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凍りついた美女


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凍りついた美しい女性というのは、幼少期の頃から、環境の変化に弱く、親の態度の豹変を恐れて、身構えていることが癖になります。そして、体が常に緊張や凍りつき状態にあるために、顔の表情や首から鎖骨にかけて凍りついたままになり、美しい状態が保たれていることがあります。このような凍りついた美しい女性は、顔の表情や目、鼻、口、喉の筋肉が引き締まっており、その状態が維持されているという特徴があります。北極のような氷の世界で、死んだマンモスが腐敗せずに氷に包まれてそのままの姿で発見されるように、凍りつきの美女は、美しさが氷のなかで凝縮された結晶となって保存されます。

 

このような女性が形成される過程は、子どもの頃から、安心できる場所がなかったことが大きく影響しています。親に、大声で怒鳴られたりすることを恐れていたなど、いつ怒られるかという思いで、降りかかってくる恐怖にビクビクしていました。恐怖心を抱き続けると、体がこわばった状態になり、目はぱちっと開いて、背筋はぴんと伸びて、顔や身体の筋肉は緊張して引き締まり、そのような特徴が大人になっても保たれます。

 

さらに、特徴を細かく見ていくと、今まで気持ちも身体も凍りついてきたので、声が大人の時と子供っぽくなる時があります。目はずっと力が入っているため、目力があり、何かを俯瞰しているような目つきで普通の人とは雰囲気が違います。普段から、奥歯の噛み締めが強く、顎は尖っており、顔は凍りついてきたので、小顔になります。日差しや強い刺激への弱さから、肌は色白で、髪は黒色にしている方が多いと言われます。心拍数は低めで、半分眠ったように生きて休んでいる時もあれば、興味があることを話す時や、心地良くて活発に行動する時には目を見開いていることもあります。

 

凍りついた状態で生きている女性は、神経が張りつめていて、極限の状態にあり、人一倍敏感で傷つきやすくて、感じすぎるエンパス体質です。一方、子どもの時代のPTSDの影響のせいで、危険を察知しやすく、様々な刺激を感じすぎるために、頭の中は大量の情報に溢れ、生活全般が苦痛だらけになります。そのため、体を麻痺させ、何も感じないようにして、体が凍りついていきます。常に凍りついている人は、体の感覚や感情が薄くなり、静かに休息することで、エネルギーを温存し、神経などの成長がゆっくりと進むことになります。

 

ポリヴェーガル理論でいうと、凍りつきの美女は、背側迷走神経の働きが強く、安全な環境下では、眠ったように生きることが可能になり、心拍数や呼吸数が少なく、消化や排泄が活発なために余分なものを身体に溜め込んでいないために体は細身になります。また、生活をする際に体のエネルギーを使いすぎずに生きることが出来たり、呼吸をする際も酸素をあまり使わないために、植物のように生きて、体の細胞の新陳代謝を遅らせて老化を遅らせることになります。

 

そのような女性の特徴は、人との関係において、トラブルを起こしたくなく、スムーズに物事を進めたいので、あまり派手な動きを取らずに、息を潜めて、そっと生活しています。荒々しいことを好まないから、自分の見せ方としては、派手に着飾った美しさを求めるよりは、何にも染まりたくて、清楚で透明感があります。また、冷凍保蔵されているような肉体は、目元や口元、鼻や顔の輪郭、首や胸元が綺麗なまま保存されており、凍りついた美しい女性となっていきます。

 

外からは容姿が綺麗で、振る舞いも完璧にしようと努めてきたので、自信があるように思われます。しかし、表面上は良いように思われるけど、本人は自分に自信がないことがあります。普通の人とは、神経の働きが違うために、感性が他と違い、会話に馴染めず、集団の中で変なように思われないようにしています。集団の集まりや社会交流があまり得意ではなく、身体の中のトラウマのせいで感情に圧倒されやすく、他者の存在が大きく、自分の存在が小さいと感じます。しかし、人からはこういった悩みを持っているようには思われません。

 

一方で、凍りつきの美女は、ただ美しさが保持されているというわけではなく、負の側面も持ち合わせています。彼女たちの特徴として、相手のためや自分の子どものために労力を使います。自分のためにするより、相手がしてほしいことをすることが楽しいです。彼女たちは自分で自分を満たすことができず、相手を使って自分を満たすことができます。自分の体は凍りついているため、自分の感覚や感情が分かりづらく、自分一人になると何をしていいか分かりません。自分を束縛する人の前では、自分が何をしていいか分かるようになります。強烈な束縛や縛りつけを愛情だと勘違いしているところがあります。また、子育ては役割があるため、一生懸命頑張ります。

 

体は固まり凍りついていて、自分のしたいことがよく分からず、他人軸で過ごし、他者に欲望されて生きているために、本当に誰かを好きになったことが無かったり、全然好きではない人と結婚していたりします。他者に欲望されないと、自分が自分で無くなるような弱さがあり、自分は何をしていいか分からなくなります。また、他者の欲望に応えようとするために、他者との関わりにおいて完璧に振る舞おうとします。このように、他者の欲望に沿って生きていて、外面を取り繕っていますが、本当の自分は、無力なままであり、とても怖がりで、無感覚、無感情で、実際には一人でいることを好んでいます。本当の自分は、すごく傷ついていますが、外面を取り繕っているために男が集まってきます。

 

凍りつきの美女のなかには、男に粗末に扱われる自分が外側で生活をしていて、その部分が自分の盾になってくれて、大事に扱われる本当の自分が隠れている場合もあります。本人は、平気なふりをしている一方で、本当は男が近づいてくるのが嫌で、触られることが気持ち悪いと思っています。本当の自分は思いのままに忠実に行動したいと望んでいますが、実際の生活では、外面を取り繕う自分が日常をこなします。

 

また、人がたくさんいるところは苦手で、誰もいないような場所を好みます。とくに自分にとって恐怖を与えてくる人が苦手で、それに耐えられません。怒りを向けられると、興奮を一瞬で通り抜けて、麻痺や凍りつきが規定の反応になります。怒られないように、その人の気に障ることをしないように細心の注意を払います。怒るのも怒られるのも嫌で、そういうものにエネルギーを使うことを避けます。他者との関りに気を遣う傾向があるため、子どもの頃から、自分の本音や感情を出さないようにして、黙っていることが多いです。言いたいことを言って、自己主張することが危険であると考えています。

 

凍りつきの美女は、あまり無理をせずに、自分の周りを良いもので完璧に囲って、静かな状態で、凍りついて眠っている、眠り姫のような状態が美しい女性につながっていきます。しかし、凍りついたまま、無理に肉体労働や家事など、身体や精神を酷使させられる仕事を続けていくと、身体の中に莫大なエネルギーが滞り、肉体が膨れ上がっていくことになります。

 

凍りついた状態は美を保つのには重要ですが、体が凍りついている状態というのは壊れやすくて、肌が敏感なために、外で肉体を酷使する仕事や出産や子育てなどを続けた場合は、繊細さあふれる美女ではなく、皮膚が黒ずみ(色素沈着)、ごつごつとした岩のようになっていきます。このように、凍りついた女性が強制させられる環境で、ストレスをためて身体を酷使し続けた場合、エネルギーが尽きて、細胞の寿命が縮んで老化が進み、身体は膨れ上がるか衰弱するかという状態になります。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

論考 井上陽平

 

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