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ヤングケアラー問題・実態・原因


ヤングケアラーとは、家族や親に病気や障害があり、精神的に未熟な親のもとで育つとか、親が発達障害でまともに働けないとか、親がうつ病でまともに動けず考えられないなど、日常生活に支障をきたす家族を持ち、大人が担うべき家事や家族の世話を子どもが日常的に行う人のことを指します。ヤングケアラーや毒親育ちのケースもそうですが、子どもは家族の世話や家事、介護をすることになり、子どもらしくいられる時間が奪われたまま、大人になってしまうため、アダルトチルドレンに近い概念になります。

 

ヤングケアラーになる子どもの側の原因としては、子どもにトラウマがあるとか、人一倍敏感な特性を持っていることが多いです。自分が家族のために頑張らないと、このままでは家族が崩壊してしまうと感じて、家事を手伝い、幼い兄弟の世話をして、自覚なく家族の世話に追われてきました。

 

▶母子家庭で母親が精神疾患

 

ヤングケアラーになる子どもは、親が精神疾患を患っているために、まともに働けなくて、経済的に厳しい家庭で育つことが多いです。特に、母子家庭(シングルマザー)の中でも、精神疾患を患う母親のもとで育つ子どもは、情緒不安定な母を見て、機嫌を損ねないように気を遣う生活になります。しかし、母親は、些細なことでも過敏に反応してしまい、もの凄く不快になって、子どもに怒鳴りつけるか、落ち込んで元気を失くします。酷いときには、何も出来なくなり寝たきりになります。

 

小さい時から、このような環境で育った子どもは、母親の気持ちに応えようとする良い子に育ちますが、学校や社会のどこかで綻びが出てくる場合が多いです。母子家庭で生活困窮し、子どもは大学進学を諦めるかもしれません。また、大学の学費や生活費を稼ぐために、低い給料で朝から晩までアルバイトで働き詰め、必要なものにお金が吸い取られてしまって、精神的にも肉体的にも余裕がなくなり絶望します。

 

▶家族のために自己犠牲を払う子ども

 

ヤングケアラーのなる子どもは、親から愛情をもらえなかったゆえに、自分より親を大事にするようになり、周りから偉いね、いい子だねと言われる優等生タイプが多いです。子どものなかには、異常な育てられ方をして、親から自分のやりたくないことまで強要されたり、馬鹿にされたり、からかわれたりなど、嫌な感情を向けられることが多いです。また、母親のヒステリーを見てきて、どう行動すれば止めれるのかを考えて、目をこらし、耳を澄ませてきました。

 

子どもは、親からの過干渉を受けながら、家庭の中では安心を感じることなく成長し、親の要求通りに演じてきました。彼らは、家族に幻想を抱いて、自分を無理やりだましながら、親に愛されるために、自分の楽しみを犠牲にして、勉強や家事、愚痴の聞き役に徹し、努力してきました。そして、自分の生活や将来を犠牲にするしかない状況で、家族のために自己犠牲が当たり前になり、自分の感情に蓋をするしかありませんでした。家族を支えるために奔走していくうちに、心身に不調をきたし、学校生活にも影響が出て、いつの日か燃え尽きてしまう日が来ます。

 

身体を壊して、自分が親からどれだけ酷い目にあわされてきたかを自覚し、受け入れてしまったときに、自分の心が崩れていって、心も身体もおかしくなります。また、親らから逃げるように結婚しても、結婚生活がうまくいかない場合は問題が出てきます。子どもの頃から、負荷が大きすぎると、身体中が痛かったり怠かったりで、全く動けない状態になることもあり、いろんなことを諦める人生になるかもしれません。そして、精神疾患(うつ、双極性障害、パニック障害、強迫性障害、摂食障害、解離性障害)、パーソナリティ障害、副腎疲労や胃腸の不調など原因不明の身体症状を患い、社会の中での適応が難しくなります。

 

▶ヤングケアラーの問題や支援

 

ヤングケアラーの問題は、親だけでなくて、社会全体の問題かもしれません。母親が子どもを虐待し、ネグレクトしてしまうのは、母親も育児しながら家事もして、パートまたはフルタイムで働いているため、母親自身が社会の犠牲になっている点は見過ごせないかもしれません。また、障害や依存症を抱えた母親などの家族への支援を国が怠った結果かもしれません。

 

ヤングケアラーの支援では、子どもの気持ちに寄り添い、心が休まる時間や希望を持てるように支える必要があると思います。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

公開:2022-06-15

論考 井上陽平

 

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