現実感の隔たった世界

▶現実感の隔たった世界

 

発達早期にトラウマを負った人は、神経が過敏になり、環境がうまく機能しないと、常に体が凍りついて、自分の体の感覚が溶けたり、無くなることがあります。体の感覚がない人が現実に手を伸ばそうとしても、シャットダウンしてしまって、常に頭の中のある空想世界に入っています。魂が抜けていって自分の体を切り離せるようになると、魂は見える場所どこまでも行けるようになることがあります。

 

 人間の体というのは生命の危機に瀕すると、痛みを感じないように、原始的な神経が働き、全身が固まって、体の感覚を切り離すことができます。そのため、外傷体験を負った人が、その後も適切なケアがなされないでいると、常に体の感覚を感じられなくなることがあります。そして、状況によっては、泡や霧のように自分の存在が消えてしまうことがあります。

 

自分の感覚が分からないときは、トラウマまみれの体になっていて、脳は緊急事態だと判断し、心は混乱します。一人になるとどうしていいか分からなくなり、何をしてていいか分からなくなります。自分が自分で無くなってしまった人は、対象(人や物)があることで、自分が成り立ち、一人でいると自分が自分で無くなります。

 

トラウマや対象喪失などの精神的ショックを期に、心が壊れてしまうと、人との繋がりがなくなり、社会的交流システムが遮断します。心が壊れてしまうと、この世界との繋がっている感覚が無くなり、人と繋がっている感覚も無くなります。そして、誰にも助けを求められず、必死に頑張っていても、どんどん孤立していきます。

 

必死に頑張っても、周りは大切にしてくれず、受け入れてもくれず、周りからは、何か様子がおかしいと言われるようになります。心が壊れた人にとって、この世界はあまりに冷たく、厳しくて、身体が固まり凍りつきます。そして、現実世界が壊れてしまっては、ほとんど動くことさえできなくなります。

 

体が凍りつき、原始的な神経が働く、慢性的な不動状態に陥ると、本来の人間性を失い、今までとは逆の性格になり、ネガティブなことが頭の中がグルグル回ります。現実感が無くなると、世界に一人に取り残されて、誰とも関われていない感じになります。この世界は動いていても、自分には現実感がありません。次第に自分の感覚が分からなくなり、自分に意識が向かなくなります。

 

自分に意識が向かない人は、他者の欲望のなかで生きるようになり、大事な人がいないと、何も感じなくなり、自分が消えてしまいます。大事な人がいると、自分の存在が発生して、自由に生きれるようになり、目標が戻ります。そのため、相手に依存することで、嬉しさや幸せを感じますが、同時に、大事な人がいなくなる不安や諦めがあります。また、相手の顔色を伺いながら、相手が喜ぶと、自分の幸せを感じます。さらに、自分がしたいという行動に対して、相手が喜んだ顔でいてくれると、自分の感覚が強くなりますが、それは非常に脆いものです。

 

現実感がない人は、人が変わり、環境が変わり、立場や時間が経過すると、自分が自分で無くなるので、他者が自分の思い通りに動くこと望むようになります。自分が自分であるために、分かり合えると嬉しいとか、分かってもらえることを欲しています。彼らは安心感や安全感のある世界を求めており、大事な人が自分のことを分かってもらえないことに悲しみ、それに耐えられなくなっていきます。

 

現実感がない人が、他者を求めても、分かり合えないとか、話が通じない場合は、夢の中で生きるようになります。現実がうまくいかなくなると、現実離れした夢を見て、妄想や空想が膨れ上がっていきます。やがて、夢と現実や妄想と現実の境目が曖昧になります。

 

▶HOME ▶電話カウンセリング ▶お問い合わせ