空想世界への没入傾向

▶解離と空想世界への没入傾向

 

トラウマや神経発達に障害がある人は、現実の絶え間ない変化に対して、常に緊張を強いられていきます。このような特性を持つ子どもが、家庭や学校の環境が悪くなると、現実を苦痛に感じるようになり、不快な感覚、感情に耐えれなくなります。そして、人が苦手になり、集団場面が困難になると、誰も近づいてこないで、人なんて嫌い、苦しい、じっとしていられない、何か縛り付けられているように感じて、どこにも逃げ場所が無くなり、唯一の安全な場所が、夢や空想の世界になります。嫌なことがあるたびに、痛みの伴う現実を切り離して、自分の頭の中で空想して、自分を楽にします。

 

解離した空想世界とは、目に見えない世界で、現実世界とは違って、大きな意味で何もない世界です。想像力豊かな子どもは、そこで想像上の人物を創り上げて、その人と喋ります。その想像上の人物は、自分の理想の投影であり、その人に守ってもらって、慕います。彼らは、想像上の人物に可愛がられて、愛されて、この世に存在しない他者を慕うことで幸せを感じます。自分の空想世界に没入していくことで、自分の心でこの現実世界を感じることから離れていきます。

 

空想世界に没入する人は、小さい時から、自分の居場所がなく、いつもひとりぼっちで、寂しい想いをしていました。心が苦しい体から離れると、フワフワ浮いて、外の世界が見えにくくなり、まるで夢の中で生きているように感じたり、空想世界に入り浸り、心地良さを感じてきました。普段から、ぼーっとしていて、自分の体を切り離して、本や音楽、絵の世界、魔法のある世界、頭の中の空想世界に入り込んで、その世界に没頭します。

 

▶空想世界の暗黒面

 

複雑にトラウマがある人は、身体が凍りついており、さらに捻じれていくような感覚に陥り、過去と現在とが折り重なり、体ごと別の世界に移されたりします。自分の体を現実に残して現実とは異なるあちら側の世界に行きます。そして、自分は現実だと思っていたことが実は夢の世界の出来事で、夢と現実の区別が分からなくなります

 

空想世界に没入する人は、頭の中の生活が続くために、人間の形(ボディイメージ)が消えて、人間らしさが無くなります。外を歩いていても別世界にいるような感覚で、人と話しても、遠くで人の声を聞いている感覚になります。彼らは、解離傾向が高く、自分の身体を所有できずに、時間の感覚が分からなくなり、時間がいつの間にか経っていたという経験をしています。空想に没入する人は、ストレスへの耐性が低く、頭の中で生きるだけになるので、結局、時間を無駄にしていくことになり、何十年も経った後に後悔します。

 

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