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凍りついた身体と過食


▶凍りつき現象と過食行動

 

過食症になりやすい人は、過覚醒や凍りつき、虚脱状態など、身体の中にトラウマを持ち、交感神経と背側迷走神経の働きが過剰になることで患う病気と言えます。凍りつきや虚脱状態にある人は、発達障害の傾向や発達早期のトラウマ、複雑なトラウマがあり、身体が弱い人に見られます。また、機能不全家庭や母子関係のこじれから、長年に渡って、ストレスや緊張に曝されながら、我慢に我慢を重ねてきた人に見られます。さらに、性暴力被害などのトラウマを受けることが致命傷になり、摂食障害になる人がいます。

 

身体が凍りついている人は、とても辛くて、苦しい体験を誰にも言えなくて、周囲を警戒し、本能的には何かにずっと怯えるようになります。そして、日常生活の困難に疲れて、心も身体も限界に近いため、常に凍りついた状態で生きるようになります。身体が凍りつくと、身体感覚が麻痺していき、無力感や絶望感の世界の中に閉じ込められて、そこから抜け出すことができず、四苦八苦します。過食するときは、身体の凍りつきが起こり、アクセル(交感神経)とブレーキ(背側迷走神経)が同時にかかっている状態で、逃げたいのに逃げることができず、どうしようもできない状態で、自分の感情や行動をコントロールできません。

 

過食する人は、お腹が空くとイライラしてしまうとか、対人関係に疲れ果てイライラし、精神的なダメージを取り除く方法として、食べ物を口に入れます。また、不快な感覚に支配されていき、その状況をなんとか解決しようと、頭の中で考えすぎてしまい、情報処理が追いつかずに、パニックになりそうなとこをしのぐために、何も考えずに食べ物を口に入れてしまいます。さらに、パニックから、バラバラに崩壊してしまった体を、元の体に戻すために食べ物を口に入れます。彼らは、無意識のうちに、潜在的な脅威を感じており、そのストレスや不安から、身体は凍りついていき、自分を落ち着かせようと過食行動に走ります。その他にも、口から吐き出すことで、身体の中の気持ち悪いものを一緒に吐き出すことができます。

 

摂食障害の人に多い性格傾向は、人からどう見られるかを異常に気にする良い子で、他者の評価に敏感です。秩序だった世界を望み、自己を徹底的に管理する強迫観念があり、痩せて綺麗になりたいという願望を持ちます。彼らの過酷な精神が、自分の身体を虐め抜きます。しかし、身体の中にはトラウマがあり、過緊張から交感神経が過剰になると、胃腸の消化活動は下がり、便秘になり、一方で、背側迷走神経が過剰に働くと、胃腸の消化活動が活発で、お腹がすぐに空きます。過酷な精神が身体を抑え込もうとしますが、身体の方は徹底抗戦します。そして、落ち着かなくなり、じっとしていることが苦手で、定期的に食べ物を詰め込まないと、もの凄くイライラするために、人は過食行動をしてしまいます。

 

一方、摂食障害の人は、体型を気にしているため、食事を我慢したり、食べても嘔吐することで、飢餓感が強くなり、脳や胃は食べ物を渇望して、頭の中は食べ物のことばかり考えるようになります。心の方が太りたくなくて食べたいという欲望を抑制しても、心と身体は違う動きをするようになり、無茶苦茶な暴食をしてしまうようになります。その結果、もの凄く過食してしまったことを後悔し、嘔吐や下剤を飲むことで自分の体重を維持します。

 

一日中、食べ物への異常な関心で、スーパーやコンビニに行くと、たくさんの食べ物を買って、全部食べます。しかし、自分の見た目にこだわって、本人は痩せて綺麗でいたいから、過食と嘔吐をを繰り返します。一方、凍りついた身体を持つ人は、吐くことでも、快感を得ようとします。嘔吐への快感は、自分の胸のざわざわや今にも吐きそうな気持ち悪さを、吐き出すことになります。

 

過食嘔吐の人は、拒食との間を行き来することがあります。常に身体は凍りつき、さらに、何か大きなショックに曝されると、食欲や意欲を失い、味覚も消えて、食べること自体が気持ち悪くなり、拒食になることもあります。

 

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