ヒステリー球の症状チェックと治し方:ストレスがもたらす心身の異変


ヒステリー球とは、ストレスや心の葛藤が原因で引き起こされる「咽喉頭異常感症」の一種です。この症状では、まるで喉に何かが詰まっているような異物感や、咽頭から食道にかけて圧迫感、不快感が続くことが特徴です。物理的には何も詰まっていないにもかかわらず、心の緊張や不安が強まると症状が悪化しやすく、食事や会話など日常生活にも支障をきたすことがあります。ヒステリー球は、心理的ストレスが身体にどのような影響を与えるかを示す典型的な例であり、心と体のつながりを理解し、対処することが回復への一歩となります。

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ヒステリー球の原因


ヒステリー球の原因には、幼少期からのトラウマや神経発達の問題が大きく関与していることが多いです。これらの要因を持つ人は、体が弱く、常に過緊張と警戒の状態で日々を過ごす傾向があります。不安や緊張、精神的なショックは私たちの体に大きなストレスを与え、その結果、自律神経やホルモンのバランスが崩れることがあります。この状態が続くと、交感神経が優位になり、体が「闘争・逃走モード」に入りやすくなります。

 

その影響が最も顕著に現れるのが、食道付近の筋肉です。ストレスにより筋肉が過剰に収縮すると、食道の内腔が締め付けられ、喉に異物が詰まっているような違和感や圧迫感、不快感が生じます。特に、精神的な緊張が高まる場面では、この症状が強く現れ、食事や飲み込みが難しく感じることがあります。

ヒステリー球の症状:ストレスが心身に与える負担

自分に自信が持てず、周囲の目を気にしてしまうと、嫌なことがあっても相手に合わせていくしかなくなります。その結果、心身に大きな負担がかかり、特に体がきつく感じる時には、喉から気管支にかけて収縮するような感覚に襲われます。この時、喉に異物が詰まったような不快感や息苦しさを感じ、つい咳き込んでしまうことがあります。

 

さらに、固形物だけでなく、お粥やお茶のような液体までも喉に詰まる感覚を引き起こし、ひどい場合には呼吸困難に陥ることもあります。しかし、これは物理的な喉の病気によるものではなく、過緊張や体のこわばりが原因で神経や筋肉が収縮し、喉に炎症が生じるために起こる可能性が高いのです。

 

ヒステリー球を持つ人は、ストレスや嫌なことがあると、体が反応しやすく、筋肉が硬直して凍りつくような特性を持っています。この状態は、自律神経失調症やうつ病、パニック障害、解離性障害、ボーダーライン、更年期障害、過敏性腸症候群、顎関節症、慢性疲労、慢性疼痛など、さまざまな身体・精神的障害を併発するリスクを伴います。

 

特にプレッシャーがかかる場面では、過度の緊張が心臓のドキドキ感や冷や汗、腹痛を引き起こし、頭が真っ白になることがあります。また、喉に詰まりを感じることも多く、体全体が落ち着かず、じっとしていられないような感覚に陥ることも少なくありません。

 

さらに、緊張の影響で唾を頻繁に飲み込む癖がつき、結果としてお腹に空気がたまりやすくなります。その影響で、胸やけ、げっぷ、おなら、胃酸の逆流、お腹の張りといった消化器系の不調も出やすく、場合によってはお腹が不快になることもあるのです。

 

神経学的に見ると、ストレスがかかると体は交感神経が優位になり、過緊張状態に陥ります。この緊張が続くと、背側迷走神経が働き、体が凍りつくような状態になります。この時、特に鼻から口、喉、食道、胸部にかけての社会交流を司る部分が緊張し、圧迫感や違和感が現れます。これがヒステリー球の典型的な症状です。

 

特に息の根を止められるようなトラウマを経験した人は、過去の窒息しかけた体験を身体が記憶しており、手足をばたつかせながら息ができない苦しさとともに、喉元が強く収縮する感覚を覚えています。こうしたトラウマによって、心と体が過度の負担を受けている人は、慢性的にヒステリー球の症状を感じることがあります。

 

幼少期からヒステリー球の症状を抱えている子どもは、自分の感情や思いを表現することが苦手であり、喘息などの呼吸器系の問題に悩まされていることがよくあります。さらに、親のしつけが厳しい場合、食事の際に喉や気管支が収縮し、食べ物が喉を通りづらくなることもあり、結果として痩せ型の体型になることがあります。

ヒステリー球の克服法:心身の凍りつきを解きほぐす


ヒステリー球の治療には、まず自分の心と体がどのように反応しているかを認識し、適切に対処することが不可欠です。ストレスやトラウマが深く関係している場合、その根本原因に向き合うことが回復への第一歩となります。ストレスマネジメントやリラクゼーション法を取り入れ、特に深い呼吸法や瞑想を実践することで、体の緊張を和らげ、副交感神経を活性化させることが有効です。体が本来のリズムを取り戻し、筋肉が緩むと、症状も次第に軽減していきます。

 

さらに、定期的な運動、ヨガ、ストレッチは血流を改善し、こわばった筋肉をリリースするために効果的です。心理的なケアとしてカウンセリングや心理療法を受けることも、特にトラウマ治療に焦点を当てたアプローチが、心と体のバランスを取り戻すために大きな助けとなります。

 

また、自己表現の一環として、アートや音楽、書くことなどの創造的な活動を取り入れるのも有効です。これらは言葉では表現しきれない感情や内なる葛藤を解放し、心身のストレスを緩和する手段となります。さらに、家族や友人、専門家のサポートを受けることで、孤独感や不安感が軽減され、心の安定が促進されます。適切な距離感を保ちつつ、安心して感情を共有できる環境を整えることも、症状の改善に大きく寄与します。

 

ヒステリー球は、身体的な症状であると同時に心の深い部分に根ざしていることが多いため、心身両面にアプローチすることが回復には不可欠です。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室 

論考 井上陽平

 

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