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健康づくりの運動習慣


心と体の健康は、楽しく運動を続けていくことが大切です。人間は本来、体を活発に動かすように設計されています。体を動かさず、じっと座っていることは、体の声を無視した不自然な生き方になり、本能の逆を行っているので、心と体が病気になるかもしれません。

 

人はストレスを感じると、体が緊張し体中がこり固まることがあります。体がこり固まるのは、筋肉の緊張に起因しており、体の緊張は筋肉の緊張に連動しています。従って、運動によって筋肉を鍛えることは、ストレスフリーの身体に鍛えることに繋がっていることが分かります。筋肉を鍛えることによって、トラウマから回復することも可能です。筋肉を鍛えると言っても、厳しいハードな筋肉トレーニングを行なえばよいというわけではなく、誰でも行えて、継続が可能な運動を始めることによっても効果が期待できます。ラジオ体操、ヨガ、ストレッチ、ダンス、演劇を取り入れて、楽しく体を動かすことや、数十分ほどのウォーキングで十分なので、毎日の生活の習慣に取り入れましょう。

 

ウォーキングなどの有酸素運動は、体脂肪をエネルギー源として利用するため体脂肪を減少させ、ダイエットに効果があります。ウォーキングは生活習慣病、うつ病、認知症等を予防でき、健康維持に効果があります。さらに、ウォーキングを続けるとセロトニンというホルモンが分泌され、脳の興奮を抑制し、リラックスと幸福感をもたらす効果があります。体を動かすことで、体力がつき、体が軽くなり、疲れにくくなり、さらに、精神状態は安定し、気持ちが清々しくなります。しかし、運動しすぎて足が棒になり、翌朝起きられないような状態になるなら、運動のしすぎになります。運動は継続することが何より大切であることを念頭に置きましょう。

 

しかし、トラウマのある人にとっては、何かトレーニングを始めることが難しく、特に冬に寒さが苦手だと動けなくなり、背側迷走神経が優位になります。そして、寒さで体が凍りついたように縮まり、血液の循環が悪くなり、活動しようとするスイッチが入りにくくなります。しかし、春や夏になると、交感神経が主導権を握り、活動性が上がります。春は新しい生命が生き生きと動き始める季節です。夏だとすぐに動けて、活動的になることができます。季節のよい時期に体を動かし、関節をつなぐ筋肉や骨、腱の伸び縮みを見ながら体を鍛えていきましょう。

 

運動不足が続くと、ホルモンバランスが崩れたり、自律神経系が調整不全に陥ったりして、不眠や食欲不振など体に症状がでます。体も心もしんどい状態が続くと、気持ちもイライラして、心の余裕が無くなり、できるだけ体への負担を避けようとして、運動しなくなるので、さらに体の調子を崩し、悪循環に陥ります。そして、体がしんどくなるほど、筋力が落ち、体力が衰え、様々な機能が低下し、社会的に孤立していきます。

 

体力をつけるには、体の中で一番大きい筋肉がある足と血液を送るポンプの役割である心臓を中心に鍛えると、体力や抵抗力が高まります。心臓や足腰を鍛えるトレーニングとしては、ジョギングのような心臓をバクバクさせる有酸素運動がおすすめです。運動不足を解消すると、ホルモンの分泌や自律神経系の働きが正常に戻り、心に余裕がでて、イライラもおさまります。回復には思い切って運動していくことが必要です。

 

病気に罹りづらい体を作る目的に、30分ほどのジョギングやストレッチから始めるのもいいでしょう。 しかし、初めてしばらくたつと、ジョギングは体に負荷をかけるので、自分の体の弱い部分が痛んできます。足が痛い、関節、筋肉が痛い、呼吸器系の疾患、喘息の症状が出るなどの症状が出てくるようになるかもしれません。普通の人は、その症状をジョギングを始めたことが原因と思って、ジョギングを辞めます。すると、確かに症状はなくなっていく場合が多いですが、自分の体の弱い部分は改善されることはありません。そのような症状が出ても、ジョギングをできる範囲で続けていると、次第に弱い部分が強くなって、克服することがあります。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

更新:2020-06-19

論考 井上陽平

 

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