睡眠障害とトラウマ

▶睡眠障害

 

睡眠障害は、全人口のうち10~20%ほどの人が持っており、非常にありふれた症状と言われています。睡眠時間が不足している人は、自分で自分をコントロールする力や、自己の感覚が弱まってきます。それらが長期にわたると、ストレスへの耐性が弱くなり、うつ病や双極性障害、依存症、PTSD、不安障害、解離性障害、摂食障害などに罹りやすくなります。そして、感情調整能力や集中力、持続力が低下して、意欲を失いやすいです。

 

睡眠不足から、エネルギーが不足すると、それを補おうとして、コーヒー、フライドポテト、お菓子、ケーキ、アイスクリーム、たばこ、お酒の量が増えて、必要のない物まで買ってしまいます。さらに、感情が不安定でイライラしやすく、自分で自分をコントロールできなくなります。日中は、頭がぜんぜん回らず、頭痛などでしんどくて、仕事や学校でミスすることが多くなります。また、睡眠が取れずにストレスが過剰になると身体症状が出てきます。そして、このような悪循環が続くと、過度に悲観的になり、悪いことばかりが起きているように感じたり、生きていくのが怖くなったりします。

 

▶睡眠障害とトラウマ

 

過去に逃げ道なく、支配してくる人物に捕らわれ、恐怖や戦慄に凍りつくようなトラウマを受けた人は、夜に眠ることが難しくなります。トラウマというのは、深くどこまでも続く、真っ黒な空洞のなかに吸い込まれて、何もない境界の彼方に連れていかれるような体験と言えます。このような体験をどこかでした人は、夜を怖がり、暗闇の気配に怯え、影や光、物音、匂いなどに過敏になり、被害妄想が拡大すると、幻聴が聞こえたり、過去に引きずり込まれますトラウマがある人は、不安や緊張が強く、敏感に反応して、過剰に脳が興奮したり、身体が硬直したりして、夜に眠れなくなります。また、夜になる度に、嫌な記憶が蘇り、胸が痛くなり、身体は固まり、凍り漬けになっていることがあります。夜に眠れないというのは、一般的に、身体の中に安心して住むことができていないからです。身体は、長年の降り積もったストレスや恐怖に硬直していて、胸や頭が絞めつけられるように痛く、呼吸がしづらく、冷たくなっています。また、頭や手足が痺れたり、胃が熱かったり、みぞおちが張って痛かったり、肌の感覚がムズムズして気持ち悪かったり、体内の不快感から、何か気になって眠れません。

 

トラウマがある人が、仰向けになり、横たわって寝るというのは、身体が固まり、身動きがとれなかった過去のトラウマの状況と似ているために、身体の方が収縮して、緊張しています。また、眠るときは、意識が低下していくなかで、目をつぶり、一つのことに意識を集中していくため、変性意識状態に入りやすく、過去のトラウマが賦活されやすい状態とも言えます。特に、解離性症状のトラウマがある人は、身体の中にトラウマという莫大なエネルギーが滞っています。寝ようとしているときは、意識の低下とともに、自分の中で抑制していたものが抑制しきれなくなります。自分が過去に処理できずにいたトラウマの記憶が脳や身体のなかで活発に働き始めるため、物音がするだけで妄想が拡大して、自分が体験しているように感じます。そして、気分は落ち込むばかりで、過去の嫌なことも思い出されてしまって、妄想が頭の中をぐるぐる回り、失敗したことやネガティブなことを考え続けることになります。また、不安から怖くなり、気持ち悪くなるとか、興奮して眠れなくなり、だんだん心配になってきて、部屋を歩き回ったり、パニックになったりします。その結果、眠れないことが大きな問題になり、夜も早くから布団の中に入って寝ようとしますが、なかなか寝付けず、明け方になればなるほど、このまま寝てしまったら起きれないという焦りや恐怖から、脳が覚醒してしまって、眠れなくなります。また、たとえ眠れたとしても、睡眠中に脳や身体の神経系に蓄積されたトラウマが再現されるため、寝言を話したり、歩き出して何かをする人がいます。さらに、中途覚醒、悪夢、人格交代などが起きている場合は、彼らは寝ることが怖くなり、精神的にはギリギリの状態で、眠れたとしても疲労が残ります。

 

▶睡眠セラピー

 

睡眠セラピーでは、いつでも寝れるように、パジャマに着替えてもらって、寝床でスカイプや電話を使ってカウンセリングを行います。当相談室は、夜に90分の時間をかけて、リラクセーション瞑想をしていきながら、寝ることを目的とした睡眠セラピーを行っています。まずは、自分の思ったことをたくさん話してもらって気分を発散します。そのあと、目をつぶりながら、頭の中で自分の望ましい記憶や安心できる記憶を思い浮かべながら、身体の方を温めたり、フワッとした感覚を体感していきます。また、呼吸のパターンに変化を加えて、リラックスする状態に持っていったら、そのまま、眠たくなったら寝てしまってもかまいません。

 

次に、凍りつくようなトラウマがあり、身体が硬直していて、呼吸がしづらく、胸やお腹が張った感じがあるとか、痛みが強くて寝つけない人には、あえて身体を縮ませて、固まらせたあとに、セラピストがガイド役になり、イメージを作っていきます。危険な場所から、二人きりでどこまでも遠く行こうとするイメージをして、大きな闇の中を幸せを探しに進みます。そうすることで、恐怖で固まった部分が震えて、弛緩されていき、魔法をかけられたように眠れるかもしれません。また、最悪なイメージを使いながら、身体を不動状態にして、肉体感覚を体験しつくすことで、ブルブル震えるか、熱を帯びる反応が起きて、安堵感に変わっていきます。動状態に入って、自然に抜け出れるようになると、体は軽やかになり、安心感から深く呼吸できるようなって、久しぶりに深い眠りができるかもしれません。

 

一般的に、人が眠れる状態というのは、低い覚醒状態で、身体はポカポカ温かく、緩んでいて、心拍数が低く、呼吸がしやすく、皮膚のムズムズ感、体のモヤモヤ感がなく、考えごとがなくなると、安心して眠れます。一方、頭が冴えていて、心拍数が高く、身体に冷えて緊張していて、不安から考え事ばかりしていると眠れません。そのため、肌触りの良いパジャマで、ホットタオルで体を温めて、アロマの香りとともに、楽な姿勢で、楽な呼吸をして、心地良さを追求した先に眠りにつけます。※カウンセリングを受けても、セッション中に必ず眠れるとは限りませんが、良い習慣を作っていくことにはなります。

 

 

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