境界性人格障害の方との接し方

▶境界性人格障害の方との接し方の17項目

 

境界性パーソナリティ障害の方との接し方をまとめています。境界性パーソナリティ障害からの回復には、友人や家族との楽しい時間を過ごす、瞑想、カウンセリング、睡眠をしっかりとる、体に良い食事をとる、スピリチュアルなどが良いです。本音を語れる対等の関係で、自分の思ったように過ごせる相手と過ごして、苦手な相手との関係は極力避けるようにしましょう。そして、足までが温まるような幸せな体験をすることで、尖りきった神経の働きを少しずつ緩まり、安心して眠れるようになり、穏やかな自分の戻ることが回復の道のりになります。

 

境界性パーソナリティ障害の人は、トラウマが身体の中に閉じ込められているため、原始的な防衛操作が延々と作動しています。そして、今では、こころや精神までもが複雑に組織化された防衛反応のなかにすっかり染まっています。彼らは、敵か味方か、白か黒かで決めつけ、敵意を見せることで、自分を守りますが、それだけこころや身体は、刺激に対して傷つきやすい状態にあります。そして、自分を守らないと、しばしば現実場面でトラウマの再被害に遭うことが本当に起きます。彼らは、他者の視線や言葉に恐怖し、こころは痛くて苦しくて、身体は見えない刃物で突き刺されているかのように感じていたりします。生活全般が困難になり、恐怖が強まると、現実よりも妄想の世界に生きるようになり、自己否定や怒りが大きくなります。彼らに接する人は、善意や思いやりの気持ちとか、ごく普通に関わっているつもりですが、すぐに彼らの健康を害してしまい、不満を言われて、拒否や拒絶に遭います。彼らと接する人は、彼らの拒絶的な態度に怒りを露わにし、仕返しをすることがよく起こります。その場では、許し合って仲直りが出来たとしても、無意識のうちに不気味な仕返しをして、仕返しをされるという(支配-服従)関係に陥っていきます。

 

1)できることとできないことをはっきりさせる

境界性パーソナリティ障害の人は、極度の人間不信から、相手を自分の思い通りに動いてほしいと操作します。思いやりのある人や、孤独で愛情に飢えている人ほど、不幸な生い立ちの境界性パーソナリティ障害の人になんでもしてあげようと思います。そうすると、彼らは、なんでもしてくれると思うので、距離が近くなってきます。距離が近くなればなるほど甘えと依存から攻撃的になり、手に負えなくなります。まずは、できることとできないことをはっきりさせましょう。無償の愛の奉仕はとても良いことだと思いますが、相手が利他的でないと確実に燃え尽きてしまいます。

 

2)気持ちを理解しようとする

境界性パーソナリティ障害の人は、興味のない人には冷たいですが、大切な人に対しては全力で頑張ってくれます。また、大切な人に自分のことを分かってほしいと思っており、分かってもらえないことに悲しんでいます。その悲しみが怒りとなり、揉め事は多くなりますが、できないことなど指摘し合って、お互いの気持ちを理解ていくことが大切です。そうした積み重ねが二人の絆を強くします。

 

3)強すぎる見捨てられ不安

境界性パーソナリティ障害の人は、居場所が無く、フラッシュバックや慢性的な空虚感、身体の麻痺などを体験していたりします。恋人の連絡が遅いと心配になり、その心配が過去のトラウマ(また居なくなる恐怖…)と折り重なることで扁桃体が刺激され、ストレスホルモンが高まって、怒りの感情に変わります。連絡はできる限りマメにしてあげてください。あとは、愛情を込めた手紙を事あるごとに渡してあげるのも良いと思います。

 

4)冗談が通じない

境界性パーソナリティ障害の人は、身体の麻痺や痛み、胸が潰れる思いを抱えていて、神経質で情緒不安定で、怒りっぽく、心が狭く、自分にも他人にも厳しい傾向があります。基本的に、冗談が通じず、言ったことをそのまま受け取りますので、言葉を考えて使う必要が出てきます。

 

5)言葉が凶器になりかねない

境界性パーソナリティ障害の人は、何気ない一言が刃物のように突き刺さり、フラッシュバックを起こしかねません。たとえば、どんなに自分に優しくしてくれていても、一言が気に入らなければ、すべてが台無しになって最低な人間にしか見えなくなります。彼らは言葉一つ一つに敏感ですので、かなり気を使って関わる必要があります。

 

6)扁桃体に直接働きかける

境界性パーソナリティ障害の人は、扁桃体がすぐに危険を察知して反応しやすく、情動脳は働き続け、ストレスホルモンを送り続けています。この扁桃体を鎮めるには、誰かの力を借りる必要があります。まずは、彼らが親密な人との関係で、穏やかに楽しく快感を追求することが出来るような場面に焦点を当てます。そして、支援者が相手の表情や行動から、感情を察知し、その内的状況に相応しい言葉と表情を返すことで扁桃体の機能はゆるやかに変化します。このような身体の芯から楽しむボトムアップ体験を一緒に繰り返すことにより、トラウマを再体験しつづける過覚醒症状は次第に軽減されていき、穏やかに過ごせて眠れるようになります。

 

7)激しい怒りから生き残る

境界性パーソナリティ障害の人は、些細なことで認知的フラッシュバックを起こしていたりします。認知的フラッシュバック中は、左脳があまり働いておらず、出来事を客観的に分析して、物事に対する注意や認識力に欠けるので、怒りを感じたり、恥をかいたりすることを何でも相手のせいにしがちです。そのため、感情のコントロールできずに激しい怒りをぶつけてしまったとき、そばにいる人が仕返しをすることなしに、生き残れるかどうかにかかっています。

 

8)やりたいことに取り組んでもらう

境界性パーソナリティ障害の人が自分の好奇心の赴くままにやりたいことに取り組み、未来を思い描くことで、自分の過去と決別し、再び生きるという感覚を取り戻せます。そして、身体に染み付いたトラウマ記憶から抜け出すことが可能になります。そばにいる人はそのあと押しをしていく必要があります。

 

9)覚悟を持って接する

境界性パーソナリティ障害の人のそばにいるなら気長に穏やかに変わらない態度で見守る必要があります。また、慢性的な空虚感や感情のコントロールの難しさ、身体の不調、恐怖心、生きていくことの苦しさを十分に理解し、こちらの思いを話すよりも、静かに注意深く話を聞いていき、ポイントになる言葉に反応し、気持ちを汲み取るようにしましょう。

 

10)自分と似たような魂を持っている人に惹かれる

境界性パーソナリティ障害に人は、自分の分身のように感じられたり、自分自身にとてもよく似た存在として感じられる人との一体感を求めています。自分と似ている人との一体感により、苦しみが分かるようになるので、努力するようになり、精神性も高まり、安心感を得ることができます。もし、彼らのそばにいようと思うなら、同じような救いようのない悲しみを抱えているか、理解していく必要があります。また、常に努力を続けられるような高い精神性や聖性が求められます。

 

11)多面性の悪い面も許容する

境界性パーソナリティ障害の人は、子ども時代に過酷な環境で育っています。その過酷さから生き残るために、自分自身を変性意識状態に置いて、恐怖や生活全般の困難を避けています。また、子どもの頃の不幸を回避するために努力しており、多面性を持ち合わせています。天使の部分は、ご機嫌で優しく愛情深いので支援者の自己愛を満たしてくれます。一方で、悪魔の部分は、些細なことに苛立ち、不機嫌で人を脅すなど恫喝し、幸せそうに笑う姿が憎くてたまらないと感じて、甘えや依存といった特性に嫌悪感を持っています。彼らのそばにいるなら悪い面も、それは過酷な環境を生き残ってきた能力の証として受け止める必要があります。

 

12)身体に優しいヨガやダンス、マッサージが有効

トラウマ体験により、命の危機に瀕した体験は身体の感覚として残り続けていて、身体は耐え難いトラウマと同一化しています。特に、性被害に合われた方は身体を悪い対象として見なすので、身体に優しいヨガやダンス、マッサージを受けることにより、心身のバランスが取りやすくなります。

 

13)学術、芸術、武道、スポーツで怒りを発散する

虐待や過干渉などにより、養育者に良い子を強要されていると、子どもは高いパフォーマンスを出さなければなりません。持続的な緊張とストレスから、体は闘争・逃走反応にすっかり染まっていきます。しかし、良い子で居続けなければならないので、正常な怒りや自己主張は妨げられています。このような抑圧された怒りは、過食行動や自分に好意に向けてくれて、なんでもしてくれる対象に向かいがちなので、仕事、学術、芸術、武道、スポーツなどの適応的な方法で発散できるようにサポートしましょう。

 

14)3つの約束事

境界性パーソナリティ障害の人は、子どもの頃から今に至るまで複合的なトラウマを抱えていると言われます。これ以上、傷つけないように、状態を悪くしないようにするために、支援者は3つの約束事を守る必要があります。①嘘をつかない。②裏切らない。③見捨てない。を守りましょう。支援者が守れないと再トラウマ化してしまって、外傷の再演が起こり、激怒や身体の凍りつき、ぞっとする思いをさせることになります。

 

15)愛情を注ぐ

境界性パーソナリティ障害の人は、たくさん抱きしめられたり、頭を撫でられたり、愛情表現をされたり、母や父親の代わりになってあげて子ども扱いされることを喜びます。たくさんの愛情を感じることで全身にエネルギーが駆け巡り、冷たく硬直していた身体が温かく解きほぐされます

 

16)デート中は

デート中は、気分転換のドライブに連れて行ってあげたり、好きな食べものやお菓子、ぬいぐるみを一緒に探しに行ってあげてください。複雑なトラウマを負っている人は、あらゆる刺激に過剰に破壊的に反応してしまうので、体調を常に気にかけてあげたり、身体を休めてあげる心配りをしてあげてください。また、辛いことを思い出す話題をしたり、元恋人の話をしたり、異性と楽しそうに会話したりするのは避けましょう。自分の思い通りに過ごせて、身体が幸せな体験を重ねることで、この病から解放されます。

 

17)不快を避けて、快適に

境界性パーソナリティ障害の人は、警戒心が強く、顎、首、肩、胸の辺りを緊張させて身構えています。頭の中は、外の世界の対象が快適か不快かをアセスメントしています。不快な対象に対しては、回避しようとしますが、向こうの方が近づいてくると闘争・逃走モードのスイッチが入ります。快適な対象に対しては、接近しようとするので、関係を続けていくことができます。

 

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