回避性人格障害の特徴

▶回避性パーソナリティ障害の特徴

 

回避性パーソナリティ障害の人は、仕事や学校、恋愛などの生活に支障をきたします。原因としては、生まれ持った資質の弱さとか、親子関係や過去の人間関係がトラウマになっていることが多いと言われています。基本的に、対人場面で怒られること、恥をかくこと、傷つくこと、失敗することを避けようとしていて、他者の批判をうまく処理することができません。対人場面においては、不安が高まり、欲求充足のための子ども返りとか、逃避的な空想に耽る傾向があります。また、警戒心から自分の理性よりも戦うか逃げるかの反応をしてしまいがちで、過剰な覚醒や感情を抑制しようとして、身体が絶えず緊張させられています。と同時に、自分の興奮や怒りの感情をコントロールできなくなることを恐れていて、人前に出ることが怖くなります。そして、生活全般のストレスにより、強い感情と葛藤が喚起され、それを抑制しようとするあまりに負荷がかかり過ぎて、背側迷走神経複合体が主導権を握り、生き生きとした世界が枯渇して身動きがとれなくなります。神経回路が改変されることにより、人前で話そうとしても、頭が真っ白になって混乱しやすいので、うまく話せず、極度の緊張から動けなくなり、仕事や学校に行こうとしても身体が動きません。親や周りの人は、引きこもることを責めがちで、本人は自分の状態を理解してもらえず、生きることが面倒くさくなります。その結果、自分を無力だと思い、思考力や意欲や自己評価が低下し、生活全般の困難に対して逃避的で、人間関係そのものが煩わしくなっていき、自分は何もすることができないという諦めが条件付けられていきます。本人のなかでは、前向きに頑張ろうとする気持ちもありますが、一方で、無気力で逃避的な部分も強く、その間を行ったり来たりします。

 

▶回避性パーソナリティ障害の診断基準(DSM-5)

 

(1)批判、非難、または拒絶に対する恐怖のために、重要な対人接触のある職業的活動を避ける。

(2)好かれていると確信ができなければ、人と関係をもちたがらない。

(3)恥をかかされる、または嘲笑されることを恐れるために、親密な関係の中でも遠慮を示す。

(4)社会的な状況では、批判される、または拒絶されることに心がとらわれている。

(5)不全感のために、新しい対人関係状況で抑圧が起こる。

(6)自分は社会的に不適切である、人間として長所がない、または他の人より劣っていると思っている。

(7)恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、個人的な危険をおかすこと、または何か新しい活動にとりかかることに、異常なほど引っ込み思案である。

(以上の基準の四つ以上を満たす必要がある)

 

▶回避性パーソナリティ障害の支援

 

緊張する場面では、不安やストレスの高まりとともに、交感神経が働き、逃げ出したくなります。また、背側迷走神経が働くことで、頭が真っ白になったり、身体が動かなくなったり、自分は何もすることができないといった諦めが条件付けられています。そのため、交感神経や背側迷走神経から腹側迷走神経に働きを変えることにより、引きこもり状態から、社会交流システムを活性化させます。技法としては、マインドフルネス瞑想や、呼吸法、身体志向アプローチを組み合わせて、ストレスに対して適切に対応できる範囲を広げていきます。そして、胸が潰れそうな思いをありきたりな痛みに変えて、日常生活の困難に耐えられるようにしていきます。また、カウンセリング空間がホームベースとして機能し、二人の共同作業の中で、愛着システムを活性化させ、安定した愛着関係が経験できるように支援します。

 

▶回避性パーソナリティ障害のまとめ

 

①恥をかかされたときの自己愛憤怒を恐れており、そうした感情にならないように、また、そうした場面を回避しようとします。

②自己評価が低くて、とても傷つきやすく大人しい一面があります。

③対人場面では警戒心や緊張の高まりから、過覚醒となりますが、本人はその状態を恐れており、日常生活の大部分を弱くみじめな無能的自己が担っています。

④生活全般の困難に対して逃避的で、自分は何もすることができないという諦めを感じています。

⑤自己存在感が希薄で、自分には価値がないと感じており、他者の批判をうまく処理することができません。

⑥仕事や学校、恋愛などの生活場面から引きこもりがちです。

⑦緊張する場面では、交感神経が働き、逃げ出しくなります。また、背側迷走神経が働くことで、身動きが取れなくなったり、話すことが上手にできなくなります。

⑧不安が強くなると、欲求充足のための子ども返りとか、逃避的な空想に没入する傾向があります。

⑨原始的なレベルでは、いまだ安全だと気づいておらず、逃走、凍りつき、機能停止等の状態に共鳴したままです。未解決なトラウマの部分は、切迫した状況と選択肢に迫られ、怯え、震えています。

⑩あらゆる人間との関係は危険を伴うものだと認知されていて、危険から逃げたいとか、危険を避けることで生き延びようとしています。