解離(トラウマ)と愛着理論

アタッチメントとは、

 

解離性障害は、幼児期の生育環境による愛着関係(アタッチメントD型)の関連が指摘されています。アタッチメント理論は、ボウルビィによって創始された理論です。アタッチメントとは、人と人の、特に親とその幼い子どもとの間の緊密な絆のことであり、個体がある危機的状況に接し、あるいは危機を予知して恐れや不安の情動が深く喚起された時、特定の他個体への近接を通して、主観的な安全の感覚を回復・維持しようとする傾向があり、一者の情動状態の崩れを二者の関係性によって制御するシステムを指しています。

 

▶Dタイプの子どもの養育者は、

 

抑うつ傾向があり、精神的に不安定であり、虐待など危険な兆候があります。さらに、被虐待児の研究によると82%がDタイプであり、養育者のネグレクトが疑われる発育不全児においてDタイプが多いと言われています。Dタイプの養育者は過去のトラウマティックな記憶に取りつかれ、自らおびえ、混乱し、養育者自身が安全基地ではなく、子どもに危機や恐怖を与える張本人であります。

 

Dタイプの子どもは、

 

養育者に近づくことも退くこともできず、唖然とその場をやり過ごすことになります。また、近接と回避のありえない行動をし、不自然でぎこちない動きや場違いな行動や表情や突然すくんだり、うつろな表情で固まって動かなかったりします。その結果として、子どもが子どもらしく自由に遊ぶことができないため、幼児の能力の自然な発生を妨げしまい、児童期以降のさまざまな認知・行動上の問題や精神病理が予測されます。Dタイプの子どもは、世話型(養育者を気遣い、世話をする)、懲罰型(養育者に対し懲罰的、高圧的)など多様な姿を見せていきます。

 

アタッチメントDタイプ(無秩序・無方向型)の子ども
子どものトラウマコンプレックス

 

Dタイプの子どもは、養育者に愛されたいとか、ケアを受けたいという気持ちはあっても、養育者は怒ったり、拒絶したり、怯えたり、嫌がったりしてあらゆる恐怖を与えてきます。心の中では、怖い、近づくな、自分は愛されない、生きている意味がない、心配でしょうがない、その場にいられない、分かってもらえないというメッセージに縛られています。ただし、虐待する養育者が全て悪いというわけではありません。虐待する養育者でも、孤独に苦しみ泣いていたり、未解決なトラウマを抱えていたりするものです。

 

子どもは、養育者のやり方は間違っていると思いながらも、愛して、信じて、許そうとします。さらに、親子間に良い出来事も起こるので、愛されたいとか、甘えたいと希望し、無防備になることもあります。そして、自分が脅かされて、不安が強くなると、養育者の方に目を向け、その顔が自分の方に向けられ、優しい言葉や力強い言葉をかけてもらうことで、集団場面の安全を確保することができます。しかし、養育者が虐待的で、恐怖を与えてくる場合は、情動の嵐に巻き込まれ、子どもの身体は落ち着かずに興奮したあと、息がしづらくなり、頭は真っ白になって、心と身体は凍りついて動けなくなります。また、自分の行動を統制できずに癇癪を起こしてしまうと、更なる虐待を受けやすくなります。そして、やっぱり信じた自分が馬鹿だったと自己否定し、抑うつ状態に陥るサイクルを繰り返します。子どもは、養育者との幸せを望み、くっつきたい気持ちも強いですが、怖いという感情や見捨てられる不安、迷惑かけられなさ、しんどくて離れたい気持ちもあって、その間を行き来しながら、ズタズタに引き裂かれていき、身動きが取れなくなります。

 

▶怯えている養育者と子どもの攻撃性について

 

養育者がトラウマティックな記憶に取りつかれ、この世界に怯えていた場合、子どもは、ありのままの攻撃性を向けることが出来ません。子どもがありのままの攻撃性を向けてしまうと、養育者の中でその子どもは悪い(恐怖)対象になってしまい、見捨てられることになります。子どもは、見捨てられることを避けるため、養育者に合わせて、なんでも自分のせいにして、子どもの無邪気な攻撃性を最大限に抑え込みます。また、養育者が自分自身の不合理な衝動に恐れている場合、子どもが爆発的なトリガーが踏んでしまわないようにと自分の行動を制限します。子どもは、著しく行動を制限されますが、息を詰まらせながらも、強い緊張状態のなかで養育者に合わせていきます。そして、子どもながらに怯えている養育者を心配して、自己抑制しすぎると、疲れ切ってしまい、解離性障害やうつ病に陥る可能性が高まります。

 

▶Dタイプの子どものしんどさ

 

Dタイプの子どもは、養育者の気持ちを先取りして迷惑をかけないようにと自分を抑制しており、弱弱しく、傷つきやすく、自分がないような状態で過ごしています。周りの子どもたちは自由に遊べているのに対して、Dタイプの子どもは、養育者とのつながりに不安があって、イライラしやすく、落ち着きがなく、心配事ばかりしています。八方塞がりな状況になると、胸やお腹が痛くなり、どうしようと焦っていて、心もとなくふらふらしたり、びくびくしたりしています。その後、どうしていいのかも分からなくなると、おろおろして、息が苦しくなり、心臓が止まりそうで、言葉もでなくなり、身体が固まって動けなくなりました。その後、パニックになると、無秩序・無方向な行動を取ってしまうため、皆と同じこと出来ずに失敗してきました。そして、失敗するたびに、自分がにどう思われているかを気にして、罪悪感を感じたり、自分で自分を責めてきました。また、赤ん坊の頃から、身体は警戒していて、過緊張の状態が続いており、へとへとに疲れ切ってしまうと、身動きが取れなくなり、うずくまって、この後の人生のことは諦めてしまい、別の自分に任せて隠れてしまうかもしれません。そして、学校などでも皆に置いていかれるようになり、見捨てられる不安、裏切られる不安を感じながら成長していくのに対して、本当の私は、誰も気づいてくれず、夢の中でひとりぼっちで寂しく膝を抱えているかもしれません。

 

親子関係のストレスと、時間・空間・身体感覚がバラバラになるような暴力的な外傷体験が重なると、その子どもの居場所が無くなります。その子どもが苦しみを切り離し、耐えれなくなる代わりにその場面にふさわしい人物が出てきて役割をこなすようなことが起きて、人格構造の柔軟性や凝集性が失われてしまいます。

 

▶HOME ▶電話カウンセリング ▶お問い合わせ