> > 理想の家族というのは

理想の家族というのは


理想の家族というのは、本来、無条件の愛情を与えてくれる「背後からそっと自分を守ってくれるお守り」や、「ガーディアンエンジェル」のような存在です。

 

それらは言葉で言い表されるものではなくて、その安心・安全感に包まれて、自分の全てを受け止めてくれて、自らの身体をもって、ホットしたときに体感できるものです。それは自分の全部を肯定してくれて、共感してくれます。

 

幼少期の子どもは、前頭葉の発達が未熟であるために、一般にイヤイヤ期と呼ばれる時期を迎えます。この頃には、親の言うことに反発し、気に入らないことがあれば泣き叫び、暴言を吐くといったことを繰り返します。また、2歳、3歳の頃は、体を動かせるようになるので、動きたい、走りたいなどの自分の欲求通りに動かしたいという自我が芽生えてきます。エネルギーを持て余して動きまくり、最もわがままな頃ともいわれますが、この頃に、親が子どもの言動を受け止めて、子どもの脳が十分に発達するのを促すことができれば、子どもは安全感に包まれて育っていくことが出来ます。

 

このように、子どもにとって家族というのは、本来、成長の過程を見守ってくれるものでなくては、十分な安心感のもと成長するのは難しいと言えます。

 

幼児期に悪いことをしても、怒るだけではなくて受け入れてもらえるという経験は、子どもにとっては、自分を受け入れてくれて守ってくれる存在が出来ることになります。それが親であると、子どもがこれから先の人生を送る上でも、最も安心で安全な場所があるという確信につながります。社会に出て、他者に理解してもらえない場合でも、幼少期に親が自分を許容してくれた安心感があれば、傷つくことなく前に進めます。

 

逆に、親が自分のことを理解してくれないと感じた場合には、家庭の外で自分を受け入れてくれる存在を探そうとします。ただ、無条件で自分を受け入れてもらったという経験がないと、自分は他者から受け入れられるか不安になり、自分に自信が持てなくなります。また、自分にとって最も身近な親の理解を得られないことは、何を行うにしても、精神的な重荷となってしまう可能性があり、心は折れやすくなります。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

論考 井上陽平 

 

▶ネット予約 ▶電話カウンセリング ▶お問い合わせ