神経の繊細さと過敏な性格

▶神経の繊細さと過敏な性格

 

神経が繊細な人は、複雑なトラウマがある人か、胎児期などの早期トラウマがある人か、発達障害の傾向がある人に多くて、刺激に過敏になって、その状況に慌てるようになります。ネガティブな要因から、身体に負荷がかかると、イライラしやすく、恐怖を感じているにも関わらずに耐えていると、身体が固まります。日常生活では、自分にとって脅威になりうるものを、素早く察知して、排除しようと試みたり、逃げ道を探ります。

 

①身体に記憶された過覚醒とシャットダウン

トラウマがある人の場合は、外傷体験を負ったときに強い衝撃を曝されて、そのときのことを身体は記憶しています。トラウマが去った後も、身体の神経はまだ危険が残っているかのように、次の変化に備えて緊張が始まり、過敏になるために、その人は過去の出来事や記憶に覆われていくことになります。そのため、安全であるはずの日常生活においても、ストレスや不快なものや、想定外のことが起きると、身体は硬直して、戦ったり逃げたりする過覚醒反応が出ます。過覚醒のときは、心臓の鼓動が高まり、息が浅く、手足の筋肉は隆々として、すぐに身体が反応します。しかし、その人が問題を解決できないとか、恐怖に圧倒されてしまうと、脳がシャットダウン(低覚醒)を起こすために、心臓の鼓動が弱まり、心拍数や血圧は下がって、死を予感させます。

 

②身体の神経と自分の気持ちの部分の分裂

トラウマがある人が危険を感じると、身体を丸めて、縮める格好を取り、自分を保護します。このときは、身体が硬直や凍りつくときで、筋肉が収縮していくために、神経は圧迫されて、心臓などに痛みが出ます。早い段階にトラウマを負って、それが複雑化するほど、身体の神経の働きと、自分の気持ちの部分が分裂していきます。身体は、交感神経(過覚醒)と背側迷走神経(低覚醒)の間を行き来して、心臓や胃、顔のパーツ、手足の筋肉など様々な生理現象の変化や、感情の起伏が激しく、身体が敵になります。

 

③親子関係のストレスによる過敏性

繊細な神経を持ち過敏になる人は、子どもの頃から、親や兄弟などに責められて、理不尽なことをされて、自分の思うように過ごせなくなり、居場所がありませんでした。特に、親子関係でトラウマを負っている場合が多く、外では外面を取り繕っている親が家の中でヒステリックに暴れたり、暴言を吐きます。子どもは、親の足音や声、表情などあらゆるものに過敏になり、身体を縮めて、無意識のうちにサバイバルモードに変化します。親が今どこで何をしているのかずっと目をこらして、聞き耳を立てて生活しています。このように普通に危険を感じて、不快な状態が続くと、脳のフィルターが機能しなくなり、自分を守ることができなくなり、ちょっとした刺激にビクッとするような驚愕反応を起こります。特に、他者のネガティブな感情や態度が心に突き刺さり、胸が痛みます。また、無防備でいる時に、想定外のことや急なことが起きると 身体がビクッと驚愕反応します。

 

④周りの人が気になり、神経を張りつめた生活

トラウマがある人は、自律神経系がうまく働かずに、パニックや過呼吸、節々の痛み、体調不良など様々な症状が現れます。そのため、不快な状況を上手に対処しようとして、周りの目が気にしながら、自分の目で周りを観察し、耳を澄まして、過剰に注意を払います。神経を張りつめながらの生活は、最悪なことを避けるために、人の気配や足音、話す内容、生活音、振動、匂いなど全てのことに意識が向きます。PTSDの人は、聴覚過敏になりやすく、飛び交う言葉や不快な音なども心に突き刺さるので、音のない生活を望みます。

 

⑤身体の中に滞っているトラウマ

長年、酷い目に合わせながらも、戦うことも逃げることもせずに、相手に合わせて我慢してきた人は、身体の中に膨れ上がるような莫大なエネルギーを滞らせています。トラウマをたくさん閉じ込めている人は、不快な刺激により、その傷が疼き始めると、不安、苛立ち、焦り、不快感で、物事が手につかなくなります。不快な状況がしばらく続くと、もう嫌になって、うずくまったり、発狂しそうになります。気持ちは、苦しみ、辛さ、不快感などで自分の気持ちに耐えられません。身体のほうは、頭や首、肩、背中が痛くなったり、胃や腸の調子が悪くなったり、吐き気や体調が悪くなります。

 

⑥対処できずに絶望に堕ちるとき

身体の中にトラウマがある人は、自分の心は問題ないと思っていても、身体が危険や脅威を察知して、モヤモヤ、イライラ、ムズムズして、じっとしていられなくなります。イライラしている時は、自分との戦いになり、問題解決の方法を考えて動きますが、敵が明確でなかったり、太刀打ちできなかったりした場合は、何度も無力感を味わい、絶望な状態に陥ります。不安や恐怖に苛まれて、このような毎日が四六時中続くと、生きることに絶望し、この世界の事象に何も期待しなくなります。

 

⑦穏やかな毎日を望むこと

トラウマがある人は、身体の中で闘争・逃走反応を閉じ込めているために、自分の思うようにできないとか、上手に問題解決できないと、かなりしんどい状態に置かれます。トラウマを負った彼らが願う事は、穏やかに毎日を過ごすことになります。トラウマ治療では、不快な刺激に曝されても、パニックや回避行動にならないように、自分の身体の感覚や反応を見ていって、呼吸を整えるか、安心できるイメージなどを使って、自己調整していくスキルを磨いていきます。また、好きなことに対しては、想像できないくらいの力を発揮するので、長所を伸ばしていけるような支援が良いでしょう。

 

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