カウンセリングについて

▶カウンセリングとは

 

カウンセリングについてご存じない方も多いと思われますので、トラウマケア専門『こころのえ』相談室にて行っているカウンセリングについて説明します。

 

カウンセリングとは、相談するという意味であり、依頼者の抱える個人の心理的問題、悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行われる相談業務のことです。通常は、心理相談室で心理学的立場からの専門家と定期的に相談することを言い、カウンセリングを行う者をカウンセラー、カウンセリングを受ける者をクライエントと呼びます。カウンセリングは、心理療法や精神療法と呼ばれることもあります。

 

カウンセリングには、様々な方法があります。カウンセリングの基礎理論としては、ロジャーズの来談者中心療法で説明されることが多いです。その中のカウンセラーの傾聴の3条件、「無条件の肯定的配慮」「共感的理解」「自己一致」が有名です。

 

一般に、心理相談室で行われるカウンセリングではカウンセラーからの具体的なアドバイスによって目の前の現実の問題を直接的に解決していくものではありません。カウンセラーは問題や症状のメカニズムを明らかにして、見立てを持ってカウンセリングを行いますが、問題解決のための正解とか答えを持っているわけではありません。明らかにした問題や症状に立ち向かうのはその人本人であり、カウンセラーは、解決する方法を一緒に考えるお手伝いをさせてもらいます。

 

カウンセリングでは、自分の思っていることを何でも遠慮せずに話すことで、心身への効果も期待できます。また、カウンセラーが質問したことを、クライエントは答えていくことになるので、カウンセリングを通して、細かく自分の経験が言えるようになります。そして、今ここでの体験していることが新しい体験と結びき、古い行動パターンから新しい行動パターンに変化します。

 

カウンセリングは、同じカウンセラーによって週1回以上(時間や金銭的に余裕のない方は、2週間に1回)行われます。1回の面接時間は60分~90分(前半は対話、後半は瞑想)で、毎週同じ時間に同じカウンセリングルームで行います。カウンセリングを行う空間は、隠された領域への旅を可能にして、地中深くに埋もれた真実を探求する場になります。費用は自費で健康保険を用いることはできません。カウンセリングの期間はケースバイケースですが、通常半年以上はかかるのが普通です。カウンセリングを継続することにより、初めて自分と向き合うことが可能になり、人生をより良く生きれる土台になるでしょう。

 

日本では、カウンセリングを受けることに対して、お話を聞いてもらうだけでお金を払うのはもったいないと抵抗を感じる方が多いと思います。そのため、損得勘定で見てしまうと、合理的ではなく不合理なように感じるかもしれません。しかし、当相談室のカウンセリング料金は適度な設定ですし、自分のお金を支払って、自分のお話を聞いてもらうという不合理さこそが、人生において重要な役割を持ちます。一般的に、人は不確かなことや予測できないことを避けて、合理的に判断しようとしますが、それはただ機械的に生きているだけで、空っぽな身体になる可能性があります。たとえ不合理であっても、自分を追い込んで仲間のためにとか、自分のために行動できるかが人生において決定的に重要になるでしょう。人は不合理さや不確かさのなかでも耐え忍んで、長くやり抜くことで、物事を多面的に見れるようになり、本当の主体が露わになります。カウンセリングでも、長い時間をかけて、自分に向き合い、自分のことを語っていくことで、こころが育っていき、より良い人生を生きれるようにしていきます。

 

▶当相談室で行われる心理療法について

 

初回は、相談に至った経緯や主訴、成育歴、家族構成などを話して頂きます。また、こころと身体の状態をアセスメントしていきます。2回目は、希望によりロールシャッハ・テストや描画テストなどの心理検査を行うことが出来ます。また、変わりたいとか改善したいことに焦点を当てて、その人の実情に合わせたより柔軟な方法(自由に思いついたことを話すオーダーメイド式カウンセリングやトラウマに焦点を当てたセラピー)で行うことが出来ます。基本的に、心理療法は自分のペースで進めていくもので、自分がペースを決めて行います。

 

当相談室の心と体のアプローチ

STEP1 自分の思いついたことを正直に、誠実に、隠し事なしにお話しする。

STEP2 自分の心と体のバランスを確認する。

STEP3 呼吸法や漸進的筋弛緩法、安心できるイメージを使って、心と体のリズムを整えていく。

STEP4 心に思い浮かべるイメージから体の状態がどう変化していくかモニタリングする。

STEP5 心と体にエネルギーを貯めて、不確かな人生や逆境を乗り越えられるようにする。

 

当相談室のオリジナルの折衷的心理療法では、最初に、西洋の瞑想と言われる精神分析的自由連想法に取り組みます。自分の思いついたことを正直に、誠実に、隠し事なしにお話してもらいます。自分について語り、自分のことを深く掘り下げていきます。そして、気持ちが溢れそう出しそうになったら、自分の身体の感覚や沸き上がる感情がどうなっているのか、またどのように変化していくのかに気づいてもらいます。しかし、ほとんどの人は、自分の身体の感覚を見ていくことに慣れていないので、内なる声に耳を傾ける練習をする必要があります。まずは、目をつぶり、リラックスした状態に入ってもらって、腹式呼吸をします。呼吸に注意を向けて、集中していくことである種の制限がかかります。この制限は、通常の意識・認識過程から、変性意識状態(トランス)へと導きやすくしてくれます。また、安心できる記憶を思い浮かべて、体内宇宙に浮かび上がるモヤモヤやザワザワを感じ取り、その生理的反応の変化を見つめながら、次に何が起こるのかを見ていきます。

 

ここからは、東洋の瞑想と言われるマインドフルネスやソマティックエクスペリエンス、呼吸法、自律訓練法、漸進的筋弛緩法、イメージ療法、ゲシュタルト療法、ユング派のアクティブイマジネーションを組み合わせて、内なる身体感覚に働きかけます。そして、あいまいな身体感覚と、それと同時に無意識的空想(懐かしい子どもの頃の安心できるイメージ)が浮かんでくるので、その間を振り子のように行ったり来たりします。そして、身体の緊張を解きほぐしていき、物思いに浸りながら思いつくまま自分の思ったことを自由に話して頂きます。セラピストは、話した内容について、相槌や解釈、介入等を行い、対話していきます。そして、自分の身体感覚(内臓感覚、皮膚感覚、筋肉の緊張)、視覚イメージ(絵)、感情、思いつき、行動に対して、意味づけや思考していくことで、自分の物語を肯定的な物語に書き換えていきます。

 

このような東洋と西洋の瞑想を駆使したリラクセーションセラピーを行うことにより、自分の内側に意識を集中させることが得意になり、感情や精神状態が不安定にならずに済むようになります。また、呼吸法や幸せなイメージを使いながら、人間の最も洗練されたシステムの働きを強くすることに、社会交流が促進されます。さらに、身体内部の経験を自覚して、自分の内部で起こっている事と仲良くなることで、理性脳と情動脳をつなげる脳回路が活性化し、一人で安心して落ち着いていられる状態を作ります。そして、自分を外から見る目と内なる感覚に気づく耳の両面を持つことで、自己認識は深まり、本当の自分が生きられるようになります。最終的には、瞑想が深まり、望みを捨てた不動状態に入ることが達成できれば、トラウマによって硬直した身体から、自然治癒力が溢れ始めるので、精神性、身体性、こころの想像力、審美性、自己調整能力が回復し、難しい情動や覚醒状態に対処できるようになり、美しい自分に生まれ変わることが可能です。

 

相談される方は、トラウマという地獄を持っていることがあり、自分のことを深く話していくと、辛いことばかりが思い出されて、体調不良に繋がることがあります。ですから、当相談室では、カウンセリング時間を90分にして、後半はリラクセーションを行うようにしています。

 

▶解離性症状の方には

 

一般の人は、腹式呼吸を行うと、腹側迷走神経複合体が働くため、深くリラックスした状態になり、心地よい感覚と緊張した状態の間を振り子のように行き来することができます。しかし、解離性症状がある人は、過去に外傷体験を受けた時に、身体が硬直し、固まりました。現在でもトラウマという過剰なエネルギーの中に閉じ込められており、身体は硬直していて、衰弱傾向にあります。息を吐くことに注意を向けて、深く深呼吸すると、腹側迷走神経と背側迷走神経が同時に働いて、初めのうちは不安定になることがあります。また、身体に注意を向けていくことで、体の一番弱い部分(喉、胸、お腹など)が詰まるように感じるとか、絞めつけられるような痛みを発して、それを機に身体が硬直していって、嫌な記憶が蘇り、異様な感じに背筋に寒気が走ることがあります。そして、息がしづらくなり、心拍数や血圧が低下し、めまい、ふらつき、吐き気、腹痛、発汗、麻痺、凍りつき、脱力、パニックになることがあります。解離性症状が強い人ほど、覚醒度の耐性領域が狭く、交感神経系が活性化すると変性意識状態になって、離人や解離、眠くなり、覚醒水準の耐性領域をすぐに超えてしまうと、急速に背側迷走神経が働き、原因不明の身体症状に陥ります。このような生物学的メカニズムが働いている場合は、マインドフルネスや呼吸法のパターンを変えながら、変性意識状態に入りつつ、今ここに留まり、様々な変化をゆっくり見ていきます。また、身体やイメージの安全基地をベースにして進めていくソマティックエクスペリエンスの技法の方が適しています。

 

基本的に、外傷体験を負って、長期に渡ってストレスに曝された身体は、トラウマという過剰なエネルギーのせいで、収縮させられています。そして、常に緊張や硬直した状態が続くことで、身体の神経が痛みます。さらに、人から傷つけられるかもしれないという恐怖が重なると、より原始的な神経が働き、痛みや恐怖に支配されます。このような生物学的メカニズムを改善するには、人間本来の収縮と拡張のリズムを取り戻して、自然治癒力を発揮できる状態に持っていく必要があります。トラウマの部分は、念入りに段階を追ってケアしていきます。まずは、心地よい記憶やイメージを思い出してもらって、身体の中に安心できる場所を探します。そして、安心という言葉の意味を心の中で持てて、安心できる感覚を身体の中で見つけます。身体の安全基地を発見できたら、次は頭の天辺から足の指先まで、体内の感覚を見て回ります。身体の部位を一つ一つ見ていくと、緊張や硬直している部分があるので、そこに注意を集中させると、どのようにして自分を守ろうとしているのかが分かり、過去のトラウマが露わになることがあります。そして、身体の内臓感覚や皮膚感覚、筋肉の張りをじっくり味わい、実感を伴わせたうえで、緊張した部位がどう動きたがっているかを想像してもらって、実際に動きたいように動かすことで、緊張状態がほぐされていきます

 

最終的には、自らが意識的に、望みの捨てたときの絶望状態に入っていき、身動きがとれなくなります。この方法を取ることで、自分を支配する強靭の力の作用と相対することができます。身動きがとれない極限の状態から、抜け出るかどうか、身体を動かすかどうかの分かれ道に立たされ、動かそうとすると、収縮と逆の拡張の力が働いて、身体が震え、恐れおののき、熱くなります。凍りついたトラウマが溶けて、全身が収縮と拡張の本来のリズムが戻ってくると、再び自然治癒力が高まり、心身の健康が回復します。このようなセッションを繰り返すことで、交感神経(緊張)と背側迷走神経(硬直、凍りつき、不動化)の状態から、交感神経(緊張)と腹側迷走神経(リラックス)の間を生きれるようにしていくことが目標になりますこのような身体志向アプローチは、トラウマ性の身体症状を取り除き、体質を改善させてくれる効果があります。また、自分の本音をたくさん話して、大きすぎる感情や葛藤を頭の中で整理していく方法の両方を行いながら、全体のバランスが取れるようにしていきます。

 

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