恐怖と戦うこと

▶恐怖と戦うこと

 

恐怖が強くなると、人間の理性は弱まり、神経の働きが原始的になります。人間の体は異常状態になり、脳は緊急事態として捉えるようになります。恐怖が強くなればなるほど、体は固まり凍り付いて、頭で思考するようになります。恐怖と戦っている人は、いつ自分が体が固まり立ちつくすようなことが起きたり、頭の中がフリーズしてしまうことが起きます。自分の感情のコントロールが効きづらく、自分が自分であることが揺さぶられていきます。緊張や恐怖が高まる場面では、心が搔き乱されてしますので、高いパフォーマンスを維持することがむずかしくなります。

 

自分が自分で無くなってしまうような当時の恐怖体験は、今は遠く離れていて、向き合うことが難しくなっています。当時のことを思い起こしても、感情が乗っからず、身体が反応しません。恐怖に向き合って、感情を再現させて、身体を凍りつかせて、トラウマの部分に近づきます。トラウマのコアに近づくほど、身体はものすごく反応して、凄まじい緊張がほどけていきます。

 

トラウマは、今も身体の中にあって凍りついています。今までは、つらい気持ちや耐えられない痛みを感じないように凍りつかせてきました。

 

受け付けないような体験をしたときには、身体が緊張して筋肉が縮こまり、肩が凝ったり、背中が硬くなったりします。腕も重たく、動きづらくなります。しかし、それらに気づいて意識を向け、集中して、口を開け閉めしながらほぐしていくと、次第に体が暖かくなっていって凝りがとれていきます。

 

 

恐怖により、原始的な神経が優位な人は、人生上の出来事で失敗しやすくなります。家庭、学校、職場などの人間関係で負のスパイラルに陥ります。なによりも怖いのが全面にあるので、常に脅かされながら生きています。自分が人から悪意を向けられることが怖くて、自分の負の部分を人に知られてしまうことを恐れています。

 

恐怖に向き合い続けると、今まで麻痺させていた悲しみや怒りの感情が湧き出てきます。

今まで感情を吐き出せてこなかったので、早めに怒りや悲しみの感情を出したほうが良いです。

自分の身体の感覚が戻ってきているのが分かります。

 

複雑なトラウマがある人は、自分の体が自分のものでないことがあります。その凍りついた体に注意を向けて、不快な感覚・感情を受容できれば良い方に向かいます。

 

凍りついて感覚がない身体に意識を向けていく。

身体の痺れ(恐怖や痛みの麻痺)に気づく。

痛みや違和感、圧迫感、不快感が出てくるが、それを受け入れて意識を向け続ける。

震えや揺れ、熱が出てきて、全身の緊張がほぐれていく。

※手足の筋肉が崩れ落ちている場合は、別の処置が必要。

 

▶治療への抵抗

もう治療が既に手遅れだと思って諦めたり、

怖いのが嫌で、トラウマに向き合いたくない

 

力を抜きたくない、無防備になるのが怖い、

自分の状態が変わっていくことで、今までの自分を維持できなくなるのが怖い

 

何かを期待することが苦しくて、何も期待しないほうが楽です。