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毒親育ちの子どもと毒親の特徴


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 第1節.

毒親の特徴


1. 虐待する親の二面性と感情の不安定さ

 

虐待を行う親は、多くの場合、二面性を持っています。外の世界では、世間体を気にし、人々の目を意識しながら、良い人を演じることに長けています。しかし、一旦家庭の中に戻ると、その仮面を外し、抑えきれない怒りが爆発することがあります。自分の思い通りに物事が進まないと、急にイライラし始め、怒りのスイッチが入ると、まるで鬼のような形相で子どもに当たり散らします。最悪の場合、子どもは叩かれ、包丁で脅されることさえあり、一人で家事を強いられたり、玄関の外に放置されることもあります。

 

このような親は、いつも急に不機嫌になったり、黙り込んだり、突然ヒステリーを起こしたりします。これは、合理的な思考がうまく働かず、ネガティブな感情を自分で処理できないためです。その結果、家族に八つ当たりをすることでストレスを発散しようとします。特に、何かの依存症を抱えている場合、その依存対象となる物質が手に入らないことでフラストレーションが募り、それを家族にぶつけることが多くなります。このような状況は、家庭内での安全や安心感を奪い、家族全体に深刻な影響を及ぼします。

 

2. 過敏さと孤立—毒親が抱える内なる恐怖

 

 毒親は、常に何かに怯えており、その神経は張り詰めています。音、匂い、光など、外界からの刺激に対して非常に敏感に反応し、家の中での物音が外に漏れているのではないかといった些細なことにも過度に恐怖を感じます。この過敏さは、自分を守ることだけで精一杯な状況を生み出し、感情のアップダウンが激しくなる原因となります。そのため、人間関係を保つことが難しく、特に家の中に自分の子どもがいるだけでも鬱陶しく感じてしまい、やがて虐待へと発展し、親子関係が破綻していきます。

 

毒親は、表向きはひっそりと生きているように見えますが、内面は虚無感に満ちています。趣味を持つことが少なく、世の中の出来事にもほとんど関心を持ちません。表情は常に暗く、生気を失った状態で、ただ仕方なく生きているだけです。何もかもが面倒くさく感じられ、機嫌が悪くなると、些細なことでも腹を立てて当たり散らします。機嫌が良いときは調子よく話しかけてくることもありますが、気分で行動するため、安定した人間関係を築くことができません。

 

また、毒親は急な出来事や予想外のことに非常に弱く、それが感情のコントロールを失う引き金となります。一度怒りのスイッチが入ると、手がつけられなくなり、突然態度を豹変させることもあります。職場で誰かに嫌なことを言われると、それをずっと気にして不機嫌になり、その不満を家族にぶつけることがよくあります。また、職場での人間関係がうまくいかないと、すぐにその仕事を辞めてしまい、結局どの職場でも長続きしないことが多いです。人が自分をどう思っているか、人から言われた言葉や態度に感情が振り回され、働く目的を見失ってしまうのです。

 

このような毒親の行動パターンは、家庭内に深刻な影響を与え、子どもや配偶者を巻き込みながら、親子関係や家族全体の機能を著しく低下させます。彼らが抱える内なる恐怖と過敏さは、家庭という最も基本的な社会単位を崩壊させる力を持っているのです。

 

毒親は自分の人生を生きれていません。自分は子育てしたくないのに、世間体のために子供を生んでいるかもしれません。過干渉の親は、子どもを通して自分の人生を生き直します。自分の子どもが恵まれた環境にいて、幸せになっていく姿を見ていくことが、羨ましくて仕方がありません。時に、子供のわがままに対して、手をあげたくなります。自分は、自分の子どもとは違って、自分の親のために生きる人生で、自分を犠牲にしてきました。今では、自分の親が憎くてたまりません。

 

また、劣等感が強く、遊びに行って、相手の方(友達)が見た目が綺麗だったり、金持ちでいい服を着ていたりすると、自分のことが虚しくなって、自分に自信が無くなって、心が卑しくなります。それ以降、その友人とは交友関係を切ってしまうために、あらゆる人間を維持できなくなります。なんでもすぐに相手と比較して、自分の方が何に関しても劣っていたら気に食わなくて、人間として小さく、下らない心になっていきます。

 

3. 毒親が抱える内面の葛藤とその影響

 

毒親は、自分の人生を本当に生きられていないことが多いです。本当は子育てを望んでいないのに、世間体のために子どもを産んだ可能性もあります。過干渉の親は、自分の人生の不満や未練を、子どもを通して再現しようとします。子どもが恵まれた環境で幸せに育つ姿を目にすると、羨ましさが募り、時にはそのわがままに対して手を上げたい衝動に駆られます。自分は親のために生き、自分を犠牲にしてきた過去があるため、今ではその親に対する憎しみが強くなっています。

 

毒親は、強い劣等感を抱えていることが少なくありません。友人が自分よりも美しく、裕福であったりすると、自分の存在が虚しく感じられ、自信を失ってしまいます。このような劣等感は、心を卑屈にし、結果的にその友人との関係を絶ってしまう原因となります。毒親は常に他人と自分を比較し、自分が劣っていると感じるたびに不満が募り、心が狭く、自己中心的になっていくのです。

 

毒親は、社会の期待に応えようとしながらも、自分自身の願望や感情を押し殺してきたため、内面には深い葛藤が存在しています。自分の人生を生きることができないまま、子どもを育てる中で、未解決の感情や問題が表面化し、それが子どもに悪影響を与えてしまうことが多いのです。こうした毒親の行動パターンは、子どもに対しても深い影響を与え、親子関係をますます歪める原因となります。

 

毒親が抱える内面の葛藤や劣等感は、周囲の人々との関係をも複雑にし、人間関係がうまくいかない原因となります。他人と自分を常に比較し、他者の優位性を認めることができないため、嫉妬心や不満が募り、それが人間関係の断絶へと繋がるのです。毒親は、このような内面的な問題を抱えたまま、家族や友人との関係を築くことが難しく、結果として孤立していく傾向があります。

 

最終的に、毒親の問題は、家庭内の関係だけでなく、その影響は社会生活にも広がります。彼らの内面の葛藤や未解決の感情が、子どもや周囲の人々に対して負の影響を及ぼし、健全な人間関係を築くことを困難にしています。毒親が抱える課題は、その家族や社会全体にとっても深刻な問題となっているのです。

 第2節.

毒親との暮らし


1. 毒親の影響を受けた子どもたちの心の葛藤

 

毒親のもとで育った子どもたちは、親の態度や言葉が無意識のうちに自分の内面に深く染み込んでいることに気づいています。彼らは元気がなく、心の中には悩みや痛み、不平等さに対する怒りややるせなさが渦巻いており、まるで影を背負って生きているかのように感じることが多いです。明るく元気な子どもや大人たちに囲まれると、自分の異質さが際立ち、言葉を失ってしまうことがあります。

 

家庭の中では、親からの脅威が常に存在しており、子どもは親が発する音や声、気配、匂いに過敏に反応します。親の存在に対して過剰に警戒し、呼吸が浅く速くなり、緊張や興奮が高まるのは、PTSDによる過覚醒症状の一例です。さらに、親と対峙すると、呼吸を止め、動くことができず、考えがまとまらなくなるといった「凍りつき反応」が起こることもあります。これは、心と身体が同時に固まってしまう恐怖の反応であり、子どもにとっては非常に苦しい状態です。

 

毒親による影響は、このように子どもたちの心と身体に深刻な影響を与えます。親の言動に対する過剰な反応は、子どもたちの内面に深い傷を残し、彼らが社会の中でどのように自己を認識し、他者と関わるかにも大きな影響を及ぼします。彼らは常に不安定な心を抱え、安心できる場所を見つけることが難しいと感じることが多く、自分自身を守るために心を閉ざしがちです。

 

このような過酷な環境で育った子どもたちは、大人になってもその影響から完全に解放されることは難しいでしょう。親の影響が無意識のうちに自分の一部となり、日常生活においてもその影響が続いていきます。それは、自己肯定感の欠如や人間関係の困難さとして現れることが多く、彼らの人生全般にわたって影響を及ぼすことになります。

 

2. 親に脅かされる子どもの心理的苦痛

 

親に脅かされる経験を持つ子どもは、その親が近づいてくるだけで、強い緊張と焦燥感に苛まれます。呼吸が浅く早くなり、喉が詰まって酸素を吸うことができず、ついには息を止めてしまうこともあります。親の気配を背後に感じるだけで、手が震え、全身が凍りついたようになるのです。このような子どもにとって、親の存在そのものが苦痛であり、そのために日々を生き延びるために必死に親に意識を集中させざるを得ませんでした。

 

生活全般が緊張とストレスで覆われ、常に親が次に何をしてくるのかを警戒しながら、耳を澄ませ、集中力を研ぎ澄ますことで、自分を守ってきたのです。しかし、こうした脅威にさらされ続けることで、子どもは過覚醒状態に陥り、睡眠障害が生じ、疲労が蓄積されていきます。逃げ場のない状況に追い詰められた子どもは、自分の部屋に閉じこもったり、誰かの注目を集めようとしたり、異常な行動に走ったりします。時には、仮面をかぶって明るく振る舞い、心の内側の苦しみを隠そうとすることもあります。

 

しかし、その内面は深い孤独と心細さに満ち、どうせ他人は自分のことを理解しないという絶望感に囚われることが少なくありません。大人になった後も、その影響は消えることなく、酷い場合には身体の感覚が麻痺し、まるで抜け殻のような状態に陥ります。何もやる気が起きず、一日中寝て過ごすこともあるでしょう。このような深刻な影響は、子ども時代の脅かされ続けた経験が、心身にどれほどの傷を残すかを物語っています。

 

3. 毒親と共に育つ子どもが抱える悩みと孤独

  

毒親を持つ子どもは、日々の出来事や自分の気持ちを親に伝えようと何度も試みますが、親からの冷淡な反応や無視に直面するたびに、次第に親と共有すること自体を諦めるようになります。自分の悩みや大切な感情は心の奥にしまい込み、親は次第に他人のような存在になってしまいます。それでも親の優しさを求める子どもは、ネガティブな感情を表に出さず、必死に「良い子」であろうとし、親を美化して表面を取り繕うことに努めます。そして、親の少ない優しい記憶をつなぎ合わせて、自分を無理やり癒そうとします。

 

こうして、子どもは本音や感情を心の中に閉じ込め、自分だけの世界にこもるようになります。音楽や小説、絵、アニメ、映画、ゲームなどの創作物に没頭し、自分を癒す手段を見つけ出します。外の世界では、自然や動物との触れ合いによって、優しさに触れることで元気を取り戻すことがあります。

 

親が未成熟で不安定な場合、子どもはその振れ幅の大きな感情に振り回され、親にとっての「良い子」であることを強要されることが多いです。親の期待に応えることが子どもの役割とされ、生きることが楽しめなくなります。親の身勝手さにより、子どもは服従を強いられ、親の支配下に置かれてしまいます。

 

さらに苦しいのは、たとえ子どもが成長し、親元を離れて自立したとしても、親が病気になったり、老後の世話が必要になったときに、最初にその責任を問われるのは子どもであるという現実です。親子というつながりゆえに、その圧力から逃れることができず、子どもにとって大きな負担となります。親の期待や支配に縛られ続けることが、子どもにとっての心の重荷となり、解放されることが難しいと感じる原因となっています。

 

このような状況において、子どもがどのようにして自分を守り、健全な心を保つかが大きな課題となります。親からの支配を受けながらも、子どもが自分自身の感情や価値を認め、自己を確立していくことが、長期的な幸福につながる道となるのです。

 第3節.

孤立と不安に囚われた毒親の特徴


毒親は、多くの場合、さまざまな身体症状を抱えており、怯えや痛みを感じやすい傾向があります。彼らの身体は常に硬直しており、どうすれば安心して過ごせるのかが分かっていません。否定的な認知を持ち、神経質で、周囲からの疎外感や孤立感に苛まれています。この疎外感や孤独感が彼らのトラウマとなっていることも少なくありません。

 

毒親は常に周囲の危険を警戒しており、細かいことまで過剰に気にしてしまいます。その結果、子どもを束縛し、監視するようになります。彼らは、感覚過敏であり、日常生活の中で周囲の刺激が過剰に感じられるため、人との関わりを避け、引きこもりがちになります。結果として、自分の世界に閉じこもり、他者との関係を断ってしまうことが多いです。

 

毒親は、自分が感じている不安や恐怖を子どもにも投影し、その束縛や監視が子どもの自由を奪い、心理的な負担を与えます。彼らは安全を求めるあまり、子どもに過剰な制限を課し、自分の心の平穏を保とうとするのです。しかし、その結果として、子どももまた孤立し、不安を抱えやすくなるという悪循環が生まれます。

 

このような毒親の特徴を理解することで、子どもが受ける影響や、彼らがどのようにして自分を守るかを考えることが重要です。毒親からの束縛や監視から解放され、自己を確立するためには、子ども自身が自分の感情や価値を認めるプロセスが必要です。親から受けた影響を乗り越え、自分自身の人生を切り開くための道を模索していくことが、長期的な幸福につながる鍵となるでしょう。

 第4節.

依存症の親が子どもに与える影響


親が依存症を抱えている場合、家族、とりわけ子どもは甚大な悪影響を受けます。アルコール依存症の親は、経済的な負担を家族に強いるだけでなく、酔った勢いで暴力を振るったり、性的虐待をするリスクも高まります。特に父親がアルコール依存に陥っている場合、子どもたちは身体的にも心理的にも深刻な被害を受ける危険性があるのです。

 

ギャンブル依存の親を持つ子どもは、貧困や家庭内の不安定さにさらされがちです。親がギャンブルで負けたとき、機嫌が悪くなり、子どもに八つ当たりをすることも少なくありません。さらには、子どもが大人になってから稼いだお金を盗むリスクもあります。親は常にギャンブルで負けたお金を取り返すことばかりを考え、借金を繰り返すなど、家計を崩壊させる行動に走ります。このような環境では、親子の会話や関係も表面的なものになり、親の機嫌に振り回される日々が続きます。結果として、豊かな親子関係が築かれることはなく、子どもは常に不安定な状態で成長を余儀なくされます。

 

宗教に過度に依存する親のもとで育つ子どもは、ネグレクトのリスクが高くなります。親が宗教にのめり込み、その教義を絶対的な真実と信じ込んでいる場合、その偏った思考を子どもにも強制することになります。子どもは親の影響から距離を置き、自分自身の人生や考え方を模索しなければならないという、厳しい状況に追い込まれます。親からの強制的な思考の押し付けに対して、自分自身の価値観を築くために、孤独な戦いを強いられることになるのです。

 

恋愛依存のシングルマザーのもとで育つ子どもも、ネグレクトされるリスクが高いです。母親が恋愛にのめり込むあまり、生物学的な父親ではない男性との接触を強いられることもあります。母親がデートや外出を優先することで、子どもは家に取り残されることが多くなり、十分な愛情や関心を受けることができなくなります。子どもは、親の恋愛に振り回される日常の中で、孤独感や不安を抱えながら成長することになります。

 

このような依存症の親がもたらす環境で育った子どもたちは、多くの困難を経験し、正常な発育が阻害されるリスクが高まります。家庭内の不安定さや親からの愛情の欠如が、子どもたちの心理的な成長や社会的な適応に悪影響を及ぼすことは避けられません。依存症の影響から子どもを守るためには、社会全体でのサポートが不可欠です。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

論考 井上陽平

 

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