ADHD

▶ADHDの症状

 

ADHD(注意欠陥・多動性障害)は脳の前頭前野の注意や行動の制御など上手くいかないことで起こります。症状としては、不注意、多動、衝動性を示します。

 

1.不注意の症状は、簡単に気をそらされ、細部をミスしたり、ひとつの作業に集中し続けるのが難しい。

 

2.多動(過活動)の症状は、授業中にじっと席に座れず、歩き回ってしまったり、絶え間なく喋り続けてしまう。

 

3.衝動性の症状は、自分の話す順番を待つことができない。結論なしに話続ける。

 

ADHD症状のある人は、別の診断にもなりやすく、双極性障害、うつ病、境界性パーソナリティ障害、PTSDなどの診断されることがあります。

 

ADHDの原因

 

ADHDの原因ははっきり分かっていませんが、遺伝的要因(脳や体の神経回路の脆弱さ)と環境的要因(胎児期、乳児期の侵襲的体験)が複合的に重なり合って、さらに、成育環境が悪いと二次被害のトラウマを受けて、神経の発達に問題が出てきます。環境要因としては、お母さんの胎内にいるときの環境が重要で、子宮内のストレスや子宮内の侵襲処置手術など、胎児トラウマが原因になることがあります。また、出生時の医療措置(低出生体重)など、誕生時トラウマが原因になることもあります。さらに、医療場面でのトラウマ、虐待や母子関係の愛着トラウマ、夫婦のDV、不運な事故、化学物質への物質、子どもの取り巻く生活空間のストレスなどの複数の要因により、ADHDの症状を顕在化していきます。また、発達早期にトラウマがある子どもは、同じような行動を見せます。

 

不注意の症状は、脳や体の警戒心が過剰になり、過覚醒や凍りつき、低覚醒の状態に置かれると、簡単に気がそれていくようになります。つまり、脳は外の世界のあらゆる刺激に注意が向いていき、感覚過負荷の状態にあります。体の方は、奥底の恐怖が意識に上がってくることで、過敏になるか、麻痺していって、自分の五感を使って自分の体に注意が向けられない状態にあります。普段から、意識がぼんやりして、半分眠ったような状態であるため、注意・集中が困難になっていきます。また、仕事では、同時に二つのことが出来ず、片方のことしかできません。

 

多動性や衝動性の症状は、身動きが取れない状況(トラウマ性の不動、麻痺、恐慌、破綻恐怖)を避けようとしています。不快な状況において、物事が白黒ハッキリしないと、落ち着きがなくなり、体を動かしたくなります。その不快な状況のとき、体の方は不快な感覚に襲われており、その場から逃げたくなったり、イライラしたり、もうダメだと思ったり、居ても立っても居られなくなります。体の中の生理的混乱が怖くなって、パニックになりそうになると、無意識に歩いて廊下などを行き来します。

 

ADHDの特徴

 

ADHDの人は、学校の集団場面や都市型の生活に馴染めず、自分が他人と違うことをうすうす感じていたりします。集団や他者に合わせる場面では、協調性がなく、落ち着きがなくなり、我慢できなくなります。無理に周りに合わせようとしても疲れてしまい、うまくいかない自分を責めて、悲観的になり、うつ状態のようになることがあります。そして、自己評価が下がって、社会の中で人と付き合うのが大変困難になる方もいます。一方で、自由奔放にやりたいことに取り組むことができれば、力を発揮できるポテンシャルを持ち合わせています。

 

ADHDの人は、低覚醒がメインで、自分の方に注意が向けられず、ぼんやりしています。主な症状としては、普段からぼーっとしていて、注意・集中が困難です。全く片付けができず、時間の見積もりが甘く、遅刻が多くなります。一方、覚醒度が上がっていくと、過敏になり、心拍数が上がり、多動性(過活動)や衝動性が高まります。目の前のことに集中しすぎて、他が見えなくなり、活動を続けてしまいます。自分の体の休め方が分からない場合は、活動を続けた結果、夜更かしのせいで朝起きれないとか、エネルギーが尽きて動けなくなることがあります。一日を通して、このような覚醒度の上下があるため、不注意を起こしやすく、疲れやすく、落ち着きがなくなり、不安が高まると居ても立っても居られなくなります。男子は覚醒度が上がりやすいため、多動性や衝動性が見られやすいです。女子は、不注意しかみられない場合もあります。

 

ADHDの知能検査

 

発達障害の診断をつけるため、WAISやWISCなどの知能検査での偏りと、生活全般を困難にしている症状を問診で聞いて、診断をつけていきます。ADHDの子どもは、視覚優位な方が多く、ついつい、興味のわく視覚情報に注意が移っていき、もの忘れや、注意散漫になってしまいます。環境に過敏に反応するので、自分の発達に必要な環境を提供してくれないことに過敏に反応します。一方、作動記憶(ワーキングメモリー)が弱く、複数の聴覚情報を同時に保持することがなかなか出来ません。神経発達の仕方が独特で、人によって体の使い方が異なり、非常に器用な人がいる一方で、手先が不器用な人もいます。

 

ADHDへの心理療法

 

当相談室では、ADHDを投薬で治よりも、自分の身体に注意を向けていく練習を行います。まずは、頭のなかで安心感や望ましいイメージを膨らましていって、体に安心できる感覚を探していくことを行います。次に、自分の好むイメージや苦手なイメージを使い分けながら、神経の働きを変えて、覚醒度を上下させ、体質を改善させます。そして、人間の主体である身体への気づきを深めていくことにより、自分の覚醒度や感情を調節できるスキルを磨きます。最終的には、じっとしていても、安心感を感じて、リラックスすることが目標になります。体の中には莫大なエネルギーが滞っているので、不快な感覚や不快な感情状態に留まり続けて、体の中の爆発的なエネルギーを放出することを繰り返します。このような瞑想を行うことにより、一人でも安心して、落ち着いて過ごせるようにしていきます。さらに、自分に力があるように思えるようにしていきます。

 

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