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HSP・人一倍敏感な人の特徴


HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)は、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロンの提唱した概念です。生得的な特性として、高度な感覚処理を持つ、人一倍敏感な人という意味です。共通してみられる特徴は、音、光、匂い、人混み等の刺激に対して敏感で、普通の人より強く反応する人のことを言います。HSPの人は、警戒心から、周囲のたくさんのことに気づいて、気が散りやすい傾向があります。進化生物学的に言えば、危険を察知する感覚が他の人より強く、危険な状況に遭遇した時の対処能力が高く、意識が外に向き、頭の中で過剰な情報処理努力をされていることが特徴になります。一方、小さい頃から、環境側の刺激が強すぎるため、脳は危険を感じ、身体は過緊張や凍りつき、離人状態になり、身体の痛みや不快な感覚を切り離さずを得なくなり、疲労が蓄積され、身体症状や精神症状に苦しむかもしれません。

 

HSPという概念は、心地良く、知りたい情報と思われるところがありますが、どちらかというと危機迫るものにより、意識が外に向き、頭の中で生活するようになり、身体を凍りつかせて、複雑に考えるようになった状態と言えます。この特性を持った人の背後には、PTSDや愛着障害、解離性障害などの幼少期のトラウマや逆境体験、発達障害の傾向、生活全体のストレスからくる過剰同調性という見方もできます。また、生まれ持った特性というよりは、様々な要因(胎児期トラウマ、誕生時トラウマ、早産児や低出生体重児、化学物質の暴露、医療トラウマなど)から、身体にトラウマがあったり、身体が弱かったりして、刺激に敏感になった可能性を考えることができます。

 

HSPには4つの特徴があります。

①深く処理する・・・考え方が複雑で、深く考えてから行動します。

②過剰に刺激を受けやすい(過度な興奮)・・・刺激に敏感で疲れやすい

③感情反応が強く、共感力が高い・・・人の気持ちに振り回されやすく、共感しやすい。

④些細な刺激に対する感受性・・・あらゆる感覚がするどい

この4つが全部当てはまるのであればHSP、逆に全部当てはまなければHSPでないと言えます。

 

HSPの人は、生まれ持った感覚の鋭さや感受性の強さ、共感力が高いため、その人の感情とか言動を読み取り、どういう人かをエンパシーを感じる特徴があります。敏感な特性ゆえに、些細なことでも感動しやすく、小さな幸せを見つけられます。人と繋がる際には、人を癒して、まるで天使のように振る舞い、周りの人に敏感に合わせることができます。そして、自分を犠牲にして、親や友達、先生の気持ちを先回りして読み取り、喜ばせようとすることにエネルギーを使います。しかし、本人は、どこか自分というものが無くて、好かれようと猫をかぶる自分が嫌で、不幸な運命を辿りがちです。

 

一般に、HSPの人は、あらゆる刺激に対して、敏感に察知して、周囲に応えようとするあまりに疲れやすいです。一日を通して、神経が外に向くために、感覚器官に負荷がかかり、情報処理が過剰になるために、無理をすると、エネルギーが切れてしまいます。そして、感覚過敏ゆえに、苦手な刺激を曝されると苦痛を感じ、その刺激を回避できない場合には、自律神経が乱れて、体調が崩れます。日常生活の中で、公共交通機関の電車やバス、学校、会社の周りの人の言動に敏感に反応してしまうために、苦手な場所になるかもしれません。苦手なことを続けなければならない場合は、ストレスや緊張が高まり、疲労が蓄積されて、食欲不振や睡眠不足が続き、身体が不調をきたして、症状が複雑化します。さらに、逃げ場がなく、不快すぎる状況が続くと、身体がガチコチに凍りついて、罪悪感や自責感、過去の後悔、未来への不安にとらわれ、うつを患うことも多いです。長期に渡って、感覚過敏やストレス、睡眠不足が続くと、原因不明の身体症状が現れ、慢性疲労症候群、線維筋痛症、化学物質過敏症、電磁波過敏症、解離性障害、慢性疾患になりやすいと言われています。

 

HSPの子どもは、HSCと呼ばれており、もともと大人しく、親や大人たちが大きすぎる存在に見えて怖くなり、この世界に怯えています。その大人たちに良く思われようと過剰に奉仕し、良い子でいることが自分に脅威が向けないための防衛になります。また、HSPの感受性は、生存を優位にするための危険を感じ取る能力と言えます。脳と身体の神経は、常に脅威を遠ざけておきたいので、周囲を絶えず警戒しており、頭の中で情報を集めて分析し、自分の身を守ろうとしています。あらゆる刺激に対して、過敏に身体は反応してしまうため、痛みを感じて、興奮しやすく、イライラしたり、しんどくて動けなくなったりします。幼少期から、世話をする大人に対して、自分の感情を抑制して、一生懸命に振る舞い、小さい子どもなりに理性脳をフルに使って、ご機嫌を取りながら、行動の順序を考え、誉めてもらおうと努力しています。しかし、子どもは良い子でいなければならないくらいに、親に問題がある場合には、親の本性が分かってくる頃に失望して、一転して親嫌いになるパターンも多くみられます。

 

HSPの特性があって苦しんでいる人は、その苦しみは、今起こったものではなくて、子どもの頃からの身体に弱い箇所があり、感覚が研ぎ澄まされて感じやすい気質のために生じています。相手の気持ちを先取りしすぎるあまりに、心が繊細で、打たれ弱く、人や言葉が怖くて、人生それ自体が見えない刃物と同じで、とんでもなく鋭いものと捉えているかもしれません。また、あまりに感じやすいため、途方に暮れて泣いているかもしれません。HSPの人は、水が欲しければ変色して、機嫌が良ければ青々と茂る植物のような繊細な心を持っています。人一倍敏感で傷つくから、対人関係を怖がり、暗く大人しくなってしまって、安定している人を羨ましく思っています。年齢を重ねるにつれて、暗く大人しい自分が嫌になり、明るいふり、強いふりをして、本来の自分の感覚に蓋をして生きていくか、人を避けて、本音や本当の感情を出さずに、妄想や空想に耽っていきます。

 

発達障害や身体の未熟さがあって感覚過敏な人がいますが、HSPの過敏さとアスペルガー症候群の過敏さの違いは、HSPの人は、小さい頃に自分の身体に敏感な時期があり、その影響で、共感能力がとても高くなり、他人の気持ちを推測し、その場の空気を読みすぎて疲れてしまいます。アスペルガー症候群の人は、生まれ落ちた時から、ボディイメージが弱く、身体内部の感覚を感じる取る能力が低いため、他人の感情や感覚に同調するよりも、自分視点の自己中心的な世界にいます。また、HSPの人と幼少期の逆境体験からくる過敏さの違いは判別しにくいでしょう。それは、子ども時代に逆境体験を受けた人も、脳があらゆる刺激に敏感に反応するようになり、幼少期にPTSDになると、脳のフィルターが機能しなくなるために、感覚過負荷の状態になります。あとは、子どもが養育者の不安、強迫観念、過敏さをモデリングすることにより、感覚過敏になっている人もいると思われます。

人一倍敏感な人の対処法


人一倍敏感な人は、神経が繊細で、内臓や筋肉が危機を感じて、崩壊への不安があり、頭の中に情報がたくさん入ってきて生きづらくなります。普通の人より、希望を持ち、無防備になることもありますが、そのたびに恐怖し、恥をかき、自己否定して、絶望に落ちてきました。日常生活のなかで、無理をしていると、体がもたなくなるので、生活習慣の見直し、体のケア、常識に囚われずに楽に生きれるようにしていきましょう。

 

▶視覚過敏

視力が悪い場合、度数が強い眼鏡をかけるのではなく、意識的に度数を下げた眼鏡を使用します。はっきりと見えすぎることを避けましょう。よく見えすぎたら、まぶしく感じたり、見えすぎる世界が心地悪く感じたりするので、ぼーとした、ほどほどに見える世界が良いです。物理的にものが見えることと、詩的な世界観から、美しくない現実を見たくありません。人の顔とか、表情とか、見なくていいようにしましょう。

 

▶聴覚過敏

同居人の声などがうるさいと感じるとき、物音が嫌な時など、その音を発している人に、ダイレクトに静かにしてほしいと伝えましょう。例えば、イヤホンを使って音楽を聴いてほしいなど、そのことによって問題が解決するのなら、他人にお願いをしてみるのも解決法になります。物音をうるさいと感じる感じ方は、ひとそれぞれなので、他人にはわかりません。

 

▶嗅覚過敏

飲み物や食べ物の匂いを敏感に感じます。水の匂い、添加物が入った食品などの味に敏感に反応して、食べなくなります。それらを避けるために、オーガニックの食品に興味をもったりしましょう。

 

▶日光の恐怖症

女性に言えることです。美意識が高い女性は、何よりも日焼けを嫌がります。肌へのダメージ、老化、黒くなるなどをさけるために、日焼けの対策はとても労力を必要とします。そのために、日光の恐怖症のようになる女性もいます。極端に日光を避けて、全身をカバーして、日焼け止めを大量に使用しましょう。

 

▶皮膚の過敏

日焼けにも関わりますが、使用する化粧品などにも敏感になります。皮膚が弱いために、すぐに炎症がでるので、刺激が少ない化粧品、オーガニックの製品を選びましょう。

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凍りつく人の特徴

凍りつくトラウマがある人は、小さい時から、親子関係で悩み、家の中では、息を潜め、足音を立てずに、聞き耳を立てた生活をしています。