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幼少期の子どもの成長|理想の家族というのは


理想的な家族というものは、言葉では表現できない深い愛情と保護を提供する存在として語られます。それはまるで「背後からそっと自分を守ってくれるお守り」や「ガーディアンエンジェル」のような存在です。

 

これらの比喩は、家族が常に私たちのそばにいて、私たちの生涯を見守り、時には保護し、何があっても全面的に支持してくれることを示しています。その存在は、言葉で表現するよりも、実際に経験することで理解できます。

 

その安心感や安全感は、具体的な言葉や行動によるものだけでなく、その存在自体から湧き上がってくるものです。それは、自分の全てを受け入れ、支持し、理解しようとする心からの愛情です。自分が困難な状況に直面したときや悲しいとき、その存在があることで体全体で安心感を感じることができます。

 

この理想的な家族は、私たちの全てを肯定し、理解し、共感します。それは私たちの強さと弱さ、成功と失敗、喜びと悲しみを全て包み込み、その全てを見て、受け入れ、愛してくれます。それは言葉以上の絆、言葉以上の愛、言葉以上の理解と共感を私たちに与えてくれるのです。

イヤイヤ期:幼少期の重要な成長段階と親の役割


幼少期の子供、特に2歳から3歳にかけての子供は、一般的に"Iヤイヤ期"と称される、とても特異な成長段階を経験します。この時期、子供たちは自己主張を強くし、親の指示に反抗したり、自分の気に入らない事が起こると大声で泣いたり、暴言を吐くといった行動を見せることが多くなります。

 

子供のこのような行動は、脳の前頭葉がまだ十分に発達していないために起こります。前頭葉は自己制御や決断、理解などの高度な認知機能を司ります。しかし、この年齢の子供は、それらの機能が未発達であるために、自分の感情をうまくコントロールできないのです。

 

さらに、この時期の子供たちは、歩く、走る、ジャンプするなど、自分の体を自由に動かすことができるようになります。そのため、自分の欲求に基づいて行動する「自我」が芽生え、彼らは自分のエネルギーを制御できずに、自由に動き回ります。これが、彼らが"最も我儘な時期"とされる理由です。

 

しかし、これら全ての行動は、子供の成長と発達の一部であり、彼らが独立した個体として自己認識を深め、自我を確立する重要なプロセスなのです。この時期に、親が子供の行動を理解し、受け入れることで、子供の脳の発達を助け、安全で愛情に満ちた環境を提供することができます。その結果、子供は安全感の中で健全に成長していくことができるのです。

家族の役割: 子供の安全感を築くという使命


子どもが健全に成長するためには、家族からの保護と愛情が欠かせません。家族という存在は、子どもたちが成長の過程で試行錯誤を繰り返しながらも、その背後で見守り、支え続ける"安全基地"となるべきです。なぜなら、子どもたちはその安全感の中でしか、自分自身の可能性を探り、新たな挑戦を行う勇気を持つことは難しいからです。

 

例えば、幼児期において、子どもが何か"悪いこと"をしたとき、単にその行為を叱るだけでなく、その行為を通じて子どもが何を感じ、どのように考えて行動したのかを理解し、受け入れることが大切です。このような親の反応は、子どもにとって「私が何をしても、私自身は受け入れられ、愛される存在だ」という信念を形成する重要な要素となります。

 

この親からの受け入れがれ、保護される経験が子どもにとって、「自分は安心で安全な場所に存在する」という確信を生み出します。そして、これが社会に出て、理解や受け入れを得られない状況に直面したときの精神的な防波堤となります。幼少期の親からの許容と受け入れの経験があることで、子どもは他者から理解されない状況に遭遇したときでも、傷つくことなく、自分自身を信じて前に進む力を持つことができます。

親の理解の欠如が子どもの自己肯定感に与える影響


一方で、親が自分の感情や思考を理解してくれないと感じた子どもたちは、家庭の外で自分を受け入れてくれる人を探すようになるかもしれません。しかし、自分が無条件で受け入れられるという経験がない子どもたちは、他人から認められるかどうかについて深い不安を抱くことが多いです。その結果、自己肯定感が低く、自分自身に自信を持つことが難しくなります。

 

さらに、自分の感情や考えを最も理解してくれるはずの親から理解を得られないと感じることは、子どもたちにとって大きな心理的ストレスとなります。これは、どんな活動を行うにせよ、重い心の荷物として常に存在し、その心は壊れやすくなるでしょう。つまり、子どもたちは、親からの理解や受け入れの欠如が、自分自身の弱さや不安定さを生み出す一因となると感じることがあります。

 

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

論考 井上陽平 

 

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