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スキゾイドパーソナリティ障害


 第1節.

シゾイド、スキゾイドパーソナリティ


スキゾイドパーソナリティ(シゾイドパーソナリティ)障害者は、対人恐怖症や発達障害、回避性パーソナリティ障害と似ているところはありますが、全く違うところは、外の世界や対人関係に興味・関心そのものが薄いところです。スキゾイドは社会的に孤立していて対人接触を好まず、感情の表出が乏しく、何事にも興味関心がないように見えるという性格特徴を表す言葉です。また、スキゾイドは、シゾイドと呼ばれることもあります。スキゾイドの症状としては、恐怖症、社会不安神経症、解離性症状、離人症、現実感喪失症、原因不明の身体症状、パニック発作などがあります。スキゾイドの行動としては、対人関係を避けて、引きこもりがちです。

 

対人コミュニケーションにおいて、視線や表情、姿勢、発声、覚醒、呼吸、情動などの情報処理の仕方は、その人の性格傾向を見ていくうえで重要な項目になります。スキゾイドの表情は、物静かで乏しいとか、喜びを感じたりしないとか、情緒的な冷たさがあるとか、よそよそしく、平版で無関心な表情をしていると言われています。また、スキゾイドの身体は強い緊張状態で、ぎこちないロボットのような動きを見せたりします。この身体のぎこちなさは、人生のどこかで体と心が危険に曝されてきた痕跡であり、ドロドロとした感情に蓋をして、自らを守ろうとしているとか、自らの攻撃性が他者を破壊しないようにしているように見えます。さらに、手足などの身体感覚は麻痺していることが多く、不器用なので皆と同じことがしづらく、過去の失敗体験にとらわれ、あまり何も感じないようにして生活しています。

 

スキゾイドの原因としては、発達のアンバランスさ、生まれ持った資質の弱さ、虐待やネグレクト、医療トラウマ、発達早期のトラウマ、学校社会のトラウマ、母子関係のこじれ、生活全般の困難などが様々なことが影響しているのではないかと考えています。スキゾイドの心性は、一般の方から、障害をお持ちの方の間には境界線が引けず、グラデーションで繋がっています。すなわち、健康な方でもスキゾイドの心性を持っています。スキゾイドの特徴は、アスペルガー症候群の方と似ているところがあります。発達障害は、脳の中枢神経系のアンバランスさがあり、脳の機能障害という見方があります。スキゾイドは、脳の中枢神経から体の自律神経系が通常とは違う働きをしており、原始的な神経の働きが優位で、社会交流するための神経が育っていません。発達の早い段階から、心身に解離、分裂が見られるのがスキゾイドの特徴です。

 

一般的に、スキゾイドの方は、愛する者と共にいることが難しく、愛する者と関係を持ちたいという初期の切望がトラウマ的に妨げられています。つまり、子ども時代に希望が失われています。子どもが本来持つ、母親を求める対象愛の部分よりも、スキゾイドは対象愛を憎む部分が、日常生活の大部分を担っていて、社会に対して無関心か、批判的です。また、親しい者と関わるとしんどくなり、相手を飲み込んで失う恐怖やその相手に飲み込まれてしまって自分を失う不安があります。あとは、視線をあまり合わせないとか、身なりを気にしないなど発達障害の症状と類似しており、識別が難しいと言われていますが、彼らは、相手の心が分からないというよりは、集団場面で様々なことに傷つき、人に悪意を向けられないように、できるだけ目立たず、社会的な関わりを避けて引きこもっている状態です。

 第2節.

身体に残されたトラウマの痕跡


スキゾイドの方は、様々な外傷体験を負っており、幼い頃に降り積もった痛みが身体の中に埋め込まれています。その痛みの部分は生き延びようとして、他の地球上に存在するものと同じようにその人の身体の中で生き残ります。そのため、様々な外傷を負った子どもは、喉が弱い、喘息、腹痛、頭痛、吐き気、アトピー、アレルギー体質、鼻炎、手足の痺れ、感覚麻痺などの症状が現れます。

 

人に悪意を向けられたり、想定外の事が起きると、身体がビクッと反応して、喉が苦しく、息が止まって、身体に痛みが出てきます。痛みが成長していくと、痛みが自分になっていき、本来の自分に取って代わろうとします。自分が心と身体の痛みに取って代わったならば、身体は過剰に覚醒した状態に切り替わり、人に痛みを負わせたり、もっと痛みを欲するようになります。しかし、スキゾイドの方は、自分が誰かを破壊してしまう恐怖をもち、また誰かに傷つけられることを恐れているので、自分を思考に偏らせて、身体は死んだような状態で過ごしています。

 

スキゾイドの方は、ふとした瞬間に人から悪意を向けられることが怖く、身体は緊張していて、相手の意に沿わないと恐ろしいことが起こると思っています。嫌なことが蘇ると、身体はすぐに凍りついていくため、他者と情緒的な関係を築くことが難しいです。そして、相手を意図を予測して動きますが、自分の思い通りにいかないことや予測が出来ないことが起こるのではないかと恐怖し、思わぬことが起こると身体中に痛みが走ることあります。いつもリスクを考えて生きていて、周りに合わせないと生きていけないと思っており、複雑な社会の中でどうやって生きていけばいいかが分かりません。

 

スキゾイドの方は、敏感で打たれ弱くて、いろんな刺激に振り回されてしまって、すぐに落ち込み、頭の中でクヨクヨといつまでも悩んでいます。人や社会と関わることがストレスになっており、自分を取り繕って周りに気を使いすぎるため疲れています。大人になった今では、うまくいかない昔の自分が憎らしく、社会に対して苦手意識があります。そして、自分のことだけしか考えられない人間ばかりがいる社会と関わりたくないと思っています。

 

スキゾイドの方は、家族を含めて、親密な関係が鬱陶しくて、世間体も気にせず、ひとりでいることを望んでいます。身体の方は死んだような状態なので、モチベーションが沸かなくて、生きる意味がどうしても見つからず、かといって人生に妥協できません。頭の方は生きる意味がどうかとか、死ぬことなど考え続けていて、批判的な結論に辿り着いていく傾向があります。

 第3節.

シゾイド・スキゾイドの精神力動論


精神力動論では、シソイド・スキゾイドは自我がその人の体の中へと引きこもり、外界と接触を持たない状態と言われます。外の世界の人々と繋がろうとする力は抑制されており、他者と繋がるときに生じる欲望や興奮、攻撃性を子どもの頃から危険に感じていて、抑圧されています。そして、内的には分裂が存在し、ある部分が人間関係を抑制していて、根底には、孤独感や恐怖を抱えています。ユング派的には、ヌミノースなエネルギーが脆弱な自我を支えています。そして、ヌミノースが作りだす防衛的ファンタジーの世界にすっかり魅了されているので、外の世界の人々と繋がりが失われています。

 

スキゾイド・シゾイドパーソナリティは、アメリカの精神分析学者ドイチェが記載した「かのような性格」があります。一見正常で、適応的な行動をとるようにみえるが、実は表面的な順応状態を繰り返しているだけで、他者と深い安定した情緒的関係を発展させることができていません。

 

スキゾイド・シゾイド論(分裂病質論)の基本的枠組みは、フェアバーンから、英国対象関係論のガントリップに引き継がれています。対象に対する憎しみや怒りが、愛の対象を破壊してしまうのではないかという非現実的・妄想的な不安と罪悪感が抑鬱を生み、それに対する防衛としての分裂および理想化、投影、同一視などの防衛機制が活発な人格構造と、その基礎に働く力動的特徴を包含する概念です。 「愛が対象を破壊する恐怖」に加えて、ガントリップは「自己喪失」の恐怖に注目しています。自己が対象を貪欲に破壊してしまう恐怖と、その対象に飲み込まれてしまう恐怖は、並行関係にあります。

 

スキゾイド・シゾイド(分裂病質)人間はそのために対象とのかかわりそのものを危険なものとみなし、そうした関係から引きこもろうとします。しかし内的には引きこもっていても、表面的には相手や場面に応じて、態度や心のあり方を順応させる見せかけの同調によって、人との葛藤を回避する場合があります。このような場合は、自己と対象に関する分裂があるといえるでしょう。見かけのうえでは順応していても、内面では離人感、空虚感がいつも漂っています。この概念は、ウイニコットのいう本当の自己と偽りの自己は発達の早期に生じる人格の基本的分裂と捉えてみてもよく、これが著しければパーソナリティの障害なると考えることができます。

 第4節.

スキゾイドパーソナリティ障害の診断基準


スキゾイドパーソナリティ障害は、DSM-Ⅳ-TRは次の診断基準のうちの少なくとも4つ以上を満たすことで診断される。

  1. 家族を含めて、親密な関係をもちたいとは思わない。あるいはそれを楽しく感じない
  2. 一貫して孤立した行動を好む
  3. 他人と性体験をもつことに対する興味が、もしあったとしても少ししかない
  4. 喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても、少ししかない
  5. 第一度親族以外には、親しい友人、信頼できる友人がいない
  6. 賞賛にも批判に対しても無関心にみえる
  7. 情緒的な冷たさ、超然とした態度あるいは平板な感情

 

参考文献

Deutsch, H. 1965 "Neuroses and Character Types" ,Int.Univ.Press

小此木啓吾 1980 『精神分析論』(現代心理医学大系,第1巻B1b),中山書店.

狩野力八郎 1988 『性格の障害』(異常心理学講座,第5巻),みすず書房.

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

更新:2020-06-17

論考 井上陽平

 

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スキゾイド/シゾイド

スキゾイドの方は、発達早期の外傷体験により、人格構造に致命的な欠陥があります。体に痛みがあるので、自我を分裂させて、これ以上、傷つきが大きくならないように偽りの自己が組織化されています。

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発達障害の身体性

発達障害の方は、この世に生まれ落ちたときから、ゆっくりのんびりができずに、絶えず緊張に曝され、神経発達や生体機能リズムが通常とは違う形で成長していきます。心と体がアンバランスに成長します。

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スキゾイドちゃん

スキゾイドの特徴を持つ女性は、人間関係を築くのが難しく、他者といてもしんどくなり、無意味なことが嫌いで、他者との表面的な繋がりに意味を見出せませんが、孤独を内に秘めています。


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解離性障害の特徴

解離性障害の方は、空間と時間を変容させ、現実に遠のいたり、近づいたりとすることできるので、現実の世界と夢の世界、現実の世界と空想の世界、また、その中間の世界を渡り歩くことができます。

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セルフケアシステム

一度トラウマ防衛が組織されると、外の世界との関係は全てセルフケア・システムに遮られる。更なるトラウマへの防衛として意図されたものにより、この世界でのそれほどくったくのない自己表現も大きな抵抗に遭う。

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回避性の恋愛は

回避性パーソナリティ障害者は、新しい出会いがあり、ロマンティックな夜を過ごしたあと、相手が興味をもってくれたのにも関わらず、それ以上関係を続けることが難しくなります。