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睡眠障害


睡眠障害は、全人口のうち10~20%ほどの人が持っており、非常にありふれた症状と言われています。睡眠時間が不足している人は、自分で自分をコントロールする力や自己の感覚が弱まってきます。それらが長期にわたると、疲労が蓄積されて、免疫力が低下し、ストレスへの耐性が弱く、体の病気になりやすくなります。また、うつ病や双極性障害、依存症、PTSD、不安障害、解離性障害、摂食障害、自律神経失調症、パニック障害などの精神疾患に罹りやすくなります。そして、感情調整能力や集中力、持続力が低下して、意欲を失いやすいです。

 

睡眠不足から、エネルギーが不足すると、それを補おうとして、コーヒー、フライドポテト、お菓子、ケーキ、アイスクリーム、たばこ、お酒の量が増えて、必要のない物まで買ってしまいます。さらに、神経が過敏で、ちょっとした音や光、振動、気配などが気になり、眠れなくなっていきます。日中は、感情が不安定でイライラしやすく、自分で自分をコントロールできなくなり、頭がぜんぜん回らず、頭痛などでしんどくて、仕事や学校でミスすることが多くなります。また、睡眠が取れずにストレスが過剰になると身体症状が現れます。そして、このような悪循環が続くと、過度に悲観的になり、悪いことばかりが起きているように感じたり、生きていくことが怖くなったりします。

睡眠障害とトラウマ


逃げ道がなく、恐怖に閉じ込められたり、動きの自由を奪われたりするような凍りつくトラウマを受けた人は、夜に眠ることが難しくなります。トラウマというのは、恐怖や戦慄のショックに曝されることにより、渦巻く感情や不快な感覚に襲われて、それに自分が飲み込まれていき、深くどこまでも続く、真っ黒な空洞のなかに吸い込まれて、何もない境界の彼方に連れていかれるような体験と言えます。このような体験をどこかでした人は、夜を怖がり、やたら暗闇の気配に怯え、影や光、物音、匂いなどに過敏になり、被害妄想が拡大すると、幻聴が聞こえたり、過去に引きずり込まれます。トラウマがある人は、脅威がそばにいると感じて、脳が興奮して警戒モードになり、自己防衛本能が勝って、過覚醒で夜は眠れません。彼らは、刺激に敏感で、人の気配や物音、光、振動などに警戒しており、不安や緊張、恐怖が入り混じり、身体は凍りつき、冷汗をかき、動悸がして、焦燥感のなかにいます。また、夜になる度に、嫌な記憶が蘇って怖くなると、胸が痛くなり、身体がこわばり、凍り漬けになっていることがあります。

 

夜に眠れないというのは、一般的には、身体の中に安心して住むことができなくて、神経がいきり立ち、頭の中が興奮していて、過覚醒状態であり、悪い方に考えすぎたり、不快感が強かったりして、眠れる状況にありません。夜眠るためには、脳を安心させてリラックスモードで、無防備になれると眠れるようになります。夜眠れない人の身体は、長年の降り積もったストレスや恐怖に凍りついて、胸や頭が絞めつけられるように苦しく、呼吸がしづらく、冷たくなっています。また、頭や手足が痺れたり、胃が熱かったり、みぞおちが張って痛かったり、肌の感覚がムズムズして気持ち悪かったり、体内の不快感から、何か気になって眠れません。

 

トラウマのある人が、仰向けになり、横たわって寝るというのは、身体が固まり、身動きがとれなかった過去のトラウマの状況と似ているために、身体が収縮して固まり、グルグル思考が動き始めます。また、眠るときに、目をつぶることが怖く、そのまま気を失うことを恐れています。さらに、意識が低下していくなかで、目をつぶり、一つのことに意識を集中していくため、変性意識状態に入りやすく、過去のトラウマが賦活されやすい状態とも言えます。特に、解離性症状のトラウマがある人は、身体の中にトラウマという莫大なエネルギーが滞っています。寝ようとしているときは、意識の低下とともに、自分の中で抑制していたものが抑制しきれなくなります。自分が過去に処理できずにいたトラウマの記憶が脳や身体のなかで活発に働き始めるため、物音がするだけで妄想が拡大して、自分が体験しているように感じます。そして、気分は落ち込むばかりになり、過去の嫌なことも思い出されてしまって、妄想が頭の中をぐるぐる回り、失敗したことやネガティブなことを、悪い方に考え続けることになります。また、寝ることがとても恐ろしくて怖くなり、動悸がするとか、気持ち悪くなるとか、急に頭が冴えるとか、興奮して眠れなくなど、どんどんと心配ごとが増えて、部屋を歩き回ったり、パニックになったりします。その結果、眠れないことが大きな問題になり、夜も早くから布団の中に入って寝ようとしますが、なかなか寝付けず、明け方になればなるほど、このまま寝てしまったら起きれないという焦りや恐怖から、脳が覚醒してしまって、眠れなくなります。

 

健康な人は、覚醒度がゆっくり下がり、まどろみの中で眠れますが、トラウマがある人は、気絶したような形で寝ていて、睡眠の質が著しく悪かったりします。また、就寝中に脳や身体の神経系に蓄積されたトラウマが再現されるため、悪夢を見て、汗びっしょりのなかで中途覚醒するかもしれません。また、無意識に身体は凍りついて、歯の食いしばりが酷いかもしれません。喉や気管支が詰まったり、鼻炎で鼻詰まりが酷かったりして、呼吸がしづらく、大きないびきを立てながら、大変辛そうな状態で眠っているかもしれません。そして、就寝の途中でグタッと疲れて、無力感や脱力を起こしてしまうかもしれません。また、寝言を話したり、歩き出して何かをする人もいます。さらに、中途覚醒、悪夢、人格交代などが起きている場合は、彼らは寝ることが怖くなり、精神的にはギリギリの状態で、眠れたとしても疲労が残ります。

睡眠セラピー


睡眠セラピーでは、いつでも寝れるように、お風呂上りでパジャマに着替えてもらって、寝床でスカイプや電話を使ってカウンセリングを行います。当相談室は、夜に90分の時間をかけて、リラクセーション瞑想をしていきながら、寝ることを目的とした睡眠セラピーを行っています。まずは、自分の思ったことをたくさん話してもらって気分を発散します。そのあと、目をつぶりながら、頭の中で自分の望ましい記憶や安心できる記憶を思い浮かべながら、硬い身体をほぐして、冷たい手足を温めていって、フワッとした体の状態にしていきます。また、呼吸のパターンに変化を加えたり、シンギングボールの音を聞いたりして、のんびりゆっくりした状態に持っていったら、そのまま、眠たくなったら寝てしまってもかまいません。

 

次に、凍りつくようなトラウマがあり、身体が硬直していて、呼吸がしづらく、胸やお腹が張った感じがあるとか、痛みが強くて寝つけない人には、あえて身体を縮ませて、固まらせたあとに、セラピストがガイド役になり、イメージを作ります。危険な場所にいるイメージと、恐怖で身がすくんでいる体の状態を作ったあとは、二人きりでどこまでも遠くへ行こうとするイメージをして、大きな闇の中を幸せを探しに進みます。そうすることで、恐怖で固まった部分が震えるか、ピリピリと熱くなるか、寒気などがして、弛緩されていきます。そして、体が緩んでいくことで、魔法をかけられたように眠れるかもしれません。このように最悪なイメージを使うことで、体を不動状態にして、肉体感覚を体験しつくすことで、ブルブル震えるか、熱を帯びる反応が起きて、安堵感に変えることができます。不動状態に入りつつも、その後、自然に抜け出ることで、体は軽やかになり、安心感から深く呼吸できるようになって、久しぶりに深い眠りができるかもしれません。

 

一般的に、人が眠れる状態になるには、身体のリラックスが必要で、深呼吸やストレッチ、優しい音楽、心地良い香り、ポジティブなイメージを持ちましょう。刺激に敏感な人は、眠る前に人の気配、音、光、振動などの刺激を減らして、身体の力を抜くことが大切です。身体がリラックスして、低い覚醒状態におち、手足はポカポカ温かく、心拍数が低く、呼吸がしやすく、皮膚のムズムズ感、体のモヤモヤ感がなく、考えごとがなくなると、安心して眠れます。一方、頭が冴えていて、心拍数が高く、身体に冷えて緊張していて、不安から悪い方に考えていると眠れません。そのため、室内の温度や湿度を調節して、心地良い布団のなかで、肌触りの良いパジャマを着て、ホットタオルで体を温めて、枕元にはアロマの香りを置きます。そして、楽な姿勢を取り、楽な呼吸をして、頭の中で良いことを考え、それをイメージして、心地良さを追求した先に眠りにつけます。※カウンセリングを受けても、セッション中に必ず眠れるとは限りませんが、良い習慣を作っていくことにはなります。

 

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