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モラハラ夫・彼氏の特徴


一般的に、日本社会は男性社会であり、今日では、女性も社会に出て働くことも多いですが、一昔前には、男性が働き、女性は家を守るのが一般的でした。そのため、男性がより強い立場にあると考えられてきました。今日では、より平等な社会といわれるようになりましたが、基本的には、このような男尊女卑が根底に残っているといえるでしょう。そのために、男性は女性に対して偉そうな態度をとったり、言葉を投げかける場合がみられます。日本社会では、他の国と比べても、モラハラをする夫の割合が高いことで知られます。ここでは、モラハラ夫の特徴を考えます。

①モラハラ夫のトラウマ的要因


モラハラをしてしまう理由としては、過去にトラウマを負うような体験しており、体が怠いとか、固まりやすいとか、痺れや痛みがあることがあります。そして、嫌なことや不快な場面では、体は闘争・逃走モードになって、全身に痛みや緊張が走ります。その後、恐怖が強く、逃げられない状況下では、全身が固まって、血液に循環が悪くなる特徴があげられます。トラウマを負った人は、情動を司る神経系は改変されるため、不安と恐怖ですぐに体が固まり、イライラしやすくなり、疲れてしまいます。トラウマティックな脳や身体になるほど、感情のコントロールや正常な判断をすることが難しくなるために、パートナーとの関係性も難しくなります。

②モラハラ男性の資質や家庭環境


モラハラ夫は、多くの場合が、トラウマか神経発達に問題があり、厳しい躾や虐待的な環境で育ち、温かい肌に包まれる体験が不足し、安心感や自分の居場所がありませんでした。親の顔色を伺いながら、親の期待に応えて、褒められようと努力してきました。一方、親が過干渉や過保護で、行動は制限されてきたタイプもみられます。長年に渡るストレスと緊張から、自律神経系が調整不全に陥り、免疫システムや覚醒度、筋肉機能、睡眠、胃腸や皮膚の炎症を起こしている場合があります。また、お腹が弱いと便秘と下痢を交互に繰り返したり、どちらかの状態が続いたりします。

③自分が正しく相手が悪い


根底には自己否定感、他者への不信感が強いですが、否定的な面が強くなると元気が無くなるので、自分が正しいことに固執してしまいます。相手を屈服させるためなら、労力もいとわず、そこから自分の正しさを認めさせます。自分は常に正しく、自分が攻撃的になるのは相手が悪いと考え、自分の正しさを認めさせるためなら、異常な執着心を持って行動します。自分の正しさを認めない相手のことを悪く言う特徴があり、これらがパートナーに向きます。

④自分の思う通りにしたい


パートナーとの関係や仕事の時に、モラハラ夫は自分の思う通りにいかないとイライラしたり、暴言が出たり、元気を失くしたりするため、その場をコントロールしようとします。その理由は、子どもの頃から、理不尽な目に遭っても、良い子でいて我慢していることが多いことと関係しています。家の中では、親を前にして、自分の喜怒哀楽を抑えているうちに、どんどん身体がしんどくなりました。一方、外の世界では、自分の喜怒哀楽を抑えなくてもいい相手と付き合うようになり、自分の主張を振りかざして、強圧的な態度で周囲をコントロールしたり、酷い言葉を言ったりします。

⑤想定外のストレスへの弱さ


想定外のことが起きたり、嫌な目にあったりすると、体が苦しくなるので、自分でマイルールを作り、頭の中で戦略を巡らし、口の上手い人間に成長していきます。彼らの身体はトラウマを閉じ込めているため、些細なことでも反応して、予期せぬ出来事や急なことが起きると、心臓がバクバクしたり、胸が締めつけられて苦しくなります。自分の中にルールを作り、この世界を規律化し、身構えることで、予期せぬアクシデントが起こった時のショックを和らげています。何か悪い事があるだろうとネガティブな見方をすると体調が悪くなるので、自分を磨き、相手によく思われることで、体調を良くしています。最悪なことを考えるよりも、自分の万能感で対応します。

⑥不快な状況での闘争モード


不快な状況にいると、じっとしていられなくなって、イライラしたり、どうしようと焦りになったり、多弁になったり、問題解決を試みます。そして、他人と言い争うような闘争モードに入ると、口が勝手に物事を言うようになり、身体のほうも興奮して過活動になります。周りに脅威を放ち、怒りで表現することで、自分を守り、自分が自分である状態を保ちます。

⑦人生が思う通りにいかなくなると


人生の選択を失敗すると、不満や後悔、怒り、自責感を引きずるようになり、体調が悪くなります。そして、取り返しのつかない事態に陥ると、胸がギュッと締めつけられて、何か問題解決は出来ないかと考え、その場にじっとしていられなくなります。問題解決に至らないまま大きな失敗になってしまうと、体の硬直と脱力の間を行き来して、絶望や無力に落ち、この世界から消えたくなります。また、状況が最悪で、しんどい時ほど、パートナーに対しては、投げやり態度を取ってしまい、人生なんかどうでもよくなります。

モラハラ夫との結婚と関係性


ここでは、モラハラ夫の特徴とその関係で生じることを挙げていきます。

①恋愛初期は恋人を最大限に肯定する


モラハラ夫の特徴としては、出会ってすぐの頃は他人に対して自分を良く見せようとします。好きになった相手には、自分から積極的に誘い、距離を近づけてきます。そして、絶対に手に入れたいと思って、彼女にお金を使い込んで、彼女を一番に優先して、相手のためになんでもしてあげるので、とても優しく、誠実かのように思われます。しかし、恋愛関係が終わる頃には、今まで使ったお金を返せというような身勝手な態度をとることがあります。交際を続けるなかで、相手を喜ばそうとする良い部分と、相手を罵ったり、経済的に細かい側面が目立ちはじめるのが特徴です。経済面がうまくいかなくなったり、関係性が崩れていくと、モラハラ男性は、息苦しさや胸が苦しくなって、思考の堂々巡り、睡眠不足、うつ状態に苛まれたり、投げやりな態度や自暴自棄になることもあります。

②結婚生活上のマイルール


そして結婚生活に入ると、モラハラ夫は、自分の生活の変化を嫌い、独特なマイルールがたくさんあるので、パートナーと一緒に暮らす際は、自分と違う価値観が入ってくるのを嫌がります。パートナーに対しては、相性と価値観の一致を求めており、自分のマイルールに従ってもらえるのが当然だという考えで、自分の主張を一方的に押し切ります。そして、自己犠牲的なパートナーに対してのみ尊大に振る舞い、アクセサリーや物のように扱います。

③価値観のズレ


モラハラ夫は、子どもの頃から、結婚に対して、誇大な幻想や理想を抱ていています。家庭は安心できる場所と思っていて、パートナーには自分の思い通りに動いてほしいと思っています。生活に安心・安全を求めているので、貯金をして不安を減らそうとしてお金の使い方がケチなので、パートナーとの金銭感覚をずれていき、喧嘩が多くなります。計画性や安全性を過度に求めるので、相手とズレたり、細かいことを気にする完璧主義なので、嫌なことに耐えられず対立していきます。

④もともとは小心者


モラハラ夫は、本当は小心物で、気が弱く、周りの目や世間体を気にしていますが、パートナーは有効な自己主張できず、犠牲になってきました。モラハラ夫が投げやりな態度を取り、別れを告げたり、パートナーの方が嫌気がさして離れていくことがあります。調停離婚になると、モラハラ夫は、親権にこだわり、自分がやることはすべて正しく、相手がやることはすべて間違っているという図式で戦うタイプがいます。一方、自分は間違いを犯してしまったと反省し、治療を受けたり、カウンセリングに通うことで、自分は反省し、変わろうとしていることをアピールに使うタイプがいます。

モラハラ夫の治療


一般的なモラハラ夫の特徴は、自分の価値観が正しく、相手を見下し、小馬鹿にして、自分は相手より優れていると思います。しかし、モラルハラスメントやドメスティックバイオレンスが出てしまったその時は、反省するのですが、結局、一週間、二週間、一か月と経つうちに、元の自分に戻ってしまって、同じことを繰り返します。反省したり、考え事を変えるだけはうまくいかない場合がほとんどです。まずは、彼らの体の状態を根本から変えていく必要があります。子どもの頃から、神経が張りつめていて、体が緊張し、焦りや苛立ちを感じやすい状態から、安心してリラックスできる状態に変容させることが必要です。

 

 治療では、十字架に張りつけられたイエス・キリストになり、身体に拷問的苦痛を与えるイメージをしていきます。屈辱から怒りになったり、痛みに凍りついたり、絶望や無力に打ちのめされたりする体験をしていきながら、真の変容を目指します。自分の不快な気持ちをどう処理していくかを見ていき、追体験していきます。そして、自分の不快な感覚に慣れていき、日常生活のなかで感情的な言動をしなくていいように、自己理解を深め、自己調整機能を身につけます。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

論考 井上陽平

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