回避性人格障害の特徴

▶回避性パーソナリティ障害の特徴

 

回避性パーソナリティ障害の人は、仕事や学校、恋愛などの生活に支障をきたします。原因としては、生まれ持った資質の弱さ、神経発達の問題、自分に自信がなくて怖がりな性格傾向、生活全般の過度なストレス、親子関係や過去の人間関係のこじれ、発達早期のトラウマになっていることが多いと言われています。子どもの頃から、親や学校のなかで拒絶された経験をしていることが多く、自分は拒絶される存在なんだと主観的な確信を持っていることがあります。また、理不尽な環境のなかで、人間同士の衝突を恐れており、問題解決することなく、逃げてきました。人間関係を回避すればするほど、次に人間関係を持とうとしても、恐怖の方が増大されているため、回避性の人格を形成していくことになります。一般的に、プライドが高くて、対人場面で怒られること、恥をかくこと、傷つくこと、嫌われること、失敗することを避けようとしていて、他者の批判をうまく処理することができません。また、ひどい痛みから自分を守ろうとして自己愛的に引きこもっています。対人場面においては、不安が高まり、欲求充足のための子ども返りとか、逃避的な空想に耽る傾向があります。人と距離が近くなり、感情が揺さぶられると、胸が苦しくなり、息がしづらくなって、身体に様々な反応を出てしまいます。心の奥底では、もう二度と傷つけられたくないという思いでいっぱいで、新しい人に対して心を開くことができません。たとえ新しいことを始めようとしても、不安や動揺の方が強くなり、焦りから、どうしていいか分からなくなると、おろおろしてしまって、その場にいられなくなり、続けていくことが難しくなります。そして、本当にやりたいことや好きなことに取り組むことが出来ずにいます。さらに、いつも迷いがあり、過去の選択を後悔し、思い悩んでいて、悲しい気持ちで過ごしており、なかなか行動に移すことが出来ません。

 

こころは繊細で神経質でストレスを感じやすく、すぐにクヨクヨと悩んで、嫌な記憶ばかりが思い浮かびます。脳は警戒心から自分の理性よりも戦うか逃げるかの反応をしてしまいがちで、過覚醒や感情を抑制しようとして、身体が絶えず緊張させられています。と同時に、自分の興奮や怒りの感情をコントロールできなくなることを恐れていて、人前に出ることが怖くなります。そして、生活全般のストレスにより、過覚醒や強い感情が喚起されるような状況では、麻痺が規定値の反応になります。つまり、著しい覚醒や感情が揺さぶられると、それを抑制しようとして、胸が苦しく、涙が出てきて、呼吸が早くなりますが、あまりに負荷がかかり過ぎると、背側迷走神経複合体が主導権を握ります。原始的な神経が働きが強くなることで、呼吸がしづらく、手足に力が入らず、生き生きとした世界が枯渇して、うつや解離、麻痺、不動化、体調不良などの活動性が低下していきます。神経回路が改変されることにより、人前で話そうとしても、すぐに言葉が出てこなく、分かりづらい話し方をしてしまいます。さらに、人前で話そうとすると動悸が激しくなり、手が震えたり、汗をかいたり、話す内容を忘れたり、頭が真っ白になったり、身体が硬直したり、脱力したり、パニックになることがあります。とても混乱しやすい状態で、不快なことや予想外の出来事が起きると、様々な身体症状が現れて、極度の緊張から動けなくなることもあります、最悪の場合は、仕事や学校に行こうとしても身体の方が動きません。親や周りの人は、自分に甘いとか、努力が足りないとか、引きこもることを責めますが、本人は自分の状態を理解してもらえず、生きることが面倒くさくなります。その結果、自分を無力だと思い、思考力や意欲や自己評価が低下し、生活全般の困難に対して逃避的になります。また、人間関係そのものが煩わしくなっていき、人目につかないようにして、自分は何もすることができないという諦めが条件付けられていきます。本人のなかでは、前向きに頑張ろうとする気持ちはありますが、一方で、逃げられなくなる状況が怖くて、無気力で逃避的で、意欲が湧いても長続きせず、自分の内側に引きこもろうとすること自体が生き残りの戦略になっていて、その間を行ったり来たりします。回避性パーソナリティ障害の人は、対人恐怖や自己肯定感の低さに加えて、神経系の働きが改変されていて、体調不良になりやすく、とても疲れやすいので、自分の努力や意志でなんとかなるものではありません。その一方、寝て起きて、身体を動かさず、家にじっとしているほうが本人にとって、楽なのでそうしています。

 

▶回避性パーソナリティ障害の支援

 

緊張する場面では、身体内部の違和感や不安、動悸の激しさ、ストレスの高まりとともに、交感神経が過剰に働き、逃げ出したくなります。また、不安や恐怖が高まると背側迷走神経が働くことで、頭が真っ白になったり、お腹が痛くなったり、気分が悪くなったり、涙が出たり、身体が動かなくなったり、自分は何もすることができないという諦めが条件付けられていて、活動性が低下しています。そのため、交感神経と背側迷走神経の働きが高まっている状態から、腹側迷走神経に働きを変えることにより、麻痺や引きこもりの状態から、社会交流システムを活性化させます。技法としては、マインドフルネス瞑想や、呼吸法、身体志向アプローチを組み合わせて、ストレスや覚醒、情動に対して適切に対応できる範囲を広げていきます。そして、胸が潰れそうな思いと心地よい思いの間を行き来して、身体の仲良くなることで、痛みがありきたりの痛みに変わり、日常生活の困難に耐えられるようになります。また、カウンセリング空間がホームベースとして機能し、二人の共同作業の中で、愛着システムを活性化させ、安定した愛着関係が経験できるように支援します。

 

▶回避性パーソナリティ障害のまとめ

 

①恥をかかされたときの自己愛憤怒を恐れており、そうした感情にならないように、また、そうした場面を回避しようとします。

②プライドは高いですが、自己評価は低くて、とても傷つきやすく、怖がりな性格で、他者に批判にされたり、嫌われたりするのが怖くて、うまく感情を処理することができません。

③恐怖心から警戒心や緊張が強く、疲れてしまいます。感情が著しく覚醒させられるような状況では、麻痺が規定の反応になっているため、身動きがとれなくなり、そんな自分のことが嫌いで、日常生活の大部分を弱くみじめな無能的自己が担っています。

④生活全般の困難に対して逃避的で、人目につかないようにしています。生活全般の困難や人間関係を回避すればするほど、自分は何もすることができないという諦めを感じていきます

⑤自己存在感が希薄で、自分には価値がないと感じており、どうせ嫌われてしまうとか、友人はいずれ自分から離れていくという不安があります。

⑥新しいことを始めようとしても、デメリットばかり考えてしまいます。不安や動揺が強くなると、迷ってしまって、焦りから、オロオロしたり、ビクビクしたり、どうしていいかも分からなくなります。

⑦緊張する場面では、交感神経が働き、逃げ出しくなります。また、背側迷走神経が働くことで、身動きが取れなくなったり、話すことが上手にできなくなったり、体調不良が起きたりします。

⑧人間関係が深まり、距離が近づけば近づくほど、感情が揺さぶられます。その場の空気が悪くなると、胸が苦しくなり、涙が出て、過呼吸やパニックを起こすことがあります。

⑨原始的なレベルでは、いまだ安全だと気づいておらず、逃走、闘争、凍りつき、機能停止等の状態に共鳴したままです。未解決なトラウマの部分は、切迫した状況と選択肢に迫られ、怯え、震えています。

⑩本当にしたいことや好きなことに取り組むことが出来ず、悲しい気持ちで過ごしています。また、どうやって生きていけばいいのか分からず、言葉や行動に出せません。

⑪新しいことを始めようとしても、自信が無かったり、不安の方が大きくなって、逃げたくなります。

⑫もう二度と傷つけられたくないという思いでいっぱいで、新しい人に対して心を開くことができません。

⑬怒られるのが苦手で、自分は無力で弱いと感じており、戦うことも、自分から自発的に何かをしようとする意欲もなく、敗北型の人生を歩んでいます。

⑭人間関係が親しくなって、自分を理解してくれそうな人や距離を近づけてくれる人が現れると、取り返しのつかない恐怖が蘇り、気持ちが爆発しそうになって、胸が苦しくなるので、距離を取ったり、人間関係を切り離したりします。

⑮自分の考えや判断に自信がなく、人に目を気にして、うわずった喋り方をしてしまいます。

⑯精神的負担を減らすことで注意を向けており、できるだけストレスのない空間で過ごしたいとか、苦しいことを避けたいと思っています。

⑰今までの人間関係は、やられ役が多く、他者に虐げられた経験をしています。たとえ、いじめっ子にやられても抵抗せずに、じっとしているほうが楽だということを学習しています。

⑱他者に侵入される恐怖が常にあるため、自分の境界線をどこに引くのかを意識的に考えていて、表面的な関係しか持てません。

⑲痛みや恐怖に敏感で、適切なバランスや関係性が分からず、自己愛的に引きこもることで自分の身を守ります。

⑳具体的な問題解決があるのに、気にいらないからと選びません。また、他者から差し出されるものは拒んでしまいます。

㉑自分の人生を振り返ると、良い記憶をあまり思い出せなくて、悪い記憶の方が思い出されます。

あらゆる人間との関係は危険を伴うものだと認知されていて、危険から逃げたいとか、危険を避けることで生き延びようとしています。

子どもの頃から、逃げる場所がなくて、こころや身体は悲惨な状態にありました。今は、職場や学校、恋愛など社会的場面が怖くて、回避することで自分を守っています。

㉔自分に自信が持てないため、自分が選んだことに自信が持てず、間違った方向にいっていないか心配になり、オドオドしています。そのため、苦手な状況回避することによって、安全を確保しようとします。

㉕自分の意見が言えなくて、我慢するばかりで、人に対して直接怒れず、主導権は相手が握っています。

㉖もともとは一人遊びが好きで、一人だとのびのび過ごせて、プライベートな時間を邪魔されたくないと思っています。自分のことで精一杯で、エネルギーが足りない場合は、人間関係が面倒くさいと感じています。

㉗失敗したらダメだと思いながらも、何度も人生に失敗してきて、挫折感を抱いているので、願いは叶わないと、諦めています。

㉘快感を求めて活動しようとするよりも、不快さのほうが強く残っているので、危険を感じやすく、なかなか実行に移せません。

㉙内向的な性格で、外に意識を向けると気を使ってしんどくなるので、深く自分の内側の世界に入っていきます。

㉚他者との成熟した人間関係を作り維持する社会的技能を欠いており、不適切で無力な行動をとりやすいです。

㉛他者の気持ちに無関心で鈍感であったり、警戒していたり、受け身的であったりして、他者との間に距離を置き、表面的な関係しか持てません。

㉜相手に好意を向けれられても、自分のことが嫌いなので、それに気づこうとしなかったり、怖がったり、嫌いになったり、自信がなかったりします。また、自分が好意を持つと苦しくなります。

㉝自分の思い通りにいかないことや予測できないことが起こると、身体の方がビクッと反応して、痛みを伴うことがあります。

㉞頭の中はいつもリスクばかり考えていて、予想外のことが起こることを心配しています。予想外のことが起きてしまうと、落ち着きがなくなり、居ても立っても居られなくなります。

㉟気分は落ち込んだり、悲しんでいたりして、活動しようとする意欲が湧いてきません。

㊱視線や対人恐怖がある場合には、人に見つめられたりすると、身体は過度に緊張して、呼吸がしづらく、胸が苦しくなるので、人間関係を避けようとします。

㊲夫婦や親子間に問題があり、子どもの頃から、不満を持ち続けながらも、現実の問題に背を向けてきました。

㊳感情や覚醒度の調整不全から、体の内側に不安があり、自分をコントロールできないことを恐れて、相手との距離を置きます。

些細なことでも不安やストレスを感じてしまい、繊細で、神経質です。

㊵不確かな現実を見ることが辛く、動かしがたい他者との関係に問題があります。

問題に直面したときに、欲求充足のための子ども返りとか、逃避的な空想世界に没入する傾向があります。

子どもの頃から、親や学校のなかで拒絶された経験があり、自分の拒絶される存在であることの主観的確信があります。

 

▶回避性パーソナリティ障害の診断基準(DSM-5)

 

(1)批判、非難、または拒絶に対する恐怖のために、重要な対人接触のある職業的活動を避ける。

(2)好かれていると確信ができなければ、人と関係をもちたがらない。

(3)恥をかかされる、または嘲笑されることを恐れるために、親密な関係の中でも遠慮を示す。

(4)社会的な状況では、批判される、または拒絶されることに心がとらわれている。

(5)不全感のために、新しい対人関係状況で抑圧が起こる。

(6)自分は社会的に不適切である、人間として長所がない、または他の人より劣っていると思っている。

(7)恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、個人的な危険をおかすこと、または何か新しい活動にとりかかることに、異常なほど引っ込み思案である。

(以上の基準の四つ以上を満たす必要がある)

 

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