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自己愛性パーソナリティ障害の接し方


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自己愛性パーソナリティ障害とは


自己愛性パーソナリティ障害者(自己愛性人格障害)は、身体の中にトラウマというハンデがあり、実際は惨めな存在であるために、ありのままの姿で受け入れられず、仮面を被り、偽りの姿でいます。病的な自己愛は、トラウマや神経発達の影響から、自分のことばかり考えてしまう状態にあり、少しでも優位に立って、悪いものを排除し、自分の思う通りに進めていくことで、想定外の事態を避けて、トラウマの脅威からから身を守ります。

 

自己愛性パーソナリティ障害者は、安全感がなく、自己存在感が希薄になっていて、その場その場を生きて、一貫性に乏しく、利己的で、共感性の欠如が見られて、自意識が過剰なのが特徴です。相手の視線や反応には敏感ですが、相手の内面までは理解しようとせず、相手の立場に立って物事を考えられませんません。そのため、関わる相手は利用されるだけされて捨てられるかもしれません。

 

基本的には、自己愛の病理が強い者は、自分のことが一番可愛く、自分に甘く、自分の快感や楽しさを追求しており、他者を不当に利用して、優越的な地位にのし上がることを考えています。また、人前で恥をかきたくない気持ちや他者に良く見られたい気持ちが強く、素晴らしい自分でいるために、賞賛を求めて、相手の顔色をとても気にしています。さらに、対象を求める質が病的で、自分の誇大な理想を投影して、相手に完全性を求めており、自分の思い通りにいかなくなるとイライラします。そして、自分に反した予測不能なことをされるのが嫌で、細かいところまで気にするため、関わる人は疲れてしまいます。あとは、一番強い相手には、媚びを売り、猫をかぶる一方で、弱い相手には、怒りをぶつけるか、コントロールして自分の万能的な自己像を構築していきます。

自己愛性パーソナリティ障害者との接し方19項目

1)自己愛と恋愛すると


自己愛性パーソナリティ障害者は、居場所のなさや寂しさに耐えれないので、秘密が多く、平気で浮気するタイプか、特定の相手に執着するタイプに分かれますが、狡賢く、平気で嘘をつき、その行動についての罪悪感や罪の意識がほとんどないと言われています。彼らは、彼氏や彼女を作るときに、相手の幻想を全面的に肯定して、その場の最適な方法を取っていくので、相手の懐に入るのが上手です。

 

最初のうちは良好な関係が続き、パートナーに期待していますが、価値観の不一致が起きると、幻想が脆くも崩れていって、冷たく当たるようになります。彼らは、恋愛において見た目重視で、相手が綺麗でないと受け入れられず、美醜にこだわり、セックスで自分を元気にします。相手に見返りを求めて、自分のために相手を共感しているふりや、愛しているふりをしますが、本当に他者を愛することができません。また、複数の相手と関係を持っていることが多く、常に有利な立場に居ながら、人間関係をコントロールしています。

 

自己愛性パーソナリティ障害の男性は、もともと被害感情が強く、相手を加害的でモノのように扱い、傷つけていることに対する罪悪感が薄いです。恋愛のパートナーには、完全性を求めており、自分の思い通りに動いて欲しくて、いい相手を連れ歩くことで自分を満たします。また、自分とパートナーを比較して、自分が上に立つことで気持ちを楽にさせます。そのため、支配ー服従関係に陥りやすく、相手は不幸になりやすいです。

2)自己愛と結婚すると


自己愛性パーソナリティ障害の夫は、家族に幻想を抱いており、その期待に応えられない妻や子供を道具やアクセサリーのように扱います。また、家庭よりも、自分の価値を高めるために、職場や社会活動に一生懸命になり、成果を出そうとします。彼らは、不安や警戒心の強さから、物事を先読みする癖があり、日本社会に対して不安があります。仕事の量や経済状況、家事、育児、健康などで不満が高まり、ストレスが溜まっていくと、妻へのあら探しが始まり、相手を馬鹿にすることを何でも言ってしまいます。また、家の中は、自分独自のマイルールがたくさんあり、それらを破られるとすごくストレスがかかるため、妻はそのルールに従うように仕向けられます。また、家庭内のルールに細かいことまで目について、家事や育児をちゃんとできない妻にイライラすることがあります。

 

何十年と結婚生活が続くと、妻に対しての共感性や愛情もなくなり、家のことは極力何もしたくなくて、自分が快適に過ごせるかどうかが重要で、好き勝手なことをしています。お金の管理に厳しく、自分のためにはお金を使いますが、パートナーにお金を使われるのは無駄で、細かくチェックします。

 

自己愛性パーソナリティ障害の妻は、子供を道具やアクセサリーのように扱います。キャリアを求めてとか、女として輝きたいと思っており、しかし、思うようにいかない鬱憤を子どもに晴らします。両者とも外面は善人を装い、他者には親切に振る舞って、注目されて、賞賛が得ることが生きがいになっています。

 

自己愛性パーソナリティ障害のパートナーは、ハラスメント行為を受けながらも今まで一生懸命やってきたので、関係を切り離すことができず、共依存になることがあります。また、相手のどうしようもなさに途方に暮れ、こんな人とずっと一緒に生きてきた、あるいは生きていかなければならないことに絶望します。

3)DVやモラハラの影響


家庭の中で、自己愛性パーソナリティ障害者から、DVやモラルハラスメントが長期に渡ると、パートナは一緒にいるのが苦痛になり、精神的にも肉体的にもどんどん疲労していきます。本来安らぎの場であるはずの家庭が相手を責めて罵るだけの場になり、気が滅入ります。パートナーは、うつや不眠、めまい、頭痛、腹痛、吐き気などの様々な症状が表れます。

4)身体と怒りのメカニズム


自己愛性パーソナリティ障害者は、生活全般のストレスや緊張を抱えており、身体はリラックスしづらいです。嫌悪するものに対しては、身体が敏感に反応するため、傷つきやすいメンタルを持ちます。一般的に、トラウマの影響により、副交感神経の働きが弱くて、安心感が育っていません。そのため、通常の人よりも、新しい変化に弱く、緊張が強まるので、変わらない安心感や穏やかさを求めています。しかし、安心感を求めすぎて、強迫観念が強くなり、周りを巻き込む傾向が出て、人間関係がギクシャクしやすいです。

 

家庭内では、パートナーが自分の思ったように動いてくれないことが、潜在的脅威になります。彼らは、急な事や想定外の事が起きたり、嫌な事をされたりすると、身体的・精神的に強い反応が生じて、痛みや生理的混乱になり、脅威を遠ざけようとする防衛が働きます。。そして、不快な状況では、身体が収縮する反応が出るため、無意識のうちに縮まったものを拡げようとして、自己愛憤怒や強圧的な態度を取り、周りを圧倒しようと振る舞います。

 

彼らは身体の痛みや圧迫感を感じるよりも、相手を罵り、正論をふりかざして、自分の状態を楽にします。また、痛みが伴わないような環境を、先手先手を打って、作り込んでいき、相手を思う通りに動かそうとします。このような身体のメカニズムにより、パートナーはDVやモラルハラスメントを受けることになります。

 

このような関係性を変えていくなら、パートナーの方は、今までの降り積もった感情を一度リセットする必要があります。そして、緊張感が強まる関係性や相手を委縮させている自分の無意識の表情や言葉、態度を自覚します。自己愛性パーソナリティ障害者は、怒りのメカニズムを理解して、身体の痛みや不確実性に耐える訓練を行い、感情の赴くまま行動するのではなく、自分の不適応な行動パターンを意識したうえで生活します。また、相手を巻き込まなくていいようにするため、強迫観念と向き合い、自他の区別をしっかりつけます。

5)自己愛の行動パターン


自己愛性パーソナリティ障害者は、身近な者の気配を感じると、警戒して、身体が緊張し、頭の中でアセスメントします。対象に嫌悪感があると、身体が硬直し、痛みや生理的反応が起きて、怒りや不安、焦燥感に駆られ、最悪の場合は、私が私であるという感覚が消えていきます。

 

彼らは、いつも何かに追われているように感じており、その場その場で最適な解決方法を考えたり、自分に都合の良い筋道を作り出すことに長けています。そして、頭の中は、自分を論理で正当化しており、いつも自分の言い分は正しく、自分の正論に固執します。彼らは、パートナーに対して求めていることは、お互いを高め合えるような関係性や、良いものと悪いものの価値観の一致、穏やかな時間です。一方は、他者から批判されたり、恥をかかされたりすることが苦手です。

6)自己愛の思考パターン


自己愛性パーソナリティ障害者は、身体の中にトラウマという過剰なエネルギーを閉じこめているために、不快すぎる状況が続くと、じっとしていられなくなります。そして、戦うことも逃げることもできない場面にいると、胸が苦しくなり、眉間にしわがより、手足は冷え、緊張が高まり、イライラや全身が凍りつきます。身体が凍りつく過程において、ソワソワ、モヤモヤなど焦燥感に駆られて、動きたくなります。身体が凍りついてしまうと、頭の中が緊急事態モードになり、ネガティブな考えがグルグル回ります。

 

彼らは、身近な状況から、嫌悪するものにとらわれてしまうと、身体の中にストレスホルモンに溢れ返るため、闘争スイッチが入るか、投げやりな態度を取るか、自分の世界に入り込みます。また、長い間、不快なところに留まり続けると、無力や絶望の状態に陥ります。

 

このような特性があるため、病的な自己愛が強い人ほど、不快なことを避けるために、先手先手を打ち、その場その場で考えて、自分の主張を一方的に押し切ることで、問題を解決しようとします。また、普段から、自分を元気にするために、非日常空間にハマり、楽しいことを探しに行くことが大好きです。パートナーの方は、彼らが不快な状況に耐えられないことを理解し、そういうところに長期に渡り、留まらせないように気を使ってください。

7)自己愛の完全主義


自己愛性パーソナリティ障害者は、身体の中に痛みが刻み込まれているために、用心深くなり、完全主義の潔癖症で、神経質な性格です。生活空間の細かいところまで気になり、完璧にしないと不安や落ち着きの無さ、苛立ちが出ます。また、パートナーの見た目の形、髪型、目の形、眉の形など綺麗でないと受け入れられません。さらに、表情、スタイル、服装、仕草など細かいところまで見ていて、美醜にこだわります。

 

彼らは、自分とセンスが合うかどうか、価値観が合うかどうかを考え、付き合い続けるに値するか判断しています。また、悪いものや不確実性に受け入れづらく、常に安全・安心、実益を求めており、損得勘定や目的に沿って動きます。パートナーには笑顔や穏やかでいることを強要して、いいつけやルール通りにコンピュータのように動いてもらいたいと思っています。

8)自他の区別の無さと集団性


自己愛性パーソナリティ障害者は、自分の身体に安心感がなく、相手の感情がもろに入ってきたりします。そのため、自他の区別があまりなく、相手は自分と同じような考え方をしていると思うと安心になり、相手が自分と価値観が違うと痛みになります。そして、相手を自分の思い通りに動かすことで快感を得て、周りを巻き込んで気分を紛らわします。また、自分とは違う他者に合わせていくときつくなるので、自分がリーダーになって集団を仕切ろうとします。

 

基本的に、集団場面では、周りに期待されていると感じて、その場の盛り上げ役になります。人によっては、自己中心的で自分の話したい事ばかりを話して、自分より下の者をおくことで、自分の価値を高めます。一方、その場を盛り下げる奴や空気を読めない奴、自分に敵対してくる奴が嫌いです。リーダーになっているときは、生き生きとしていますが、脇役のときは、そんな自分を受け入れられず、オドオドして小さくなります。

 

彼らは、集団を自分の手足のように動かそうとして、同調圧力をかけていき、自分の価値に沿わない者には敵意を持ちます。また、敵対グループを作り、仲間意識や絆意識をアピールして、リーダーになっていきます。一方、自分は素晴らしいという誇大妄想を持っているため、チームプレーが苦手で自己中心的な行動を取ります。

9)相手を鏡のように使う


自己愛性パーソナリティ障害者は、自己存在感が薄く、相手を鏡のようにして自分を映し出します。こちらが優しく、笑顔で共感的に接すれば、彼らの心は楽になっていき、穏やかに過ごすことができます。こちらが誉めれば、彼らの自信は深まり、とても喜びます。こちらが強気に出れば、彼らは、危険を感じて、攻撃を受けたと捉えます。こちらが嫌えば、彼らも嫌いになり、トラウマを植え付けてこようとします。こちらが弱みを見せれば、彼らも、強がる必要がなくなり、等身大の自分を見せてくるようになります。自己愛性パーソナリティ障害者が成長していくには、等身大の自分を育てていく必要があります。

10)自己愛からターゲットに


自己愛性パーソナリティ障害者は、理想化された対象との幻想的な一体感を求めていて、それが叶わないと、胸が苦しくなり、無力化していき、自分が自分で無くなる不安があります。そのため、理想化された対象をめぐる競争では、負けないように必死に頑張り、周りをコントロールしようとします。

 

彼らは、競争相手(ポジション争い)を、自分を脅かす危険な存在として認識するため、ライバル視して、しつこく粘着してくるようになります。ターゲットにされた方は、こき下ろしにあったり、悪い噂を流されたり、しつこく付き纏われたりして、ろくなことがありません。彼らのターゲットになる方は、虐待やいじめ、パワーハラスメント、モラルハラスメント、セクシャルハラスメント、アカデミックハラメントを受けることになり、精神的に追い詰められます。

 

そして、自己愛のターゲットにされた被害者は、無表情になり、うつや不眠、情緒不安定、体調不良、対人恐怖、解離などの症状を呈して、生きる屍のような状態になることがあります。また、なかなか誰にも相談できないため、解決の糸口が見つからず、不幸な運命を辿りがちです。彼らのターゲットにされた場合は、身近な存在から遠く離れた存在になりましょう。また、自分の境界を高く設定して自分を守るか、無視し続けるか、八方塞がりな状況にいるなら逃げるほうがいいです。

11)自己愛と言い争うこと


自己愛性パーソナリティ障害者とは、言い争うことを避けた方が無難です。彼らは、子どもの頃から、過酷な環境で育っており、間違った親のもとで育ち、押さえつけられるような体験をしてきて、理不尽な目に遭ってきました。そのため、彼らは、支配されることを恐れており、生き延びるためには、彼らなりの正論があります。

 

彼らは、通常の人たちよりも、相手の悪い面に耐えれなく、感情の揺れ動きがあり、猜疑的で細かいところまで気にしているのが特徴です。また、話し相手の矛盾を突くのが得意で、自分の主張を振りかざし、正論を押し通そうとして多弁になります。しかし、話し相手が乗ってくれないと、イライラします。相手が自分を批判し続けて、自分を脅かす存在に見えてしまうと、そのまま目つきが変わる過覚醒の闘争スイッチが入ります。

 

闘争モードに入ると、相手の言ったことに反発し、強圧的な態度で圧倒しようとします。そして、物事を白黒はっきりさせて、相手を打ち負かすまでやらないと、気持ちがスッキリしません。その結果、自己愛と言い争う方は、実りのある議論にならないばかりか、人格否定されて、おまけに彼らの中身の薄っぺらさや感情の欠落に気づくことになり、時間を無駄にします。

12)自己愛の負の感情の大きさ


自己愛性パーソナリティ障害者に嫉妬されないようにしたほうがいいです。彼らは、相手の容姿や服装、能力、育ちの良さなどに憧れる一方で、さまざまなことに妬み、羨み,不満に思います。生活全般のつらさから負の感情が大きくなると、無意識のうちに相手を傷つけたくなり、危険な行動に走ってしまうことがあります。ターゲットにされた人は、トラブルに巻き込まれて不幸な運命を辿ります。

13)自己愛者と接する事の注意点


自己愛性パーソナリティ障害者は、自己中心的で、狡賢く、自分のことしか考えていなく、相手を本当に思いやることができません。彼らに接する方は、出来ることと出来ないことをはっきりさせて、無理してまで何かをすることは辞めたほうがいいです。一生懸命に何かをやってあげても、見返りはほとんど返ってきません。また、彼らはどんどん厚かましくなっていき、要求のレベルが上がっていきます。そして、相手を自分の手足のように思っているので、自分の思う通りに動いてくれないと怒り出すようになります。

14)自己愛から逃げる勇気


自己愛性パーソナリティ障害者と長い時間関わると、疲れ切ってしまうかもしれません。毎日、顔を合わせなければならないなら、ボロボロになる前に逃げ出すことも勇気のある行動になります。自己愛性パーソナリティ障害者と関われば関わるほど、不当に利用されていく場合には、病気を患ってしまって、自分の運気を下げることになります。本当の自分の幸せを考えると、病的な自己愛を持つ利己的な人よりも、利他的な人と共に過ごした方が断然いいのは間違いないです。

15)自己愛性人格障害への対処


健康的な自己愛を持つ方は、社会的な交流のなかで、自分の安心・安全感を獲得して、自分を大切に思います。一方、病的な自己愛の方は、社会のシステムには乗らず、闘争のなかで自分の問題をひとりで解決し、安心感を獲得して、自分に価値があるように思います。 そのため、自己愛性パーソナリティ障害者は、他者と協調するよりも、勝ち負けにこだわるところがあります。パートナーの方は、彼らのトラウマにまみれた闘争の歴史をしっかり笑顔で聞いてあげて、尊重していく必要があります。 

16)自己愛性人格障害の克服


普通に彼らと接していても自己愛性パーソナリティ障害者を変えることはなかなかできません。もし彼らを変えようと思うなら、彼ら以上に強い個性を持ち、影響を与えていかないといけません。また、彼らが憧れるような強く正しい人間になるか、理想的な人間になれるかどうかです。

 

人格の変容には、彼らが理想化した対象に対して、闘争モード(自己愛憤怒)に入ることで、傷つけてしまうことが起きます。そのとき、理想化された対象の方が彼らに対して、分かってあげられなくてごめんねという言葉をかけたり、闘争モード(自己愛憤怒)を引き起こした原因は自分の方にあるからと、自分の非や弱点を認めることが重要なポイントになります。

 

そうすることで、自己愛性パーソナリティ障害者は、理想化した対象を傷つけたことへの罪悪感や自責感、悲哀、償いの気持ちでいっぱいになります。そして、ふたりの関係(良い自己と理想化され対象)は、バッチリと当てはまるようになるので、対象を求める質が変容し、新しい行動が獲得されていって、自己愛性パーソナリティ障害が良くなります。

17)自己愛と仲良くなる方法


自己愛性パーソナリティ障害者は、100%の安全や穏やかさ、実益を求めています。また、一心同体的な価値観の一致を求めています。安全や実益を求めているため、お金にケチな場合が多くて、プライドの高さから、自分がお金を使う分にはいいのですが、パートナーに勝手にお金を使われるのが嫌で、細かいところまでチェックします。

 

このような特性があるので、パートナーの方は、彼ら以上にケチになった方が関係はうまくいきます。また、彼らは、穏やかさを求めているため、パートナーの方は作り笑顔でもいいので、笑顔でいたほうが良いでしょう。彼らが仕事から帰ってきたときは、喜んで元気に迎えてあげてください。また、疲れやすい体質なので、ひとりきりでいたいときには、監視せずに、そっとしておいてあげてください。

 

自己愛性パーソナリティ障害者の身体は、身近な人の気配により、肩が上がり、首が固く、眉間やお腹に力が入ってしまいます。パートナーは、近くにいる存在になるので、怒ったり無表情だったりすると、彼らに良くない刺激を与える存在になります。そのため、パートナーの方は、家事をやれるだけやった後は、自分の機嫌が良くなることを第一優先に考えて、身体をリラックスさせましょう。彼らがややこしいことを言い出しても、話半分で聞いたらいいと思います。

 

彼らの背後には、トラウマによる過緊張や焦燥感、闘争状態の問題があり、子どもの頃から、不安や危機を感じてきたからこそ、自己愛が病的に肥大化していることを十分理解して、自他の区別をしっかりつけましょう。そして、彼らが緊張・警戒から、さらに追い詰められて、身体が委縮していかないように気をつけながら、たくさん良いところを探してあげて、褒めてあげることが重要です。

 

パートナーの方は、自己犠牲的に振る舞うのではなく、自分の個性や感情をしっかり伝えていったほうが良いです。そして、自己愛性パーソナリティ障害者があなたを尊敬するようになれば、永続的に良い関係を築けるでよう。

18)その他


自己愛性パーソナリティ障害者は、小さい時から、ありのままの姿でいられなく、おとなしく暗い自分は嫌なので、仮面を被り、自分を作っています。彼らに接する方は、自分も相手も安心できて、穏やかに過ごせる環境を作ることが重要です。また、自己愛性パーソナリティ障害者は、内なる子どもの部分が理不尽な相手に捕まえられて、不条理な目に遭わされ、無力に打ちのめされた体験をしています。そして、自分だけの使命を持って孤独に戦っているという視点を持てれば、関わり方を変えることができるようになるかもしれません。

 

最初のうちは、彼らの環境を調整しながら、エネルギー量の調整とストレスの原因を取り除くことが求められます。また、彼らに接する方は、共感的に波長を合わせていくことにより、彼らの断片化した自己がまとまりを帯びていくことに役立ちます。さらに、瞑想やヨガのエクササイズに取り組むと、身体内部や精神内部にも注意を向けていく練習になります。身体の中の流動性をじっくり味わいながら、心身を鍛えて、固い部分や弱い部分を解きほぐしていき、生理機能や自己調整能力を強化していくのが良いでしょう。

19)瞑想による神秘的体験の変容


自己愛性パーソナリティ障害者の心理療法では、従来の対話のみのカウンセリングは、全部表面で滑ってしまって、心にも響かなくて、改善されないまま終わることになるかもしれません。当相談室では、トラウマの種類によって違いますが、本人に絶望や無力な状態に向き合ってもらい、最も堕ちた状態に入ってもらって、そこから反転させることにより、神経システムが平衡状態に戻り、穏やかな性格に変えていく治療を行います。

 

瞑想により、望みのなさや悲しみ、取り返しのつかない恐怖を思い浮かべていき、身体の反応を見ていきます。そして、地獄の最下層の凍漬地獄に辿りつくと、身体と心に反応が起きて、それらを体験しつくすと、天国への階段を昇ります。その過程で、息苦しく、血の気が引いて、鳥肌が立って、涙が溢れて、手足が震えて、温かいピリピリとした波に包まれるような体験をされるかもしれません。

 

最終的に、温かいものが両腕や両太もも、身体の中に入ってくるかもしれません。また、手足が膨らんで、ほっぺも膨らんで、首と肩がリラックスして、お腹の中が熱く柔らかい感じがするかもしれません。このように身体の内側から変化を起こし、生きた心地を取り戻すようなセッションを繰り返して、新しい自分に生まれ変わることを目指します。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

更新:2020-06-24

論考 井上陽平 

 

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