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アンガーマネジメント


怒りの感情のコントロールは、自己愛性パーソナリティ障害や境界性パーソナリティ障害、解離性障害、発達障害などの方に問題が見られます。彼らは、トラウマティックな部分を持っており、脳が脅威を遠ざけようとする防衛が働くため、脅威を察知すると、カウンター攻撃してしまいます。

 

人が怒りの感情を抱くのは、体の中で感じているものだけではなくて、怒ることをした相手がいるためであるので、被害を受けた場合の怒りは我慢をせずに、怒りを示すことが重要になります。しかし、怒りをコントロールしなくてはいけない人というのは、怒りっぽい性格で、神経がすぐにヒートアップし、怒りを溜め込みやすく、虐待、DV、パワハラ、モラハラする人で、怒りの感情が爆発しやすい人に当てはまります。怒りの感情を、適切に表現した方がよい人とコントロールしていく必要がある人の二種類があります。

 

怒りの感情をコントロールするには、自分の加害性を意識して、自他の区別をつけれるようになり、感情的になる前に、自分の体の経験を認識して、自己調整するスキルを身につける必要があります。

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被害者感情ではなく自身の加害性


自分は正しくて、被害者であると思っているかぎりは変われません。まずは、自分が怒りをコントロールできず、どれだけ周りに迷惑をかけてきたかという自分の加害性に気づくことが重要です。自分が今まで散々酷いことをして、傷つけてきたことを反省し、自分の悪い部分を見て耐えていくことで成長できます。

自他の区別


怒りの感情をコントロールできない人は、自他の区別があまりなく、自分が正しいと思っている価値観を相手に押し付けます。相手に自分との価値観の一致を求め、自分の思い通りにしようと思っています。自分の価値観を正しいと思っているために、他人が自分と同じ価値観であれば問題はありませんが、違う場合には対立することになります。

 

異なる価値観や対立する意見に直面するときには、相手を否定的に捉えたり、感情的になります。感情をコントロールするには、危険や脅威を感じて、感情的になる前に自己認識することが大切になります。また、価値観の違いが浮き彫りになって、イライラするよりも、白黒はっきりしなくてもいいとやり過ごせるようにします。一つのことで目くじらを立てず、自分と違う感じ方や考え方があることを学ぶことが重要です。

 

他人は自分とはまるで感じ方や考え方が違っていて、その動かしがたい他者との関係で苦しみ、自分の思う通りに動いてくれない痛みに耐えるという訓練を通じて、一人ひとりの個人を尊重していけるようにしていかないといけません。

 

自他の区別をつけて、自分の意見や価値観とは異なる見方もあるということを理解できるようにしていきます。また、自分と価値観が違っても、その不一致を楽しめるようにします。そうすることで、自他の区別がつくようになり、自分の考え方自体も少しずつ変わっていき、多様性を楽しめるようになっていきます。自分とは異質なものに直面したときでも、脅威を感じてイライラするより、人それぞれ良いとこも悪いとこもあるしと、のんびりできるようになります。

身体の硬直


怒りっぽい人は、嫌な場面に遭遇すると、防衛的な脳が働くため、一瞬で神経が張りつめて、首や肩がガチガチに張り、頭に血がのぼる特性があります。そのため、他者との関係で嫌なことを感じ、怒りの感情を抱いた時には、自分の体の状態がどうなっているかを意識することで、怒りをコントロールできるようになります。イライラし始めたとき、一旦その場を離れて、自分の体に注意を向けていくことが大切です。頭に血がのぼってるときでも、体のどこが異変をかんじているのか、体に意識を向けると元に戻ります。

 

体に注意を向けることに慣れていくと、嫌な場面で、首や肩がガチガチになるとか、頭のほうに血がいくとか、口の中が渇くとか、胸が苦しくなるとか、息がしづらいとか、眉間にしわがいくなど、体の硬直に気づくようになるので、そのような部分に意識を向けて、体を動かしながら、筋肉をほぐします。体を動かして、筋肉をほぐすことが、体の過緊張や凍りつきをほぐすことになり、張りつめていた神経が緩んで、怒りなどの負の感情も取り除くことが可能になります。

 

トラウマのボディセラピーを続けていくと、他人との関わりにおいて嫌な場面に直面したときに、以前ほど体がガチガチに凍りつくことが無くなります。自分から自発的に嫌なことに向き合い、体の反応を理解していきます。頭に血がのぼり、イライラしているときは、体が硬直して、力が入り、過覚醒の闘争モードになるときなので、普段から体の筋肉を緩めることを心掛けます。体が一瞬で硬直して闘争モードに入らないようになれば、自分の攻撃性を止めれるようになり、イライラする機会が激減します。そして、日常生活の中で、自分の鎧を取っていくようにして、肩の力を抜き、体を楽にしていきます。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

論考 井上陽平

 

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