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強迫性パーソナリティ障害


強迫性パーソナリティ障害の人は、仕事が遅れたり、仕事の完了が妨げられたりするような規律性、完全主義、およびコントロールへの広範なとらわれを特徴とします。 他人からの批判に敏感なために、相手にどう評価されるかを気にしすぎてしまい、仕事などで出来上がりが時間ギリギリになります。彼らは、自分に基準がないため、誰かの保証がないと前に進めず、人の評価の基準軸に左右されることが多いです。また、課題を完璧にやり遂げようとして、かえって支障をきたします。

 

強迫性パーソナリティ障害の人は、アスペルガー症候群や自閉スペクトラム症、トラウマの状態に固着しているために、不安ー過緊張ベースで、義務感や責任感が強く、思考や行動にこだわりも強いです。八方塞がりな状況になると、体は凍りつき、脳は危険や脅威を感じて、いろんなリスクを恐れるようになり、頭の中がグルグル回ります。頭で論理的に理解できても、心は違う反応をし、身体は落ち着きが無く、じっとしていられない衝動のなかで、パニックや過呼吸、抑うつ状態になることもあります。普段から、過緊張や凍りつき、死んだふりの状態にあり、脳はトラウマティックな危機を感じて、本当の安心感がありません。神経発達が過剰な防衛をするように成長していて、外側の刺激に繊細に反応するため、自分の感情に圧倒されやすく、神経が張りつめた状態のなかで生活しています。自分を守ろうとする反応が強いため、不安を感じると、確認行動を取ってしまい、人間関係の予測できないことを恐れたり、人生の不確かさに耐えることができません。

 

強迫傾向が強い人は、ちょっとしたことも嫌に感じて、潔癖症なところがあり、安全かどうかを気にして、細かいところまで気になり、なんでもきちんと把握しないと気が済みません。また、何事も選択できず、自分で選ばず、完璧にできること以外は、リスクを考えてしまって決断ができずに、選ばない人生を歩んできました。そして、高い道徳観念を持ち、秩序や完全主義にとらわれていて、いつも予想しうる返事を求めて、相手に言いたいことも言えずに息を潜めます。 また、相手の表情や人間観察をよくして、相手の顔色や評価を気にして行動しており、今では融通の利かない、硬直したパーソナリティの構造を持つようになります。

 

もともと敏感すぎる体質を持っていることが多く、そのために、ストレスを感じやすく、痛い目に遭いたくない思いから、物事をコントロールしている状態で、ギリギリの状況を生きています。大人になると、他者の一語一句が気になり、気を使いすぎて、人付き合いに疲れてしまいます。 失敗したら怒られるとか、失敗が出来ないと恐れていて、その一方で、プライドが高いために、他人からの批判に敏感で、自尊心が傷つけられることを恐れて、感情が揺さぶられます。また、柔軟性に乏しく、規則を重視し、完全主義的な性質 があります。自分の内側に気づかないようにしていますが、実際には辛辣さや複雑な感情を内に抱えています。

 

安心100%を求めて、目立たないように息を潜めていますが、1%の危険性にとらわれているために、石橋を叩いて渡る人生になります。しかし、本心では、もっと自分をよく見せて、華やかなことをしたいとか、理想が高く、自分を磨いて、すごいと思われたいという願望があります。 また、人に優しくしてほしい、特別な人と思ってほしい思いから、自分でも知らないうちに、相手をコントロールする ところがあります。周りの人に自分を良く見せたくて、完璧にこなしたくて、人生がハードになるかもしれません。

強迫性パーソナリティ障害の診断基準(DSM-5)


秩序、完璧主義、精神および対人関係の統制にとらわれ、柔軟性、開放性、効率性が犠牲にされる広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち4つ(またはそれ以上)によって示される。

(1)活動の主要点が見失われるまでに、細目、規則、一覧表、順序、構成、または予定表にとらわれる。

(2)課題の達成を妨げるような完全主義を示す。

(3)娯楽や友人関係を犠牲にしてまで仕事と生産性に過剰にのめり込む。

(4)道徳、倫理、または価値観についての事柄に、過度に誠実で良心的かつ融通がきかない。

(5)感情的な意味をもたなくなってでも、使い古した、または価値のない物を捨てることができない。

(6)自分のやるやり方通りに従わなければ、他人に仕事を任せることができない。または一緒に仕事することができない。

(7)自分のためにも他人のためにも、けちなお金の使い方をする。お金は将来の破局に備えて貯めておくべきものと思っている。

(8)堅苦しさと頑固さと示す。

(以上の基準の四つ以上を満たす必要がある)

 

参考文献

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』医学書院

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

論考 井上陽平

 

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