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トラウマをヨガ療法で克服する方法


ヨガや瞑想は、トラウマを抱える人々にとって、心と身体のバランスを取り戻し、体調を整える有効な方法です。これらの実践は、心を落ち着け、トラウマからの回復をサポートします。特に、インドの伝統的なヨガや瞑想は、西洋の心理的アプローチとは異なる方法で、脳や神経に働きかけることが期待されています。まずは、ヨガマットとボルスタークッションを使って、安心感を持ちながら様々な姿勢を取っていくことから始めましょう。

 

ヨガのポーズを取ることで、緊張が溜まった身体が少しずつ解放されていき、呼吸が整い、心も落ち着いていきます。瞑想を通じて、過去のトラウマを見つめ直し、今この瞬間に集中することで、心身の調和が取り戻されていくのです。このようなアプローチは、身体の動きを通じて精神にも作用し、トラウマの解放に向けて徐々に進んでいきます。

 

西洋の伝統的な治療法が心理面に焦点を当てるのに対して、ヨガや瞑想は身体と精神を統合的に扱うアプローチです。

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トラウマ回復に効果的なヨガ:身体と心の感覚を取り戻すために


トラウマ改善にヨガが有効なのは、現在の体の状態に意識を集中させ、体と心をつなげる力を高めるためです。日常生活では、私たちはほとんど同じ動きを繰り返しているため、体の感覚が鈍くなりがちです。しかし、ヨガはこれを打破し、体の感覚を再び活性化する手助けをしてくれます。ヨガのポーズでは、体を捻じり、伸ばし、曲げ、縮めながら、首の緊張や足がしっかり伸びている感覚など、体の細かな動きに意識を向けます。

 

こうした一つひとつのポーズに集中することで、体の中に眠っている感覚を取り戻し、「自分の体は自分でコントロールできる」という自己感覚を養うことが可能です。ヨガが世界中で精神と身体にアプローチする方法として注目されているのは、まさにこの「今ここ」に集中する効果にあります。ヨガの実践を通じて、身体と心が連動し、日常生活で失われがちな体の感度を取り戻すことができるのです。

ヨガの継続がもたらす心身の変化:依存症や代償行動の改善


ヨガを継続的に行うことは、心身の健康を保つうえで非常に重要です。自分の体を管理できるようになると、現実の辛い状況に直面しても、体にフォーカスし、自分を落ち着かせる力が身につきます。ヨガを通じて、自分の感情の居場所を見つけることで、自傷行為、過食、抜毛、解離、アルコールや薬物依存、ギャンブルやセックス依存など、さまざまな不適応な代償行動を改善する手助けとなります。

 

また、ヨガを続けることで、自分の体の状態をより深く理解し、自分自身をうまく調整する能力が高まります。体や心に負担がかかりすぎていると感じたときには、速やかにその負担から離れ、自分を守る術を自然と身につけていきます。このように、ヨガは心身の自己管理をサポートし、依存や不適応な行動からの解放に向けた道筋を提供してくれます。

朝ヨガで心身を整える:チャイルドポーズからアップドッグへの流れ


朝、目を覚ましたら急に活動を始めるのではなく、身体の神経や筋肉を少しずつ目覚めさせることが、心身の調和を保つために大切です。お勧めのポーズとしては、まずチャイルドポーズから始めましょう。正座した状態から、ゆっくりと上半身をマットの上にうつ伏せにし、両腕を前方に伸ばして、背中や腰が気持ちよく伸びるのを感じます。このポーズは、身体をリラックスさせながら、筋肉を優しく刺激して目覚めさせる効果があります。

 

呼吸は深く、口から吸い、鼻から吐き出すことで、新鮮な酸素が体内を巡り、朝のエネルギーを徐々に取り戻します。深い呼吸とポーズの組み合わせによって、心身が穏やかに目覚め、リフレッシュした状態で一日をスタートさせることができるでしょう。

 

チャイルドポーズに続いて、アップドッグへと進むことで、身体の柔軟性とエネルギーを徐々に引き出していきます。正座で上半身をマットに伸ばした状態から、息を吸いながら前方へスライドし、両手をマットに押し付けて上半身を伸ばします。肩や胸が開き、全身が心地よく引き伸ばされるのを感じましょう。息を吐きながら、ゆっくりとチャイルドポーズに戻ります。この2つのポーズを繰り返すことで、上半身のこわばりや筋肉の緊張が解消され、体が柔らかくなり、心身が目覚めていきます。

 

朝にヨガを取り入れることで、体内のエネルギーが活性化し、1日の始まりをより良い状態で迎えることができます。

呼吸ヨガで心と体を解きほぐす:リラックスエクササイズの効果


リラックスを促す呼吸エクササイズでは、ボルスターを使って仰向けに寝転び、胸を大きく開くポジションを取ることが大切です。この姿勢により、深く息を吸いやすくなり、呼吸が体全体に行き渡る感覚が自然に生まれます。呼吸をする際には、特に喉や気管支、肺の緊張や凍りつきを感じ取り、その部分に意識を集中させることがポイントです。息を吸うたびに、これらの緊張が徐々に緩み、身体全体が柔らかくなるのを感じながら、呼吸がスムーズに流れていくのを観察しましょう。

 

エクササイズを繰り返すことで、心も次第に落ち着きを取り戻します。筋肉の緊張がほぐれ、呼吸が深まるにつれて、横隔膜が自然に広がり縮まり、身体がよりリラックスした状態へと導かれます。このプロセスは、心理的にも安心感や幸福感を増幅させ、心身が開かれた感覚を強める効果があります。

トラウマを解放するヨガポーズ:体の緊張を解きほぐすためのアプローチ


トラウマを抱える人にとって、ヨガは体の緊張を和らげ、感情を解放するための有効な手段です。特に、難しいポーズを取りながら全身を疲れさせ、体を震わせることで、凍りついた身体の感覚をほぐし、トラウマの影響から解放されるサポートとなります。以下のヨガポーズは、全身に負荷をかけながら体の緊張を解き、心身のバランスを取り戻すのに効果的です。

①立ち姿勢のポーズ

まず、足を肩幅に広げ、立った状態でゆっくりと身体をやや後ろに倒します。この姿勢は、体の背面を伸ばし、筋肉に負荷をかけながらバランスを取る力を養います。後ろに倒す際に、足全体で地面を感じ、全身の安定を意識してください。

②空気椅子のポーズ

背中を壁に当てて、空気椅子の姿勢を取り、足を限界まで疲れさせます。この姿勢は、脚の筋力を強化すると同時に、心と体の忍耐力を養います。その後、股関節を開くポーズへと移行します。足の疲労とともに体全体にエネルギーが循環し、体を強化しながらトラウマの凍りつきをほぐします。

③股関節を開くポーズ

仰向けに寝転がり、両足の裏を合わせて股を開き、ひし形の形を作ります。その後、お尻と腰をできるだけ持ち上げ、キープ。足や腰が震え始めるまでこの姿勢を保つことで、股関節周りの緊張をほぐし、体全体のエネルギーを感じやすくします。

④木のポーズ

正しい姿勢で立ち、足を肩幅に開いたら、右足を軸に片足立ちになり、左足を右足の内側に添えます。両手は胸の前で合掌し、そのままバランスを保ちながら、右足でしっかり大地を感じます。足が震える感覚を感じることで、心身の安定感を養い、自己コントロール力を高めます。

⑤英雄のポーズ

左右の足を前後に大きく開き、前足は直角、後ろ足は膝を伸ばします。両手を上げて広げ、胸を開放的に広げます。戦士のような力強いポーズは、心身の緊張を解きほぐし、同時に意志力や集中力を養うのに役立ちます。全身が震え始めたら、その感覚をしっかりと感じてみてください。

⑥下向き犬のポーズ

四つん這いの姿勢からお尻を突き上げ、手と足で体を支えながら三角形の形を作ります。このポーズは、全身のストレッチと血流促進に効果的です。手と足で体を支えることで、徐々に体が震え始め、全身に新しいエネルギーが行き渡ります。

 

これらのヨガポーズを通じて、トラウマによる体の硬直や虚脱感を和らげ、心身のエネルギーを再び取り戻すことができます。体が震え、熱を発散することで、内側に滞ったエネルギーが浄化され、新しい体験を通じて心と体が解放されていきます。

トラウマからの解放:筋肉を鍛え、心身を目覚めさせるヨガの力


トラウマの影響で身体が虚脱状態になり、筋肉が極度に弛緩して反応が鈍くなる人や、逆に筋肉が硬直してしまう人がいます。こうした場合、ヨガのエクササイズは非常に有効な手段となります。リラックスしてセロトニンを分泌させることが大切ですが、それと同時に、筋肉を鍛えてアドレナリンを分泌し、「戦う力」を取り戻すことも重要です。さらに、筋肉に男性的な屈強さや、女性的なしなやかさを身につけることが、心身のバランスを整えるカギとなります。

 

ヨガの難しいポーズを取ることで、体の内側から震えや揺れが生じ、熱が発散され、トラウマが体から浄化されていきます。普段使っていない筋肉を鍛えることで、トラウマによる虚脱感や硬直、震え、不快感に対処できる強い体幹を作ることができます。危険を感じたときにも、踏ん張る力が育ち、心身のバランスを保つための支えとなります。

 

ヨガや自然散策セラピーを継続的に行うことで、体に新しい経験を与え、その感覚をただ感じ取ることができるようになります。こうして、体と仲良くなり、身体の奥深くからエネルギーが目覚めていきます。その結果、低覚醒状態にある心拍数や集中力の低下が正常な状態に戻り、心身の健康が徐々に向上していくのです。

 

ヨガの持つ力で、身体と心を鍛え直し、新しい自分を取り戻していくことが可能になります。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室 

論考 井上陽平

 

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