不登校・引きこもり支援

▶不登校・引きこもりの生物学的メカニズム

 

不登校や引きこもりの方は、過去にトラウマを負っていることが多く、恐怖と麻痺(不動状態)という生物学的メカニズムの中に閉じ込められています。例えば、不登校の子どもの場合は、学校に行かなきゃいけないと思っても、登校前にお腹が痛くなるとか、気分が悪くなるとか、足に力が入らなくなります。学校に行こうと焦れば焦るほど、体と心が固まり凍りつき、動けなくなります。心は、行こうと思っていても、体はトラウマという原始的防衛の働きにより、引っ張られているのです。このトラウマによる原始的防衛とは、恐怖を感じたり、強い感情が覚醒させられると、麻痺が規定の反応になり、体が固まり、不動状態に陥ります。そして、トラウマによる原始的防衛にはまり込んでしまった人は、常に緊張状態にあり、呼吸がしづらく、心拍数や血圧が低下し、無理に頑張ろうとすればするほど、体調が悪くなり、エネルギーの低下して動けなくなります。また、腹痛や動悸、パニック、めまい、固まる、麻痺することに対して恐怖していき、さらに、それを引き起こす外界の気配に恐怖して、恐怖がさらなる体調不良や気配過敏、麻痺症状を作り出すので、学校に行くことが非常に難しくなります。このような悲惨な状態にあっても、子どもは親の期待に応えようとして、無理に学校に通っていると、体と心が麻痺していくので、何も感じられないとか、何も考えられないという解離性症状が重たくなります。そうなると、思考がまとまらなくなり、上手に人前で話せなくなったり、楽しいという感情が沸かなくなったり、気分が落ち込んだり、椅子から立ち上がることも困難になることがあります。そして、こころの余裕が全くなくなると、できる限り、ストレスのない空間に引きこもることでしか対処できなくなります。

 

不登校や引きこもりの問題は、親の責任でそうなることもありますが、そうでない場合もたくさんあります。学校や親の問題だけでなく、発達早期のトラウマや不運な出来事、子どもの発達に問題があることも多いです。親が子どもの苦しい世界を理解していって、責めないでいると、子どもの状態も変わっていきます。

 

▶不登校・引きこもりへの対処法

 

不登校や引きこもりの支援では、トラウマという生物学的メカニズムを解きほぐしていく必要があります。カウンセリングでは、対人恐怖や視線恐怖、気配過敏などを取り上げて、身体の緊張している部位に注意を集中させることで、どのように人から傷つけられることを恐れていて、どのように自分を守ろうしているのかが分かり、過去のトラウマの防衛パターンが露わになります。その未解決なトラウマを行動に現して解きほぐしていき、自分の防衛スタイルの認識を深めることで、自分の無意識のうちに取っていた行動をコントロールできるようにしていきます。また、瞑想を行うことで、自発的に不動(麻痺)の状態に入っていきますが、麻痺が緊張や痛みに変化して、心地よさや達成感を味わっていくと、恐怖と麻痺が分離していきます。最初のうちは、理性よりも、身体の生物学的メカニズム(過度な緊張や過剰な覚醒からの麻痺・不動)の方が強いので、緊張-麻痺の間を行ったり来たりしています。しかし、身体とこころに焦点をあてたアプローチを続けていくことで、脳や神経系のネットワークが本来の姿を取り戻していくので、安心-緊張の間を行き来できるように少しずつステップアップしていくことになります。

 

生物学的メカニズムに対を成すのが心理学的問題になります。学校の不登校や気配過敏、対人恐怖、パニック障害、めまいなどで引きこもり状態にある人は、高校を中退するとか、授業についていけなくなるとか、学歴へのコンプレックスがあって、社会人になるための自信を失います。そして、劣等感や恥の感情が強くなるほど、他人と比較して落ち込むため、人目につかないようにして、人生を諦めるように条件付けらていきます。と同時に、自意識が過剰になっていくため、柔軟性や弾力性に乏しく、非常に硬直していて、複雑に組織化されたパーソナリティになっていきます。そのあたりの心理学的問題を紐解いていくのは、とても大変な作業になりますが、セラピストとの対話を通して変えていくとか、楽しいと思える社会的交流の場を増やしていくことが求められます。

 

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