> > 毒親と子どもの生活

毒親の特徴と子どもの生活


STORES 予約 から予約する

 第1節.

毒親の特徴


虐待する親は、二面性を持っていることが多いです。外では、世間体を気にしており、人の反応を伺いながら、良い人を演じます。しかし、家の中では、ヒステリーで、自分の思った通りにいかないと、イライラしはじめ、怒りのスイッチが入ると、鬼のような形相で、全力でキレて酷い虐待をします。最悪な場合は、子どもは叩かれて、包丁で脅され、一人で家事をさせられ、玄関を閉めて外に放置されます。

 

いつも、急に不機嫌になったり、黙ったり、ヒステリーになったりします。合理的な脳の働きが悪く、ネガティブな感情を自分で処理できなくて、家族に八つ当たりします。その理由は、もしも何かの依存症を患っている場合は、その依存対象となっている物質が手に入らないために、家族に八つ当たりをしている場合が多いです。

 

毒親は、何かに怯えており、神経が張りつめていて、様々な音、匂い、光などに敏感に反応します。家の中の物音が家の外の人に聞こえていると言って怖がります。このように自分の身体感覚や外側からの刺激にも過敏であるために、自分の事を守る事だけでも一杯一杯という状況にあります。そのために、感情のアップダウンが激しく、人間関係を保つことも難しいです。特に、家の中に自分の子どもがいるだけでも鬱陶しくて耐えられず、虐待となって、親子関係が破綻していきます。

 

毒親はひっそりと暮らし、死んだように生きています。趣味がないことが多く、虚しく、世の中のことに何にも関心がありません。表情は常に暗くて、生気がなく、仕方なく生きています。何もかもが面倒くさいと感じ、機嫌が悪くなったら、小さなことでも腹が立ってしょうがなく、当たり散らします。機嫌が良い時は、調子良く話してきます。気分で動くことから、人間関係をうまく結ぶことが出来ません。

 

また、急なことや想定外のことをされることを嫌がります。感情のコントロールを失い、一度スイッチが入ると大変なことになります。一旦、怒り出すと手がつけられず、良い事を言ったのも束の間で手のひらを返した態度を取ります。

 

職場で人に何か嫌なことを言われたりすると、それをずっと気にして、不機嫌になり家の人に八つ当たりをします。職場の人間関係が気に入らないと、それを理由にすぐにその仕事を辞め、結局どの職場も長続きしないことが多いです。人が自分の事をどう思っているのかということや、人に言われた言葉やとられた態度に感情を動かされて、何のために働いているのかといった目的のようなものを見失いやすいです。

 

毒親は自分の人生を生きれていません。自分は子育てしたくないのに、世間体のために子供を生んでいるかもしれません。過干渉の親は、子どもを通して自分の人生を生き直します。自分の子どもが恵まれた環境にいて、幸せになっていく姿を見ていくことが、羨ましくて仕方がありません。時に、子供のわがままに対して、手をあげたくなります。自分は、自分の子どもとは違って、自分の親のために生きる人生で、自分を犠牲にしてきました。今では、自分の親が憎くてたまりません。

 

また、劣等感が強く、遊びに行って、相手の方(友達)が見た目が綺麗だったり、金持ちでいい服を着ていたりすると、自分のことが虚しくなって、自分に自信が無くなって、心が卑しくなります。それ以降、その友人とは交友関係を切ってしまうために、あらゆる人間を維持できなくなります。なんでもすぐに相手と比較して、自分の方が何に関しても劣っていたら気に食わなくて、人間として小さく、下らない心になっていきます。

 第2節.

毒親との暮らし


毒親のもとに育った子どもは、親の態度や言葉が自分自身に染みついていることを無意識のうちに知っています。そのような子どもは、元気がなく、悩みや痛み、不平等さに対する怒りややるせなさで溢れており、影のようなものを背負って生きていくようになります。元気な子や大人たちに囲まれると、自分の異質さが際立つように感じて、何も話したくなくなります。

 

家の中では、自分を脅かしてくる親がいて、親の出す音や声、気配、匂いに過敏になります。親を過剰に警戒し、呼吸が浅く早くなり、緊張や興奮して落ち着かなくなるのがPTSDの過覚醒症状です。一方、親に出くわすと、呼吸を止めて、動けなくなり、考えがまとまらないのが、身体の凍りつき反応です。

 

親に脅かされた子どもは、その親が近づいてくると、緊張が強くなり、すごく焦って、切迫した状況に置かれます。呼吸は浅く早くなり、喉がつまり、酸素が吸えなくなって、息を止めてしまいます。背後に親の気配を感じると、手が震えてきます。このように、親に意識を集中させていく人生になり、その親の存在がとにかく苦痛で、体を凍りつかせたり、死んだふりをしてきました。生活全般が緊張とストレスになり、親が次に何かしてこないかを、聞き耳をたて、集中力を高めることで、自分の身を守ってきました。

 

脅かされる状況が繰り返されると、過覚醒状態のままで、睡眠に障害が出て、疲労が蓄積されます。逃げ場のない状況に追いつめられた子どもは、自分の部屋にこもったり、誰かの注目を集めようとしたり、奇行に走ったり、仮面をかぶって明るく振る舞ったりします。しかし、内面は孤独で、心細く、どうせ他人は自分のことを理解しないと思い込むかもしれません。大人になると、酷い場合には、体の感覚が麻痺し、抜け殻のようになって、ずっと寝ていて、やる気が出ないひともいます。

  

毒親をもった子どもは、日々の経験や自分の気持ちや意見を親に伝えようと試みますが、そのたび、相手にされなかったり、まともな応答をもらえず、次第に親と共有すること自体を諦めるようになります。自分の悩みや大切な感情は、内に秘めるようになり、親は他人のような存在となります。一方、親の優しさがほしいから、親に優しさを与える子どもは、自分のネガティブな感情を出すことなく、必死に良い子でいて、親を美化し表面を取り繕います。そして、親の数少ない優しかった記憶を繋ぎ合わせて、自分を癒します。

 

毒親をもった子どもは、本音や本当の気持ちを内にとどめて、自分ひとりの世界にこもり、音楽や小説、絵、アニメ、映画、ゲームなどをすることで自分を癒します。外の世界では、自然や動物を見ることで優しさに触れることで自分を元気にします。

 

不安、心配、不機嫌の振れ幅が大きい未成熟な親だと、子どものありのままの感情を受け止めるよりも、親にとって良い子を強要します。親の期待に応えることが子どもの役割になります。そして、子どもは、親の要求に応えるだけなので、生きていても楽しくなくなります。このように親の身勝手さゆえに、子どもに服従させて、支配しようとしていきます。

 

毒親を持った子どもにとって苦しいのは、たとえ大人になり、親と離れた所に住むようになっても、親が病気になるとか、老後の世話が必要なときに、一番初めに子どもに責任が問われるという状況です。親子、家族であるというつながりゆえに、その圧力から逃れられないことが辛い原因になります。

 第3節.

毒親の抱える身体的症状


毒親は、様々な身体症状を持っていることが多く、怯えや痛みを感じやすいです。身体は硬直していて、安心する過ごし方が分かっていません。否定的な認知をしていて、神経質で、周囲からの疎外感や孤立感を持っています。毒親は、疎外感や孤独感がトラウマになっていることが多くあります。また、危険があるかどうか、安全があるかどうかを細かいことまで気にして、子どもを束縛し、監視します。前述のとおり、感覚過敏で、日常生活を送るうえでも周りの刺激が強すぎて、人と関わらずに引きこもって、自分の世界だけで閉じこもって生きています。

 第4節.

依存症の毒親


親が依存症の場合、家族や子供が最も悪い影響を受けます。アルコール依存の親は、お酒を買うための経済的な負担に加えて、例えば、父親が、お酒に酔った勢いで、子供に暴力を振るったり、娘に性的虐待をしてしまうリスクがあります。

 

ギャンブル依存の親のもとで育つ子どもは、貧困などの問題があります。また、子どもが大人になって働いたお金を盗んだりするリスクがあります。ギャンブルに負けて家に戻ると、親は機嫌が悪く、子供に八つ当たりをして、どこからでもギャンブルで負けたお金を取り返そうとしてお金を集めようとします。関心がそれだけになって、どこからお金を調達するか、借金する方法を考え続けます。親子の会話も、本当に楽しんで日々を過ごすのではなく、自分の感情に合わせて、調子よく話すか、機嫌が悪い時は八つ当たりをするかになり、豊かな親子関係を育てることはできません。

 

宗教に依存する親のもとで育つ子どもは、ネグレクトされやすくなります。思考のほぼすべてが宗教に依存しており、それを真実として考えることは、子供に対しても思考の方法を強制することになります。偏った考え方で子どもに接することで、子供は自分はどのように考えて自分の人生を歩むのかを、親の影響から距離を取って考えなくてはいけない状況を強いられます。

 

恋愛依存のシングルマザーのもとで育つ子どもは、様々な面でネグレクトされやすくなります。生物学的は父親ではない男性との関りを強制され、恋愛にのめり込む母親を見ながら日常を過ごさなくてはいけなくなります。男性とのデートなどを楽しむために、母親は子どもを家に置いて外出する機会も多くなります。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

論考 井上陽平

 

▶ネット予約 

▶電話カウンセリング 

▶お問い合わせ

関連記事