人の体は、自然災害の恐怖や戦慄によって、一瞬固まることがあります。トラウマ化していくと、雷では、筋肉がビクッと反応して、体が凍りつき、動きづらくなります。大地震では、逃げたくても足に力が入らず、体全体が脱力することがあります。
人は自然災害の後も、トラウマにならない人もいれば、トラウマになる人もいます。トラウマにならない人は、外傷体験を受けた後も、支えてくれる家族がいて、安心できる環境にいると、体が落ち着いていって、脳も安定します。トラウマになる人は、子どもの頃から、機能不全家庭で育っていることが多く、自律神経系の調整がもともとうまく出来ていません。外傷体験を受けた後も、自分の居場所が無く、常に体を緊張させています。長期に渡って、ストレスに曝されると、慢性的に体が縮まるか、脱力していって、脳にも影響が出てきます。そして、体と心のバランスが崩れていくことで、様々な症状が出てくるようになります。
トラウマティックな脳になり、体は慢性的に蝕まれていくと、不快なことに対して、過敏になり、環境の影響を受けやすくなります。刺激に対して、神経が過敏に反応すると、心臓を脈打つ音が早く感じられ、怖いと思うと、余計に、動悸が早くなり、呼吸が浅く早くなって、パニックになりやすくなります。