自己愛性パーソナリティ障害の方との接し方

▶自己愛性パーソナリティ障害の方との接し方

 

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自己存在感が希薄で、利己的で、共感性が欠如していて、相手の立場に立って考えられないので、関わる人は利用されるだけされて捨てられるかもしれません。基本的には、自己愛の強い人ほど、自分のことが一番可愛く、自分に甘く、自分の快感や楽しさを追求しており、人を不当に利用して、優越的な地位にのし上がることを考えています。また、対象を求める質が病的なため、極端な行動を取ることが多く、その場その場で生きています。さらに、人前で恥をかきたくない気持ちと人に良く見られたい気持ちが強く、賞賛されたいと思っているので、相手の顔色をとても気にしています。そして、強い相手には、媚びを売り、猫をかぶる一方で、弱い相手には、コントロールして自分の万能的な自己像を構築していきます。

 

(1)恋愛では

自己愛性パーソナリティ障害の人は、狡賢く、平気で嘘をつき、浮気をしたりなど、その行動についての罪悪感はほとんどありません。恋愛においては、見返りを求めて、自分のために相手を愛しているふりをします。また、複数の相手と関係を持っていることが多く、常に有利な立場に居ながら、人間関係をコントロールしていきます。自己愛性パーソナリティ障害の男性は、もともと被害感情が強いので、恋人を加害的でモノのように扱い、傷つけたことに対する罪悪感は薄いです。また、恋人と自分を比較して、自分が上に立つことで気持ちを楽にさせます。そのため、彼らの恋人は、支配ー服従関係に陥りやすく、不幸になりやすいです。

 

(2)自他の区別の無さと共感性の無さ

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自他の区別があまりなく、相手は自分と同じような考え方をしていて、自分の思い通りに相手を動かそうとします。また、共感性に乏しく、自分とは違う他人に合わせることが苦手なので、自分がリーダーになって集団を仕切ろうとします。基本的には、集団場面で自分中心で自分の事ばかり話します。彼らは、集団を自分の手足のように動かそうとして、同調圧力をかけて、自分の空気に沿わない人に敵意を持ちます。また、敵対グループを作り、仲間意識や絆意識をアピールして、リーダーになっていきます。一方、自分を良く見せたいかとか、自分は素晴らしいという誇大妄想を持っているため、チームプレーが苦手で自己中心的な行動を取ります。

 

(3)相手を鏡のように使う

自己愛性パーソナリティ障害に人は、自己存在感が薄く、相手を鏡のようにして自分を映し出します。こちら側が共感的に接すれば、彼らの心は安定していき、穏やかに過ごすことができます。こちら側が誉めれば、彼らの自信は深まり、とても喜びます。こちら側が嫌えば、彼らも嫌いになり、トラウマを植え付けてこようとします。こちら側が弱みを見せれば、彼らも、強がる必要がなくなり、等身大の自分を見せてくるようになります。自己愛性パーソナリティ障害の人が成長していくには、等身大の自分を育てていく必要があります。

 

(4)ターゲットにされると

自己愛性パーソナリティ障害の人は、理想化された対象との幻想的な一体感を求めていて、それが叶わないと、無力化していき、自分が自分で無くなる不安があります。そのため、理想化された対象をめぐる競争では、負けないように必死に頑張り、周りをコントロールすることもあります。そして、彼らは、競争相手(ポジション争い)になる相手を、ライバル視してしつこく粘着してくるようになります。ターゲットにされた人は、こき下ろしにあったり、悪い噂を流されたり、しつこく付き纏われたり、ろくなことがありません。彼らのターゲットになった人は、虐待やいじめ、パワーハラスメント、モラルハラスメント、セクシャルハラスメント、アカデミックハラメントを受けることになり、精神的に追い詰められます。そして、被害者は、うつや情緒不安定になっていき、なかなか誰にも相談できないため、解決の糸口も見つからず、不幸な運命を辿ります。彼らのターゲットにされた場合は、自分の境界を高く設定して自分を守るとか、無視するとか、逃げたほうがいいです。

 

(5)言い争うこと

自己愛性パーソナリティ障害の人とは、言い争うことを避けた方が無難です。彼らは、短気なうえに、目つきが変わる過覚醒の闘争モードに入ってしまうと、相手を打ち負かそうとします。そして、相手を打ち負かして、物事を白か黒かはっきりさせないと気がすみません。実りのある議論にならないばかりか、人格否定されたり、彼らの薄っぺらさや感情の欠落に気づくことになり、時間を無駄にします。

 

(6)負の感情の大きさ

自己愛性パーソナリティ障害の人に嫉妬されないようにしたほうがいいです。彼らは、相手の容姿や服装、能力、育ちの良さなどに憧れる一方で、さまざまなことに妬み、羨みます。生活全般の辛さから負の感情が大きくなると、無意識のうちに相手を傷つけたくなり、危険な行動に走ってしまうことがあります。ターゲットにされた人は、トラブルに巻き込まれて不幸な運命を辿ります。

 

(7)接することの注意点

自己愛性パーソナリティ障害に人は、自己中心的で、狡賢いです。彼らに接する人は、出来ることと出来ないことをはっきりさせて、無理してまで何かをすることは辞めたほうがいいです。一生懸命に何かをやってあげても、見返りはほとんど返ってきません。また、彼らはどんどん厚かましくなっていき、要求のレベルが上がっていきます。そして、相手を自分の手足のように思っているので、自分の思う通りに動いてくれないと怒り出すようになります。

 

(8)逃げることも考える

自己愛性パーソナリティ障害の人と長い時間関わると、疲れ切ってしまうかもしれません。毎日、顔を合わせなければならないなら、ボロボロになる前に逃げ出すことも勇気のある行動だと思います。自己愛性パーソナリティ障害の人と関われば関わるほど、不当に利用されるため、自分の運気を下げていきます。本当の自分の幸せを考えると、自己愛が強い人よりも、利他的な人を友人やパートナーにした方が断然いいのは間違いないです。

 

(9)自己愛性パーソナリティ障害からの脱却

普通に彼らと接していても自己愛性パーソナリティ障害の人を変えることはできません。もし彼らを変えようと思うなら、彼ら以上に強い個性を持ち、影響を与えられるかどうかです。または、彼らが憧れるような強く正しい人間になるとか、理想的な人間になれるかどうかです。さらに、彼らが理想化した対象に対して、闘争モード(自己愛憤怒)が入ることで、傷つけてしまうことが起きます。そのとき、理想化された対象の方が彼らに対して、分かってあげられなくてごめんねという言葉をかけたり、闘争モード(自己愛憤怒)を引き起こした原因は自分の方にあるからと、自分の非や弱点を認めることが重要なポイントになります。そうすることで、自己愛性パーソナリティ障害の人は、理想化した対象を傷つけたことへの罪悪感や自責感、悲哀、償いの気持ちでいっぱいになります。そして、二人の関係(良い自己と理想化され対象)は、バッチリと当てはまるようになるので、対象を求める質が変容し、新しい行動が獲得されていき、自己愛性パーソナリティ障害が良くなっていきます。

 

(10)その他

自己愛性パーソナリティ障害の方と接する人は、自分も相手も安心できるような環境を作ることが重要です。また、自己愛性パーソナリティ障害の人は、内なる子どもの部分が理不尽な大人に捕まえられて、不条理な目にあわされ、無力に打ちのめされた体験をしています。そして、自分だけの使命を持って孤独に戦っているという視点を持てれば、関わり方を変えることができるようになると思います。最初は、彼らの環境を調整しながら、ストレスの原因を取り除いていくことが求められます。また、接する人は、彼らに共感的に波長を合わせていくことで、彼らの断片化した自己がまとまりを帯びていきます。さらに、瞑想やヨガのエクササイズに取り組むと、身体内部、精神内部に注意を向けるようになるので、その流動性をじっくり味わい、生理機能や自己調整能力を強化していくのが良いと思います。

 

▶自己愛性人格障害のチェック ▶自己愛性人格障害の小児期 ▶自己愛性人格障害の末路 ▶自己愛性人格障害の治療 ▶自己愛性人格障害の接し方 ▶自己愛無関心型・過敏型 ▶コフートの自己愛 ▶病理的自己愛 ▶美的葛藤 ▶自己の二重性 ▶HOME ▶電話カウンセリング  ▶お問い合わせ