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肩こり・首こりエクササイズ


人間の体は伸びるか縮むかのどちらかの状態にあり、拡張と収縮のリズムを刻んでいます。複雑にトラウマがある人は、体が生命の危機を覚えているために、現実、もしくは想像上の脅威に対して、危険を察知して、恐怖や怒りを感じて、警戒心が過剰になります。強い緊張状態から、自分を防御する姿勢を取ってしまうため、慢性的に縮む(収縮)ほうに向いており、歯の食いしばり、肩こり、首こり、片頭痛、顎関節症を患いやすくなります。

 

体は過去の外傷体験のショックを記憶していて、日常に戻った今でも、自分は気づかないうちに、神経を張りつめた生活を送っています。そして、トラウマが複雑化している人ほど、生活全般の緊張やストレスが強くなり、体は過覚醒や凍りつき、虚脱の間を行き来するようになります。

 

凍りつき状態とは、常に防衛態勢を敷いている状態で、体の中の莫大なエネルギーを抱えています。ストレスに対して、頭や首、肩、背中はガチガチに固まり、感情的な反応が出ます。虚脱状態のときは、四肢の筋肉が極度に弛緩しているため、力が入らず、血液の巡りも悪くなり、自分の体を支えることが大変です。自分の体重を支えようとしても、筋肉が崩壊しているので、首と肩、背中、腰に負担が掛かりすぎて、硬くなったり、痛んだりします。

肩こり・首の痛みのケア

①肩を回すエクササイズ


慢性的な肩こりや首筋の痛み、頭痛を治す方法は、自分の体の内側の状態の悪さを麻痺させるのではなく、意識させます。首や肩に意識を向けて、肩や首筋のこりが慢性化していることが分かり、その痛みをどんどん意識すると重くなっていくので、今度はそれを取るために肩を動かしていきます。肩を動かすときは、肩や肘の関節、腕の筋肉を使い、意識を向けて、動かします。

②緊張させた肩を自由に動かすエクササイズ


左右の肩を片方ずつ、緊張を強めていって、緊張が強まったら、今度は、肩がどう動きたがっているかをイメージします。そして、緊張の強い肩を、あたかも自然に動き出しているかのように動かして、肩の力を抜き、楽な状態にします。

③口の開け閉めエクササイズ


顎を引き、口の開け閉めをゆっくりリズミカルに行います。その時は、シンギングボウルなどの心地良く、体に響く音をyoutubeで聴きながら、肩や首など体の気になる部分に意識を向けていきましょう。この口の開け閉めにより、顎を中心に筋肉や神経がストレッチされて、全身にジワジワと広がり、体全体が正常な状態に近づいていきます。

④体を楽しく動かすエクササイズ


全身に振動や揺れ、音、リズムが伝わるようなものを手に持って、それを振り回しながら手足を自由に動かすか、もしくは、トランポリンの上を飛んで遊びます。また、音楽を聴いてダンスを踊るとか、スポーツを楽しむなど体を楽しく動かすエクササイズをして、覚醒のエネルギーを高めて、腹式呼吸を混ぜるのが良いです。

⑤体を日常的に動かす重要性


首や肩が凝りやすく、手足が冷える人は、じっとしていると体は固まっていくために、日常的にその場で軽く運動することを心がけましょう。運動といっても、足首を動かす、足の関節を動かす、肩を回す、首を伸ばす、口を開ける、視線を動かすなどです。

⑥リラクセーション


ソファやリクライニングチェアに、全身を預けて、くつろぐことに慣れていきましょう。頭や首のラインまでしっかり体重を預けて、体の重力を感じながら、深呼吸し、手足が温かくなるのを感じていきます。日常生活において、リラクセーションすることで、自分のモードを変えることができます。

◎注意点


肩や口のエクササイズを行うことで、体の重みと痛みが軽くなります。ただし、最初のうちは、体の麻痺が取れて、状態が悪くなることもありますが、それは置いておき、毎日エクササイズを欠かさないことで肩こりが減っていきます。

 

大事なのは、適当に肩を回したり、動かしたり、口の開け閉めをするだけではあまり意味がなくて、凝りや痛いところをちゃんと取っていくという意識のもとで動かします。肩を動かすとき、肘の関節や腕の筋肉を動かし、意識を向けてあげることで、その部分が温かくなります。ただし、すぐ日常で肩がこってしまうので、毎日マインドフルネス瞑想をしながら、肩回し、肩動かし、口の開け閉めを運動を行うのが良いです。そして、人と関わるときは、肩の力を抜いて、フランクに話していきましょう。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

論考 井上陽平

 

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