トラウマの内なる世界に棲む魔女

▶トラウマの内なる世界に棲む魔女

 

トラウマの内なる世界の支配者は、半分は現実世界で危害を加えてきた人物であり、もう半分は、原始的な防衛システムの働きと、それにより生まれる魔女的存在です。トラウマの世界の支配者は、夢や幻聴として現れ、時には、身体を支配して主導権を奪います。そして、彼らを恐怖させ、身体を凍りつかせて動けなくさせたり、聴覚を奪い、思考を鈍感にさせて、頭を真っ白にさせます。

 

長年に渡って、トラウマの影響に曝されることで、当事者は、ストレスを感じる力が弱くなってしまい、不快な刺激を不快と感じることさえできず、悲しむことや落ち込むこともできなくなってしまいます。その理由には、ストレスを長年に渡り強く感じていると、心身への影響が多大であるために、生きていくことができなくなるためであり、それを回避するためにストレスそのものを感じさせなくさせて防護するという手段を取る場合があります。

 

これまでの人生に絶望している人ほど、悲しみや真実は痛みが伴うため、反発しようとする力が働きます。この不快さに反発する力は、生活全般のストレスを和らげる一時的な効果はありますが、強くなりすぎると、正常に悲しめなくなり、人の本来備わっている自然治癒力やリズムを失わせます。人の生命を守るためでありますが、過剰になると、本当の悲しみや現実に触れさせないために、本来の生命を回復させる力を奪うため、悪魔的になります。

 

今が苦痛だらけになると、人生を前向きに考えることが出来なくなり、人と関係を築いて、将来を考えたり、計画するよりも、今を楽しむことが全てになり、他者との関りが刹那的になります。そして、もともとの人格とは異なる性格の人格が生まれることがあります。もともとは、歪みのない良い子どもでしたが、現実社会に生きるうちにそれらに内在する歪みに気づくうちに、現実に耐えることが出来なくなっておかしな方向に変わっていくという経験をしています。

 

もともとの私は、真面目で、人当たりが良いですが、一方で、私とは正反対の人格が現れてきます。その人格は魔女的であり、「お前はまだ懲りていないのか?」「他人をまた信じようとしているんだね。馬鹿だね」といった言葉を語りかけてきます。もともとの私は、人間関係に失敗した分だけ、傷だらけになっていき、どんどん心の内側にこもっていって、誰にも知られない場所に隠れて休んでいます。

 

その代わりに、表に現れてきたのはもともの私とは正反対の私で、魔女的であり、他者は自分を傷つけてくる敵としてみなして、自分の身を守る事だけを考えています。他人を呪って、特別な力で敵に負の影響を及ぼすことができます。他者に嫌な不快な思いをさせることが多く、他者を自分に寄せ付けず、暗闇の世界で自己を閉ざし続けています。痛みや寒さも感じず、上辺の表情とは裏腹の感情や思いが内側に渦巻いています。そのような内側の感情をぶつけて、怒りまかせに他者に嫌な思いをさせてマイナスの世界へと引きずり込んでいきます。

 

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