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スキゾイド・シゾイド論


スキゾイドの人々は、この世界を生き生きとして感じることができません。スキゾイドの人は、対人関係が苦手で、過緊張状態にあり、ぎこちなく生きて、人とゆっくり気楽に過ごすことができません。家族や親密な関係性を持とうとはせずに、一貫して孤立した行動を好みます。また、風変わりなところはありますが、日常生活をあたかも正常かのように過ごしています。しかし、慢性化した外傷の影響から、背後に深刻な問題があり、複雑な感情や人格構造に断裂があります。

 

スキゾイドパーソナリティ障害は、イギリスの精神分析家フェアバーンの研究が有名です。その後、精神分析家のウイニコットは、スキゾイド・シゾイドパーソナリティのことを、自我を分裂させ、偽りの自己が組織化されており、環境側の失敗、つまり母親が子どもの自我をうまく支持してやれなかったことに起因して生じていると述べています。つまり、これ以上が傷つきが大きくならないことへ向けての組織化であると考えています。

 

スキゾイド・シゾイド防衛の人は、子どもの頃から、親の働きかけに反応が乏しく、自分の欲求を外部に働きかけることがありませんでした。自閉症やアスペルガー障害にも似ていますが、発達障害の子どもは、親に僅かながらでも愛着を持っているのに対して、愛着そのものが作られていません。自分の感情を押し殺し、感情的な反応が乏しくなり、親しい関係を持とうとはせずに、たんたんと生きて、他人に何も求めません。

  

スキゾイドの人は、小さいときから身体が弱く、発達早期のトラウマの再演に陥っていて、肉体は、逃れられない苦痛の中にいます。彼らは、原始的な神経の働く不動状態にあり、息がしづらく、血の流れが悪く、皮膚の痒みや手足の痺れなどあるかもしれません。身体に痛みや不快感があって、それらを麻痺させていて、思うように動かない心身の機能のせいで、周りと同じ行動ができず、無力感に打ちひしがれて、希望をなくしています。学校の中では、人から悪意を向けられることを恐れており、目立たないように、息を潜めていますが、心のうちは並々ならぬ正義感や感受性を抱いています。人から悪意を向けられると、蛇に睨まれた蛙のように固まっていきます。

 

スキゾイドの人は、人格構造に致命的な欠陥があります。人の視線や気配が怖くて、石のように固まるか、麻痺するか、心身の機能が一部制限されます。人と目を合わせて話すことが難しく、侵入される恐怖や侵入してしまう恐怖があります。自分のプライバシーが脅かされることが、なによりも大きなストレスになります。自分という自己存在の不安があり、自分が自分であるという領域に誰も入ってきてほしくありません。人にどこまで甘えていいか、信頼していいかもわからず、一人でいるほうが楽なので、人とは深く関わらずに、表面的な関りになります。

 

スキゾイドの人は、原始的防衛操作の中にいて、社会の人と交流するシステムが活性化していません。小さい時から、ストレスと緊張で副腎に負担がががり、身体の疲労感、怠さが半端ないです。身体の感覚は麻痺していて、感情も鈍磨し、戦うエネルギーがありません。酷い場合には、操り人形のように命令して無理やり身体を動かしたり、足が焼け焦げた棒のようだったり、身体の中心は凍りついています。原始的な神経が延々と作動しているので、自分が金魚鉢にいる金魚のような感じで、この現実世界が狭くて息苦しく、衰弱傾向にあります。

 

小さいうちから、身体が麻痺して、心の発達が止まっています。そして、自分のアイデンティティやジェンダーの概念が希薄で、アセクシャルな部分があります。学校の中では、周りに合わせて演技することがしんどく、無理したところで疎外感を感じます。社会人になってからは、週5の就業をこなし、都市型生活を送るだけのエネルギーがありません。会社組織の狭い空間に閉じ込められそうなのが怖く、自分が疲弊していくのが分かっています。また、恋愛をしたり、家族を持ったりすることに興味や関心がほとんどありません。身体は虚弱体質になっており、とても疲れやすく、何事も諦めることが条件付けられています。表情にはほとんど変化がなく、他人に無関心で、軽い離人感や心の中に籠って生活しており、人間関係が面倒くさいです。

 

治療法としては、原始的な神経の働きにより、不動状態にあるので、やや負荷をかけながら、瞑想やヨガの訓練を行います。外からの刺激に過敏で、身体は麻痺していて、とても疲れやすく、硬直状態にあることを利用し、自発的に自分の身体に負荷をかけることで、自然治癒力を引き出していきます。また、身体の硬直を少しずつ取り除くことで、呼吸しやすく、血の流れも良くなり、内臓や筋肉に安心感が出てきて、心身の健康を高めることが可能です。スキゾイド、シゾイドの防衛の人は、発達早期のトラウマの影響が強いため、神経系の働きを社会交流システムに変える身体志向アプローチが有効です。また、対話を通したカウンセリングでは、人間関係が苦手という特徴から、問題解決能力を高めて、生きやすい方法や生きる意味を模索していきます。

スキゾイド・シゾイドのチェック項目


①内的には分裂が存在していて、無邪気で傷つきやすい子どもの部分は成長できず、批判的な大人の部分とペアを組んでいます。

②ちょっとしたことでも打たれ弱くて、心は繊細に反応し、すぐ元気が無くなり、いつまでも思い悩んでいます。

③親密な関係性を持たず、恋愛感情が湧いてこず、孤独な状態を望んでいます。

④利己的な人間が多い社会と関わりたくありません。社会人になっても、仕事の量や人間関係に疲れて、様々な心身に症状が表れます。

⑤人の悪意に気づくことを恐れています。また、人に悪意を向けられることに怯えがあり、悪意を向けられないように生きてきました。

⑥人間嫌いです。この世界に批判的で、ドロドロした感情があり、滅んでしまえばいいと思っています。

⑦天才肌で孤立しやすいです。

⑧緊張が高まる場面では、喉が苦しくて、息がしづらいです。お腹の中は気持ち悪さがあります。

⑨都市型の生活は疲れやすく、人混みが苦手で、家でオンラインゲームをしています。年齢を重ねるほど、その傾向が強くなり、アクティブさが減ります。

⑩人や視線、気配、音、匂い、光などに過敏です。些細なことも不快に感じやすいです。

⑪世間体を気にせず、他者の評価に無関心です。他者から干渉されることを嫌い、完全な孤独は嫌ですが、孤独を楽しみます。

⑫生きる意味がどうしても見つからず、希死念慮を抱きます。

⑬喜怒哀楽を出せず、平坦な感情や超然とした態度でいます。

⑭親にたいしては、無関心か鬱陶しいと思っています。信頼できる他者がいません。

⑮環境が八方塞がりな状況になると、大うつ病になりやすいです。

⑯自分にいくつもの仮面を張り付けて、自分の身を守っています。

⑰人を避けて、奇異なところがあります。

⑱ひとりぼっちで、黒いブラックホールに吸い込まれそうな恐怖があります。

⑲体が麻痺して筋肉が伸び切っているか、ガチガチ固まっています。

⑳お腹が調子が悪かったり、胃腸がグルグルと活発に動いたりします。

㉑トラウマかうまれつき神経発達に問題があり、神経や免疫系、内分泌系に異常があります。

㉒元気がなく、粘膜が弱くてに口が切れたり、身体の節々が痛かったり、皮膚が弱いです。

㉓辛くても周囲に助けを求めることなく、期待することなく、身体を切り捨ててきたために、アイデンティティやジェンダー概念がないです。

㉔もともと身体が弱くて、喘息やアトピー、高熱、胃腸炎、吐き気など、身体に不快な感覚があります。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

更新:2020-06-18

論考 井上陽平

 

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