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性被害の再演と苦しみ


▶解離と性被害の遭いやすさ

 

人が一度トラウマを受けると、その後も被害を受けやすくなることが報告されています。レイプの被害者は再びレイプされる可能性が高まります。一般的には、性暴力被害を受けた人は、加害者と同じ性別の人に近寄られることすら嫌悪して、凍りつき震えて、自分を脅かす対象に感じてしまうため、被害の再演を繰り返しやすいです。

 

最も悲惨な形で、性暴力の再被害に遭いやすい人は、子どもの頃に性的虐待や性暴力被害に遭ったことで、その時の記憶が抜け落ちて、痛みを飛ばして生きる解離性同一性障害や複雑性PTSD、境界性パーソナリティ障害、統合失調症の人たちでしょう。

 

特に、子どもの頃に性的虐待を受けると、恐怖と痛みで身体が固まり凍りつき、頭は真っ白になって、自分に行われていることが何かよく分からないまま機能停止します。そして、私の中の私でない部分が犠牲者になり、心と身体はバラバラになって、別々の動きをして、加害者の次々と出す要求に従います。加害者に説得されて、抵抗しても殺されるかもしれないので、身体は支配されていって、加害者の求めに応じて動きます。

 

性暴力被害に遭い、犠牲者になった人格部分は、性的放縦人格になり、援助交際の相手を探したり、性風俗で働いたりして、愛のない性行為を繰り返します。彼らは、自分の裸体や自慰動画を知り合いに送ったり、酒場に行ったり、匿名の掲示板を利用したり、レイプのお膳立てをして、主人格を生き地獄に落とすことがあります。性的放縦人格は、性関係のなかでしか生きる術を知らず、異性を誘惑して、人妻のような雰囲気を醸し出し、重度の浮気性や性的奔逸、不特定多数との性行為を心ない操り人形のように行います。

 

もちろん性的放縦人格の好き放題にされてしまうと非常に困るので、多重化した人格システムの中にいる管理者人格(守護者人格)が性的放縦人格を閉じ込めようとします。性的放縦人格は、身体的で自動的に機能したりします。その人格の背後には、恨みつらみを晴らそうとする迫害者人格の存在があり、犠牲者となった人格と結託して、痛みや事実をすぐ忘れて、逃げてばかりの主人格に罪を負わせて罰します。そして、彼らは、この苦しみが続く限り、主人格が死ぬまで同じことを繰り返そうとします。迫害者人格の根底には、不条理な目に遭わせてきた人間に対して、怒りや復讐心を持ちます。

 

レイプのお膳立ての場面では、ふと自分に戻った主人格は、知らない相手が目の前にいて、怖くて、身体が固まって、動けなくなります。固まることで声が出せず、動けなくなることで抵抗も出来ず、SEXはとにかく苦痛でしかなくて、意識が朦朧とし、気を失い、身体から離れていきます。バラバラになるトラウマを負った後、泣きながらシャワーを浴びて、次同じことが起きてしまうことを恐怖し、生きることに絶望します。

 

性暴力被害者の外傷の再演は、世の中に知られていませんが、実際に起きています。私の中の私でない部分が、レイプしてくれと頼んでいるため、客観的には性的同意があったとされてしまい、事件化されません。被害者は、泣き寝入りするしかなく、生きた心地がしないまま、自死を望みます。痛ましいケースでは、性暴力被害に遭った本来の部分がどこか遠くに消えたり、動けなくなって身体の中に閉じ込められたり、表の世界に出れなくなります。そして、自分と全く違う性格の別の自分が日常生活を過ごすようになり、本来の自分は、もう一人の自分に寄生されて身体を乗っ取られます。

 

また、性暴力のトラウマを負い、慢性的不動状態にある人は、危機的な場面ほど、恐怖と麻痺で、交感神経が働かなくなってしまって、声を出せず、手足も動かなくなり、自分を守るための行動が取れなくなります。普通の人は、攻撃を受けそうになると反撃しますが、慢性的不動状態の人は、危険に対して反応が鈍かったり、身体が動かなかったり、身体を置いて解離、離人の世界に逃げて、何をされているのかも分からなくなるため、何度も被害に遭いやすくなります。

 

その他、トラウマを負っている人の特徴として、痛みの身体から心が離れて、頭と身体が離れ離れになっていることがよくあります。身体の中にトラウマを閉じ込めることにより、凍りついた性器がムズムズ、ウズウズして、性衝動を抑えられなくなり、行きずりのSEXや不特定多数の人と性関係を結んで、性化行動に走ります。また、自分の身体が思うように動かなくなってしまった影響から、自分の身体の反応を自分でコントロールしようとして、複数の人と性関係を持つことがあります。

 

再演や再被害のメカニズムを、白川美也子「赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア」の本からまとめると、性的虐待を受けて育った人が、たとえば援助交際など、さらに自分を性的に傷つける行動を繰り返す場合があります。また、DV被害者が次にパートナーから再び暴力をふるわれたり、性被害を受けた人が何度も痴漢にあったりというのは、実際にとてもよくあることです。「この人、なんでこんな被害に遭うの?普通あり得ない」と思えることが事実として起きてしまうのが被害者の人生パターンです。

 

①幼いあのときに何が起きたのか、無意識のうちに知りたいと思って繰り返しているのかもしれません。

②相手が自分に好意を持ったことを認識すると自動的に、性的に反応するモードになってしまうのかもしれません。

③まるで自傷行為のように、自分をもっと汚そうとしているのかもしれません

④「どうせ男は性欲と金。金をしぼりとってやる」と復讐しようとしているのかもしれません。

⑤自分にとって加害者を象徴する相手に復讐しようとしているのかもしれません。

そしてその行動を繰り返すごとに、ますます「汚い自分」「価値がない自分」という恥辱感(スティグマ)をつのらせていきます。

 

▶性被害を受けた後の苦しみ

 

性被害に遭った人は、周りに恵まれれば、自然に回復していく場合もありますが、何度も同じ加害者から、性暴力被害に遭ううちに、次々に起こる恐ろしい事態に身体が動かなくなり、何も感じなくなり、何も無かったかのように過ごして、生きながらに死んだ状態になります。また、自分の魂は死んでしまって、それ以降、違う人が日常生活を送るようになるなど、性暴力は魂の殺人とも呼ばれます。

 

性暴力被害者のなかには、今の私は本当の私じゃない状態で生活していることがあります。恐怖症を持っている本当の部分は、自分のなかの暗い穴に閉じこもり、泣いているとか、喋らずにじっとしているとか、バラバラにされていることがあります。その一方、被害に遭った自覚がなく、自己感覚が喪失していて、怖くないと思っている部分が日常生活の大部分を担うようなことが起きます。日常はあたかも正常かのように過ごしていますが、痛みの記憶は、意識の外に置かれています。

 

しかし、毎晩、養育者から性的虐待を受けてきたような人は、大人になった今でも、夜な夜な嫌な記憶が蘇り、身体が硬直して、神経が痛みます。より原始的な神経が働くことにより、過呼吸、胸の痛み、お腹の気持ち悪さ、節々の痛みから声はか細くなり、すすり泣いて、身体は凍漬けになります。そして、大人の状態から子どもの頃の小さい自分に退行していって、加害者の支配下にある身体は、落ち着かなくなり、発作が出ます。身体は凍りつき、離人化し、全身に震えが出て、自分の意志に反して動き、眠れなくなります。性的虐待を受けた子どもの部分は、毎晩、加害者の足音に怯え、警戒態勢を続き、身動きが取れなくなって、凍りついていますが、大人の部分が、自分の中にいる子どもの部分の痛みに気づいて、救い出せるかどうかという酷な課題を抱えています。

 

性暴力被害者は、心臓の縮まりや頭がバラバラ、死にかけた身体、虚脱状態になるまでいかなくても、加害者と同じ性別の人に対して、嫌悪感や恐怖症を持ってしまいます。また、フラッシュバックやパニック障害、過呼吸、トラウマ再演、過覚醒、解離症状、妄想観念、離人症、対人恐怖、視線恐怖、身体症状、悪夢、不眠などで生活全般が困難になり、外に出ることや人混み、電車などの移動手段を避けるようになります。

 

フラッシュバックや悪夢は、当時の感覚が蘇り、頭の中を嫌なことがグルグル回り、強烈な頭痛や激しい動機、吐き気、身体の震え、発汗、腹痛、凍りつき、破綻恐怖などを引き起こします。そして、加害者と同じ性別の人を見てしまうか、視線を感じることで、緊張して、身体が固まり、自分の身体感覚が分からなくなります。次第に、自分のことが分からなくなり、生き生きとしたこの世界が失われて、現実感が無くなります。

 

解離症状やパニックでは、恐怖と過緊張から、交感神経(アクセル)と同時に背側迷走神経(ブレーキ)が過剰に働いて、身体の方が凍りついて身動きがとれない状態になります。呼吸はほとんどできなくて、話もしづらく、顔色は青白くなり、めまいやふらつき、吐き気、腹痛などに襲われて、動けなくなります。

 

また、自分を守ろうとして加害者と戦った部分や痛みに凍りついた部分は、今でもトラウマという過剰なエネルギーが身体の中に滞って、生々しい身体感覚が残ります。毎日のように酷い恐怖や不安に苛まれて、じっとしていられなくなり、恋愛、過食、セックス、暴力、アルコール、買い物、薬物、ギャンブル、攻撃行動、自傷行為など不適応な行動を取ることがあります。さらに、性被害に遭った人は、自分の身体に対して、汚れているなど奇妙な感覚にとらわれることが多く、過度に否定的で、敵対的で、破壊してやりたいとか、捨ててやりたいとか、新しい身体に生まれ変わることを願っています。

 

子どもの頃から性暴力被害に遭い、その被害体験の大部分の記憶を無くしていて、解離している場合がありますが、その切り離された心と身体の部分は、自慰幻想が展開していることがあります。性暴力被害者は、解離したトラウマや情動が何度も浮かび上がるたびに、恐怖と戦慄、無力感、嫌悪感、絶望感だけでなく、加害者の要求に応じ、性的に興奮しているもう一人の自分がいるように感じます。そして、普段は何も感じなくて、真面目な性格の自分の中に、怯えて泣いている部分と、非常に怒っている部分と、身体は興奮して求めている部分など、同時に二つ、三つの状態を抱えてしまい、自分とは何者であるかというアイデンティティが打ち砕かれます。

 

解離したトラウマがよぎって以来、恐怖や苦痛で生きているのがとても辛いのですが、何度もフラッシュバックしてセックスに関する思考や空想が自分の意志とは無関係に浮かんできて、頭から離れなくなります。また、外出しても、過剰な警戒心から、頭の中は危険があるかどうか、興味があるかどうかを探っていくために、歩いている人の顔や性器に対して、視線を逸らすか、あるいは凝視してしまって、自分の身体の反応や目のやり場に困り果ててしまって気持ち悪くなります。

 

そして、自分の心の奥底では、加害者と同じ性別の人の性器をなぜか見てしまう行為に対して、性関係を望んでいるからに違いないと思い込んで、そんな衝動を抑えられない自分に嫌悪感や罪悪感を抱くようなこともあります。また、加害者に似た人物を見つけると、危険であると分かっているのに、その人のことを自分の今後のために分析しようとして、何度も接近することがあり、セクハラや痴漢、性暴力被害に遭う確率が高まります。

 

このように性に対して倒錯していくと、性的興奮をもたらす反復的な強い空想、衝動、または行動によって苦痛または日常生活への支障をきたします。そのため、被害者の中には、野蛮な身体を切り離すことで、性欲が無くなって不感症になる人もいれば、逆に性欲が亢進してセックス依存症に走る人もいて、その両面を併せ持つ人もいます。また、自分の恋愛対象が男性か女性か分からなくなったり、自分を凍りつかせて、石に変えてしまうような危険な対象に好意を抱いたりします。

 

性暴力被害に遭ったことで怖くなり、男性恐怖が強くなって、セックスを回避するような人も多いです。例えば、自分の身体を好きな人に触られても、キスをしても、何も感じずに、全身が凍りついて、機能停止に陥ります。また、触ろうとする相手の手を振り払ったり、触られるのが気持ち悪くて、落ち着かなくなったり、全身に痛みが出たりします。そして、男性に対して、嫌悪や敵対的な感情を裏で抱え、性的に不感症になり、今までの夫婦・恋人関係が上手くいかなくなります。さらに、性暴力被害者が加害者に対して、反撃しようとしていた攻撃性は、自分のなかにある自分でないものとして成長していき、家族や恋人、友人、医療、警察関係者などと争いを起こしやすく、本人は二次被害を受けて、人間関係をことごとく失敗していくことがあります。

 

また、PTSD症状や解離症状で苦しめられている人は、フラッシュバックや過覚醒、凍りつき、虚脱、パニック、無力感を引き起こす対象が、外側の世界のあちこちにいるので、長期に渡って、心身の不調に苛まれ、気持ちが落ち込みます。この世界は生き地獄で、日常生活をまともに送れないことに絶望して、自殺を考えたり、加害者に殺意を持ったりすることがあります。やがて、ひとりきりで涙に暮れて過ごしたいとか、自分を安心させてくれる理想化された対象と天国のようなひと時を過ごしたいという幻想に浸ります。

 

その一方で、性被害に遭ったあと、性に対して歪んだ考えを持つようになり、性行為を繰り返す人もいます。セックス依存症になる理由としては、被害者の状態により、様々あると思います。いくつか挙げると、好かれたい愛されたいからとか、性欲が亢進して抑えられなくなるとか、自分を傷つけて痛みを麻痺させるとか、服従させられた状態から主体性を取り戻すとか、試してみたいという好奇心とか、自分からそういう状況を作って納得したいとか、身体を支配する試みとか、怖くていいなりとか、親への復讐心とか、苦しみやストレスからの解放とか、自尊心を高める手段とか、体に触れ合うことで人間らしさを回復させるなどあるようです。

 

▶性暴力被害の支援

 

性暴力被害を受けて、複雑なトラウマを負っている人は、心ない言葉にたくさん傷ついています。彼らの話を聞く際は、感情に一喜一憂しないで、いつも優しく、包容力を保ちましょう。そして、その人の良い部分を伸ばしてあげて、その能力を継続して高められるようにサポートし、その人のことを信じてあげましょう。信頼関係は、コツコツと作り、意識は高く持つことにしましょう。

 

当相談室は、性被害のトラウマのある方には、ソマティックエクスペリエンス(身体志向アプローチ)と本音や本当の感情を表現するカタルシス療法の併用が必要だと考えています。従来の対話中心の心理療法では、表面ですべってしまって、心と身体に響かず、効果をあまり感じられなかったと思います。ソマティックエクスペリエンスなどの身体志向アプローチは、運動やイメージ、演劇、音楽、身体感覚のみで行うことができるため、自分の性被害体験を語らなくても治療が可能です。その一方、凍りついた状態から、莫大なエネルギーが解放させるとき、過去と現在の時間や空間が捻じれ、全身の震えや揺れ、熱、寒気、吐き気、叫び声、涙、鼻水、電気が走る感じ、手足の不随意運動が激しくなり、ビックリされるかもしれません。

 

治療では、脳(意識)を使いながら、身体を観察していって、凍りついたトラウマをときほぐします。例えば、みぞおち辺りにある大きな固まりを取り除くと、胸の痛みが和らぎ、喉や気管支の詰まり、肺の凍りつきが緩むと、呼吸がしやすくなります。また、肩や腕を自由に動かして、四肢の力を取り戻したりします。重要な動きとしては、身体をダイナミックに動かすとか、顎を引いて口の開け閉めをするなどすると、身体のモードが変わって、自然に回復していく場合があります。

 

地獄のイメージと天国のイメージを交互に繰り返し、安全な場所で息を吹き返す動作が行われると、身体内部に留まっている過剰なエネルギーが解放され、身体の凍りつき過緊張の部分が取り除かれます、そして、本来の自分に近い状態に戻り、様々な身体症状や睡眠障害、ネガティブな思考が改善されて、人恋しさや性欲が戻ります。しかし、1回の治療で完治することはほぼありません。治療後は一旦状態が良くなりますが、現実世界の生々しさに触れると、また元の状態に戻ってしまいます。治療は、1、2年から7、8年と掛かりますので、できるかぎり早く行ったほうが良いでしょう。トラウマケアせずにいると、慢性的な凍りつき、虚脱状態になり、解離や離人、過覚醒、不眠、重度のうつ、慢性疼痛、慢性疲労、原因不明の身体症状、様々な精神疾患、自己免疫疾患などの症状が酷くなります。

 

その一方、性的虐待などの到底耐えられない痛みを持っている人は、身体に焦点を当てる治療を行うと、手足がバタンバタンと勝手に動く逃走反応が出るため、外科手術並みの凄まじい展開になります。そういった反応を人に見せることを恐れたり、自分がどうにかなってしまう恐怖があるため、治療が中断する可能性が高まります。また、性暴力被害を受けた人は、自分の身体の不快感に耐えられず、自分の身体でないように感じていることがあり、その身体に注意を向けることに対して反発します。さらに、自分の身体を他人の手で触れられることを猛烈に反発したり、自分の手で自分の身体を触っても、違和感しかなく、気持ち悪さを感じることがあります。

 

治療が進んでいくと、心(頭)と身体が合致していくようになりますが、身体に刻み込まれた痛みやトラウマを思い出して、フラッシュバックや怒り、不快感が出て、生活全般が困難になるかもしれません。また、大人の自分と取り残された子どもの自分の間で混乱し、現在と過去が入り混じる体験から、自分が変わることを恐れます。このような理由から、身体に焦点を当てたアプローチは、停滞しがちで、治療が中断してしまうことが多いです。最初のうちは、誰にも言えない本音や本当の感情を吐き出していって、頭と身体をすっきりさせていくほうが良いでしょう。治療のペースは焦らずゆっくり行って、環境との折り合いをつけたり、自分の感情や身体と向き合ったり、長期に渡って行う必要があります。

 

あとは、性被害の方への手厚いケアが進んでいないのが現状です。ワンストップセンター、警察、医療、精神科医、心理士、看護師らが、トラウマや解離、脳機能、神経系、身体症状などの理解に乏しく、広く浅くしか勉強していないため、こころや身体の痛みに鈍感で、被害者の方が二次被害に遭うことが多いです。性被害の方が二次被害に遭うことで、バラバラにされたものが、よりバラバラになることや複雑性のPTSD、身体機能の低下、神経系、免疫系、ホルモンバランスに悪影響を及ぼしていきます。そして、実際の被害を受けた傷よりも、二次被害による人間不信からの孤立感の痛みが大きくなり、患者としてお金だけ取られて、症状が悪化するという最悪の事態に陥りがちです。そのため、性被害や性虐待を受けてきた人には、適切な保護や繊細な身体とこころのケアをしていく必要があります。まずは、どういった治療を受けていくのかしっかり説明を聞いて、安全・安心な場所で信頼関係を構築していく必要があります。

 

参考文献

白川美也子:『赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア』アスク・ヒューマン・ケア 2016年

 

 

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論考 井上陽平

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