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精神疾患


 第1章.

精神疾患とはなにか


人の心や精神機能は、身体的な周囲との関りによって育ちます。従って、精神疾患は、社会や他者、環境側の圧力により、身体内部の生理状態が悪化して、脳にも影響が生じてきたものであり、身体を抜きにした精神疾患というのは存在しないと言われています。

 第2章.

うつ病と双極性障害


うつは真面目で、体が弱く、体調のバイオリズムが激しい人が、不快な状況にいるのに打つ手がない場合は、体がガチガチに固まって、身動きが取れなくなり、跳ね返す力が失われて、うつになります。一方、躁状態は、好奇心に突き動かされて、周囲が見えなくなり、自分の限界に対する認識を欠いています。

 第3章.

統合失調症


統合失調症になるような人は、生まれついた頃から、健康な部分の成長が阻害され、発達障害のような症状を抱えているか、もしくは、どこかで痛ましい外傷体験に曝されて、神経発達に問題があります。統合失調症の発症前は、自分を守ることができずに、神経が尖っていく過程があります。

 第4章.

パニック障害


パニック障害は、体の中のトラウマの影響により、自律神経系の調整不全があります。体の中に不安があり、複雑な症状に混乱してしまうと、外の世界の気配にも過敏になって、パニック発作になります。

 第5章.

睡眠障害


睡眠障害には、生活全般のストレスから疲労が蓄積されて、夜に寝ようとしても、眠れずに苦しくなる不眠や中途覚醒があります。また、日中に耐えられないほど眠くなるナルコレプシーがという病気があります。

 第6章.

アレキシサイミア


アレキシサイミアは、心身症との関連が深く、体に疲労が蓄積されているために、体を感じることに心が耐えれなくなっています。心と体が合致していないので、自分の感情を認識したり、表現したりすることができなくなります。

 第7章.

とらわれと強迫観念


とらわれは、過去、家族、お金、社会的地位、愛する人、健康、理想など様々あります。人が不安や心配から抜け出せなくなり、強迫観念にとらわれてしまうと、頭の中にしつこく観念が浮かび上り、その観念を打ち消そうとすればするほど、しつこく日常生活のなかで蘇ってきて、生活全般が困難になります。

 第8章.

現実感喪失症候群


身体への不安から、パニック発作、抑うつ、解離症状が出てきたときに起こります。生き生きした感じが無くなり、この世界が没落していくような統合失調症に似た症状を呈します。トラウマが慢性化すると、現実感が消えて、夢の中で生きているように感じます。

 第1節.

精神疾患とはなにか


精神疾患というと、一般的には「精神病」「心の病」などと呼ばれていることもあり、人々の心のあり方や感情などに異変が生じる病と思われることが多いかもしれません。しかし、今日の精神医学の分野においては、精神疾患とは、脳の機能の異常や損傷などによって起こる脳の働きの変化が原因で、思考や感情、知覚に障害が生じて人々の感情や行動に著しい偏りが生じている状態のことを示すとされています。脳には、100億を超える神経細胞のネットワークがあるといわれており、これらが人間の心や精神、そして身体の働きに関して重要な役割を担っていることが明らかになっています。後述するように、今日の日本社会では様々な精神疾患を患う患者数が増加している状況にありますが、これらは、脳の働きが不調になることから引き起こされていると考えられています。

 

より具体的には、人々が日常を過ごすなかで脳はどのような働きをしているのかというと、人が外界に触れたときには、まずは様々な情報を認識します。それらの情報をもとに、なにかを考え判断したり、感情や意欲などが掻き立てられたりすることになります。そして、それらをもとに、脳が、身体や行動の機能をコントロールすることによって、人々は普段の生活を送ることが可能になっています。

 

しかし、精神疾患を患った場合には、脳神経のネットワークの働きが不調になるため、これらの流れがうまく機能しない状態に陥っていると言えます。症状としては、例えば、気分の落ち込みや強い不安が続くような鬱状態になった場合、食事や睡眠をとることも難しい状況になることもあります。また、思考や感情のコントロールが困難になるといった症状がでることもあります。強迫観念や、幻聴や妄想が出てくる場合や、精神疾患が身体の痛みにつながり、時には日常に支障をきたすほどの痛みを抱えることもあります。

 

厚生労働省によると、日本において精神疾患を患い医療機関にかかっている患者数は年々増加しており、2015年には350万人を超えていることが報告されています。より具体的には、鬱病、統合失調症、不安障害、パニック障害、PTSD(外傷後ストレス障害)、依存症(アルコール・薬物・ギャンブル等)、摂食障害などが挙げられます。

 

今日の精神科における近代医療を基盤とした治療では、ほとんどの精神疾患に対して薬物療法が採られています。それは、主に脳の神経系に作用して症状を取り除くことを目的としています。しかし、精神疾患に対して薬物療法を採用する場合の課題も多く、副作用の問題や、心身の病症が薬では改善しない状況も多く報告されています。

 

当相談室の治療法は、薬物療法によって精神的、身体的な症状を取り除くことを目的とするものではありません。ならならば、そのような方法は、症状を取り除くことに関しては即効性という面において効果的であったとしても、それらは一時的である場合も多く、トラウマを経験した人々が抱えている心身の問題を根本から治療することにつながりにくいと考えるからです。また、精神疾患を脳の問題として捉えるのは誤っていると考えています。人の心や精神機能は、身体的な周囲との関りによって育っていきます。従って、精神疾患は、社会や他者、環境側の圧力により、身体内部の生理状態が悪化して、脳にも影響が生じてきたものであり、身体を抜きにした精神疾患というのは存在しないと言われています。幼少期から降り積もったトラウマの経験は、人間の心や身体に記憶として刻み込まれて、筋肉や内臓は、脳に危険信号を送り続けて、様々な精神疾患を患うことになります。ここでは、それらが身体の痛みや凍りつき、離人となっている部分に着目して、対話や運動、瞑想、ヨガなどの手法を用いて治療していくことを目指しています。

 第1-1節.

精神症状チェックシート


現在の症状や、性格の悩みで日常生活に支障が出ているのであれば、カウンセリングを受けることをおすすめします。人はストレスが積み重なることで、気分が浮き沈みして「こころ」の症状が出てきたり、不眠・食欲がなくて「身体」の症状が出てきたりします。気になる精神症状がある人はチェックをしてみましょう。

◆病気の症状で困っている

 

①抑うつ気分で意欲や思考が低下している。

②不安やパニック、緊張状態にある。気持ちが落ち着かない。

③気分の浮き沈みが激しく、自分の感情をコントロール出来ない。

④自分が自分でないように感じる。過去のことを思い出しにくい。別の自分がいるように感じる。

⑤身体に疲れがたまり、だるさや倦怠感がある。

⑥寝つきが悪い、夜中に目が覚めてしまう。朝早くに目が覚める。眠った気がしない。

⑦気になったことが頭から離れない。分かっていても同じことを繰り返してしまう。

⑧自分が病気に罹っているのではないかと過剰に心配する。自分の身体や美醜に極度にこだわる。

⑨何か特別に怖いものがある。(例、暗やみ、高いところ、閉ざされた場所など)

⑩いけないことだと分かっていても、ある特定の行為や物質使用を続ける。(例、お酒、ギャンブルなど)

⑪無気力になり怠惰に過ごしている。生活習慣が不規則である。

⑫過去のトラウマが忘れられない。

⑬過食嘔吐や拒食がある。

⑭幻覚、幻聴、被害妄想が起こる。

⑮自分が生きていると迷惑だと思う。

⑯死にたいと思うことがある。(自殺を計画している、自傷行為や過剰服薬など)

⑰職場や学校に行けない。

 

◆自分の性格に悩んでいる

 

①自分がどういう人間なのか分からない。

②何をするにしても人任せ、人の気持ちを考えない、自己中心的で思いやりがない。

③相手の態度で気分がコロコロ変わる。人から見捨てられたのかと心配になる。

④些細なことでもすぐに傷ついてしまう。

⑤自分に自信が持てなくて自分のことが嫌い。

⑥人と関わりたくない。

⑦周りの人の助言がないと物事を判断したり決断できない。

⑧やらなくてはならないことを何でも後回しにしてしまう癖がある。

⑨破壊行為、盗み、うそ、暴力などの問題がある。

トラウマケア専門こころのえ相談室

論考 井上陽平

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