 

②体調不良の起きやすさと苦手な場所の確認

解離性障害の彼女は、猫をかぶらず、自分の思う通りにしているときは、体調不良が起きづらくなり、疲れにくいです。しかし、予想外の出来事が起きたり、人から視線を向けられたり、背後に立たれたりすると息がしづらくなり、過度の緊張と不快感に襲われて、喉や胸が苦しくなり、身体のある部分が硬直して、お腹が痛くなる人がいます。解離性症状があると、さまざまな人が行き交う場面(学校の教室、職場、街中など)は、刺激が強すぎて耐えれなくなります。また、脳の視床の部分のフィルターが弱い場合は、頭のなかに過剰にどっと情報が入ってきて、人混みのなかでは、胸が潰れるような思いがあるかもしれません。

 

③集団場面に馴染めなく、孤独な傾向

解離性障害の彼女は、子どもの頃から、学校集団に馴染めなく、苦手にしてきました。人目につかないように、人の悪意に気づかないように、息を潜めてきました。常に、孤独や疎外感を感じながら、一人で寂しい思いをしてきていることが多いです。そのため、恋愛や結婚などパートナーに求める質が通常の人とは異なっていることがあります。最初のうちは、パートナーのことを過度に理想化して、相手を信じて期待しています。そして、いろんなことを犠牲にしながら、関係を続けていくと、後戻りできない事態に陥ります。

 

④相手に合わせすぎて、しんどくなっていく

解離性症状があると、予想外の出来事に対して、神経が痛みやすく、強い刺激に耐えれなくて、過敏で、線が細くて、人から傷つけられるかもしれない恐怖があります。人の悪意が怖く、人に悪意を向けられないようにしており、不快感や相手の悪意を受け入れられず、潔癖なところがあります。普段は、相手に合わせようとして、嫌とも断りにくく、我慢しています。そして、敵を作らないように、悪く思われないようにしており、自分のことを良く見せようとか、争いを避けて平和を願います。ただし、解離性障害の彼女は、恋人の彼の要求に応えていくと、言われるがままになっていき、彼の方がエスカレートしていきます。やがて、自分の限界を言葉にできずにいると、ストレスや緊張が蓄積されて、やがて感情が爆発するか、身体が動けなくなり、関係を続けることが難しくなります。

 

⑤いいなりになったり、怒られるのが怖かったり

解離性症状のある人は、戦うことも逃げることもせず、その場で固まり立ち尽くすか、死んだふりをして生き残ろうとしています。基本的に、人が怖くて、自分が人を傷つけてしまうことも怖がっています。人間関係は、いつの間にか、いいなりになるようなシチュエーションになっていくことが多いです。解離性障害の彼女は、自分の安全を保障してくれる強い人を好む反面、怒鳴られたり、威嚇されたりすると、怖くなって身体が凍りつくので、関係を続けていくことが難しくなります。また、優しい人の慣れない温かさが怖くて、疑って見てしまったり、苦しかったり、優しくされても応えられないと距離を置く傾向があります。

 

⑥無感情・無感覚なので、好きになれない罪悪感

解離性障害の彼女は、気配や体内が過敏であり、変わった反応をしやすいです。解離性症状が重くなり、無感情、無感覚になっていくと、人に対して愛情が湧かなくなります。人を好きになれるかどうか、親密になれるかどうか、そういった感情が湧いてこず、自分の気持ちが分かりません。そして、何も感じることができないでいると、嬉しいや楽しいという感情がなくなり、生きている意味が分からなくなります。恋人の彼は、同じ空間を共有している感じがしなくて、心ここにあらずな状態でいる彼女のことが心配になります。彼女が無口で心の世界にこもっている場合は、彼はその姿に不安や動揺を感じて、気持ちを取り戻すそうとすればするほど、彼女は振り回されてしんどくなり、気持ちが離れていくかもしれません。そして、彼女は、好きな気持ちが湧いてこず、彼の気持ちにこたえることができないことに対して、罪悪感を持っているかもしれませ

 

⑦距離が近いほど、刺激が強いため、人間関係、肉体関係が苦手

解離性障害の彼女は、相手から距離が近づかれすぎると、喉や胸がつっかえたように感じ、息がしづくなり、相手のことを払いのけたくなる人がいます。肉体関係を求める恋人の彼の期待に応えられないことに罪悪感を感じながら、一方で、縁を切りたくないと思っていることがあります。また、彼の要求に応えたいけども、体調が悪くて、そっとしておいてほしいと思っているかもしれません。

 

⑧本当の自分のことが分からず、相手を鏡のように使う

解離性障害の彼女は、身体感覚や皮膚感覚に障害があり、自他の境界が曖昧なことがあります。身体の神経には過剰なエネルギーが凍りついています。恋人の彼が怒ると、彼女も怒りが湧いてきたり、彼が悲しむと、彼女も悲しくなり、なんとかしてあげたいと思います。ですから、周囲の人の感情に敏感で、自分を安心させるために、相手を喜ばせようとします。しかし、本当の自分の喜ばし方が分からず、身体感覚に乏しいため、自分のモチベーションが湧いてきません。

 

⑨関係性を深めようとすればするほど、関係を続けられなくなる

解離性障害の彼女は、自分に自信がなくて、人にどう甘えていいかも分からず、信頼を持つことも分かりません。また、恋人の彼との関係が深まり、距離が近づけば近づくほど、感情は高まりますが、それと同時に、安全が保証されていないとシャットダウンを起こします。そのため、関係がなかなか深まらず、一定の距離を保って接するようになります。燃え上がるような恋愛感情は、すぐに麻痺させられてしまい、ロマンティックを夜を過ごしたあとに悪夢を見てしまいます。また、好きな相手との再会を楽しみにしていたのに、当日になると足が痙攣したり、体調不良が起きたりして、その場所に行けなくなることが起きます。

 

⑩低覚醒状態で、判断力や思考力が乏しい

解離性障害の彼女は、呼吸の回数が少なく、判断力や思考力が落ちていて、ぼーっとしたり、衝動的な行動も見られたりします。物事を決めて前に進むことできず、優柔不断で、恋人の彼には手を引っ張っていってほしいと思っています。恋人の彼が楽しそうに過ごしている表情を眺めることで、自分の幸せを感じます。一般に、自分で自分の幸せを感じることが苦手です。

 

▶解離性障害の彼女の求めていること

 

解離性障害の彼女は、恐怖や痛みのせいで動けなくなっています。彼女は、動けなくなっている自分の手を引っ張ってくれるような恋人を求めています。そして、あいつ(加害的人物やトラウマのブラックホール、解離という強靭な力)がまとわりついてきて、連れ去られる恐怖のなかに一人きりでいます。心の中では、あなたに早く助けてと叫んでいるかもしれません。パートナーになる人は、彼女の手を引っ張ってあげて、立ち止まらず、どこまでもどこまでも走っていきましょう。彼女が歩けなくなったら、列車に乗って遠いとこに行きましょう。悲しい気持ちになったり、泣き出したくなっても、大きな闇の中でさえも、二人の幸せを探して、一緒に歩いていきましょう。解離性障害の彼女の手は、あなたの温かみに触れるために存在します。解離性障害の彼女の足は、あなたと歩くために存在します。解離性障害の彼女の目は、あなたを見つめるために存在します。解離性障害の耳は、あなたの声を聞くために存在します。

 

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