発達障害の身体性

▶発達障害の身体性

 

発達障害には様々な症状やケースがあり、典型的な症状を挙げて、一括りにして発達障害と診断するのは難しいですが、発達障害の身体性について述べていきます。

 

発達障害の人は、遺伝要因と環境要因が複雑に絡み合っていますが、発達早期のトラウマ、誕生時トラウマ、母胎内のストレス、胎児期や乳児期などの早い段階での侵襲された体験の影響が大きいと言われています。従って、幼少期の虐待によるトラウマなど、成長の過程での人間関係や生活要因で発達障害が起こるというのではなく、赤ん坊の時に母胎内で受けたストレスや、化学物質に曝されたこと、または低体重出産、医療場面における侵襲的体験、発達早期の不運などによって、脳と身体を繋ぐ神経発達や生体機能リズムに異常があるために起こっていると言えます。

 

生まれ落ちたときから、ゆっくりのんびりできずに、絶えず緊張に曝されて、神経発達や生体機能リズムが通常の人とは違う形で成長していきます。早い段階から、過緊張や過剰警戒、硬直、凍りつき、過覚醒、低覚醒、離人、解離などの症状を示すなかで生活しており、学童期以降に、様々な困難にぶつかることで、虚脱状態に移行していく人もいます。凍りつき、虚脱状態で生活していると、神経の働きや生体機能が突然乱れて、血圧や心拍、内分泌、睡眠、体温など生理的反応の変動が激しかったりします。そのため、一度体調を崩すと、酷い場合には喘息や気管支炎、高熱が長期化します。発達障害の人は、神経が繊細で、ストレスや疼痛に弱く、危険を察知して、生き延びようとする防衛反応が過剰になると、様々な身体症状を現します。

 

発達障害の人は、日常生活が困難になるほどの感覚過敏があり、物音や光、匂い、人の気配などに敏感で一日のほとんどの時間はそれらに気が取られている状態になります。身体は、神経発達と生体機能の問題から、様々な生理的反応や身体症状が原因で混乱していて、そのような身体から離れて、頭の中で生活したり、モノや役割に没頭したりしてきました。頭の中の生活では、過去を振り返り、様々なことを分析して、アルゴリズム的思考になります。このように思考するのは、少しでも不安を感じるなどで心が搔き乱されると、身体的な症状が出てしまうために、物事の因果関係をはっきりさせて、脅威を遠ざけようとします。しかし、そのようなことに意識を集中させることを幼少期から行っているために、認知が歪んだり、ある特定のこだわりを強めることで自身の安全性を保とうとします。そのために、日常生活はルーティン化していきます。外からの刺激には敏感ですが、自分自身の身体感覚が分からず、ボディイメージが薄くて、主体性に乏しく空っぽになります。

 

頭の中での生活が基本になるため、身体感覚が分からずにいると、普通の人の感覚は分からず、特殊な感性を持ちます。内臓や皮膚、筋肉の感覚は弱いですが、視覚や聴覚は過敏になって、近隣住民とのトラブルを起こす人もいます。一方、目や耳、頭を使って、自分の好きな音楽や絵、研究などに取り組んで、才能を発揮する人もいます。発達障害の人は、普通の感覚が分からないために、他者に責められたりすることが多くなりますが、外側を基準にして、他人のふりを見習ったり、周りの真似をして、日常生活を営んでいる人もいます。

 

自閉症スペクトラム障害の重症な人は、猫背で手足に力が入らずだらーんとした状態で、内面もうつろで空虚で、自分の事が分からなくなっている状態で、外出などもできなくなっていきます。発達障害の人は、身体感覚が分かりづらいので、自分の疲労などにも気づかずに無理をしてしまい、身体がパンクしていき虚脱状態に入ります。

 

ADHD(注意欠陥多動性障害)の人は、身体の中の不快感が強くて、じっとしていられず、先に動作してしまいます。ムズムズ、モヤモヤ、ソワソワを身体の中に感じて、動作をしたくなります。身体が感情に支配されて、そのような感情を感じ始めると、他の事に手がつかなくなります。

 

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